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S03.独立小河川流域

S0303B. 大沙川をさかのぼる・B

取材:2017.08
初稿UP:2017.09.01


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6.住宅地を抜ける
写真040.西往寺
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 旧東海道分岐から100mたらずで西往寺の前へ出る。その向こうに道路ができるとかで前は広い。そこから菩提寺山と三上山のコンビが見える。なれない場所なので、こんなところからと不思議に思うが、考えてみれば先ほどの弘法杉のところからも見えていた。JR草津線のトンネルからでも200mほど、当り前のアングルである。





写真041.工事現場
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 西往寺の上流側で工事が行われていた。こういう場所で工事というと河川関係かと早合点するが道路の新設工事だという。漠然と見ていると前方のアーチの上が新設道路かと思う。しかし実際は、新設される道路は下のアーチをくぐるのがそれ(カメラ位置が道路予定地)で、上を走るのが川である。





写真042.工事現場防
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 でも待てよ。ここまでの工事をやるということなら、当然、堤防を取り壊して川を平地化するはずである。前の由良谷川がそうだったし、もう一つ前の家棟川もそうだった。ここはどうなのだろう。どう見てもその気配はない。上が川である。この川は平地化しないのだろうか。






写真043.住宅地を行く
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 少し行くと住宅地に入るる。一般的には、通り抜け道路は住宅地のふちを通るか、然るべきところをスポンと抜けるようになっているはずだが、ここはそうではない。単なる住宅地内の道路を2度、3度と曲がって抜けていく。あえて通り抜けをしにくく設計してあるようにも感じられる。乗用車はいいとして、自然道場への団体バスなどはどうするのだろう。





写真044.左・三雲城址
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 ”左・三雲城址”の道標を見て左へ曲がる。山への入り口である。振り返れば住宅地の向こうに十二坊が見える









地図003.由良谷川上流部地図(国土地理院Web地図に加筆)
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7.青少年自然道場まで
写真045.川に沿う
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 最後に90度右に曲がって住宅地から離れる。「三雲城址展」の看板があって、その右に草を分ける道がある。そこから川の水が見える。県道4号の河口からここまで、切れ切れにではあったが由良谷川をトレースしてきた。どこにも水は見えなかった。天気の様子にもよるのだろうが初めて見る水である。
 道はここから湖南市青少年自然道場への専用道路になる。由良谷川は道路に沿って左側を流れる。



写真046.青少年自然道場への道
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 青少年自然道場への道を行く。ところどころに「三雲城址」のノボリが立つ。


  写真047.落差工
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 落差工が見える。


  写真048.右側へ
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 いつの間にか川が右側へ。








写真049.さわがに滝
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 「さわがに滝」という案内板がある。それはいいのだけどどこに滝があるのか。案内板の様子では100mも200mも離れたところではないだろう。しかし付近を見回しても滝らしいものはない。あるのはちょっとした落差工。まさかこれが滝ではないだろう。きょろきょろ見回したが、考えられるとしたら木と木の間の谷筋の階段のようなところ。





写真050.左側へ
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 さわがに滝のところで再び川は左へ移る。










写真051.大沙川起点
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 川が道路左へ渡ってすぐのところで面白いものを発見。道を下り向きに見たとき、道路の右側、川の左岸との交点に「大沙川起点」の石標が見える。川の名前は”大沙”までしか見えないが大沙川であることは間違いないだろう。こういうのが見つかると川の名前で悩むことはない。
 と。調子のいいことを書いてはいるが、これから上流の名前が分からない。




写真052.落差工
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 自然の落差なのか、人口のものか。その判断すら難しい。











写真053.奇岩
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 さて妙なものが現れた。説明板があって”奇岩”だという。何が奇岩なのか。”上から見れば・・・”という。どうして上から見るのか。”上を見れば・・・”だろう。確かに子犬に見える。しかし、”下から見れば・・・”が分からない。子犬も下から見ているのだから。分からないまま通り過ぎたが、帰り、右から見たら確かに象さん。ちょっとした視点の違いで見え方が変わる。しかしこの象さんに関しては、誰かが色を塗っているのと違うのかな。でないとしたら、自然でどうしてこのような色の違いが生じるのか。不思議。



8.青少年自然道場
写真054.自然道場
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 青少年自然道場が近づいてきた。


  写真055.三雲城址別れ
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 ここから右へとると三雲城址、しかしきょうは目的が違う。









◆以下、取材は2017年8月16日

地図004.由良谷川源流部地図(国土地理院Web地図に加筆)
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 青い矢印が川の流れである。












写真056.青少年自然道場
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 青少年自然道場の本館。










写真057.A池
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 青少年自然道場の少し手前にA池がある。この施設に付属したような雰囲気でおそらく庭園の一部として造られたものであろう。周囲の岸の部分を含めて平面的で、みちのく平泉・毛越寺の浄土庭園を思い出した。もっともスケールでその比ではないが。







