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S04.荒川

S0400. 荒川流域概観

取材:****. **
初稿UP:2017.10.30


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地図001. 野洲川流域南回り図

   建設省近畿地方建設局琵琶湖工事事務所編 『野洲川改修計画概要』(S58.5)より

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 前項で取り上げた独立小河川(家棟川・由良谷川・大沙川)の3河川は流域面積は持つが、その流域が野洲川流域の分水嶺に達しないという特殊な河川であった。そのため石部の頭首工左岸から立ち上がった分水嶺は、宮川・落合川と続き、阿星山を少し過ぎたあたり、前々項でレポートした「阿星越え」あたりを境として、荒川流域の分水嶺につながる。くりかえすが家棟川・由良谷川・大沙川の3河川は、野洲川流域分水嶺としては表舞台に登場しない。  




地図002.荒川流域図  (国土地理院Web地図に加筆)
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 左の地図に示されるように、湖南市の最上流の河川(ムラサキ色で示す)である。この川は大きく分けてアセボ峠付近を水源とする東流と、阿星越え付近を水源とする西流とに分かれる。その2つの流れが勅使野橋上流付近で合流し、横田橋から500mほど下流の野洲川へ流れ込む。
 地図に見られるように、荒川西流は遡るにしたがって西へ変位し、源流は阿星山の山頂付近に至る。落合川源流との距離は地図に見られる範囲で約500m、実際現場に立てばそらく数10m近くまで接近しているのではあるまいか。それが河口どうしでは約5Kmに隔たる。その間に流域が分水嶺に届かない小河川(家棟川・由良谷川・大沙川)が入り込んでいるからである。
 一方東流は、西流と分かれて後、県道53号沿いに遡りアセボ越え付近に至る。源流に近づくほど、支流同士が離れていくという落合川とよく似た形を示す。落合川と荒川という上流へ行くほど流域が広がるタイプの間に、それと全く逆のタイプの小河川が挟まれている。何とも不思議な縁を感じるところである。




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