写真058.流出口
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 池に流れ込んで流れ出るシステムであるから当然オーバーフロー流出口が必要。下手な写真だ。流れ出る水が見えるだろうか。水は道路の下をくぐって向かい側へ出る。もう1枚。流入口は対岸砂州の向こうの木の下。


  写真059.流入口
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 木の下の石橋。この下が流入口。


  写真060.上流を
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 石橋の上から上流を見たところ。庭園の面影がある。さらにその上流が見たくなる。



9.山道を行く
写真061.山道
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 流れに沿う山道である。もう何年前だったか、この先にある三雲城址まで上ったことがある。そのときは大沙川という名も知らなかったし意識もなかった。途中まで林道をクルマで上った。今回もその手で行くかこの道をとるか。道はずっとこのままラクな道ではないだろう。しかし、林道を走ったのではこの川の表情は読めない。よし、思い切って歩いてみよう。昔なら何のためらいもなしに登ったものだが。




写真062.落差工
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 早くも落差工が現れる。


  写真063.落差工
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 さらに続く落差工。人間が造ったから落差工というが、実質は滝である。それが連続したところを遡る。勾配のほどが想像できるというもの。






写真064.穏やかに
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 落差工の連続が終わると穏やかな流れになる。


  写真065.登り道
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 今度は道の半分が川に。もう1枚。しかし、こんなことは山道では当たり前のこと。








写真066.妙感寺分岐
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 と、「妙感寺・・・」との標識が現れる。ちょっと待てよ。何で妙感寺なのか。淡い記憶では三雲の大日不動へ行く途中で案内を見た記憶がある。どちらも三雲だといえばそれまでだが、ここからそこへつながっているのか。







写真067.妙感寺分岐
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 1枚には入り切らなかったが、左の階段が妙感寺への道である。尾根を越えてつながっているのだろう。右端に「三雲城址・・・」の標識が見える。いまは、こちらの道を行く。川は右側に音が聞こえるだけ。






写真068.川を渡る
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 川の音が右側から近づいてくる。無理をして撮ったのが左の写真。それが道の下をくぐって左へ出る。その流れを撮ろうと頑張ったが、手前の草や木が見えただけ。
 里に近い山中を歩いていると、ときどきこういうところに出会う。以前は何も思わなかったが最近はこれが気になる。川が勝手に道の下をくぐるはずはない。くぐれなかったらどうなるか。池ができていちばん低いところであふれ出るはずである。もちろん今の場合、池はない。橋がかかっているわけでもない。道の下が暗渠になっているのである。暗渠を作ったのは人間。 いままではそれを何とも思わずに通り過ぎてきた。
 上の写真に水着の女性が写っている。まさかこんなところで。夏でも寒いだろう。確かめて見よう拡大したら、今度は頑丈そうな山伏が大きな目をぎょろつかせて、天空を仰いでいる。




写真069.下り
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 道は少し下る。


  写真070.軽トラが走った
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 これは軽トラの轍だ。こんなところまでどうして軽トラが来るのかと思うが、これが見えたということはあとは大したことではないだろう。

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  写真071.山はもう秋

 道にはもう秋の彩りが。ひょっとしたらもともとこんな色かも知れない。無知の悲しさ。もう1枚


10.城址登城口広場
写真072.三雲城址登城口
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 ほどなく例の三雲城址のノボリが見えてくる。もう1枚。左へ行けば”青少年自然道場”。この道を歩いてきたわけだ。

 






写真073.三雲城址登り口
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 林道がちょっとした広場になっていて、写真の階段が城址への登り口。林道と上ってきた山道とが直角にクロスしている。(上の写真にこの階段が写っている)。
 左の写真の右端にこんな表示が見える。極めて明快な図である。前回ここへ来たとき、この表示でとんでもない失敗をした。
 私はこの図を単純に解釈し、林道を左へ行けば8分で三雲城址に達すると理解した。今思いかえしてみるといろいろつじつまが合わないことがある。たとえば8分、5分と表記されているこの”時間”。これは徒歩なのかクルマなのか。さらにもっと不思議なことが。そのとき私は下の青少年自然道場のからクルマでここまで上がってきた。現在場所へ右からやって来たことになる。この図によれば、右へ行けば八丈岩を経由して三雲城址になるはず。右からやってきたにもかかわらずそんなものは何もなかった。




写真074.八丈岩分岐
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 いまになってこの解釈が何と間抜けたものであったことがよくわかる。ここは上の写真に見える入り口から階段を少し上ったところ。左へ行けば三雲城址、右へ行けは八丈岩といういわゆる分岐点である。上の案内図が示す8分、5分はこれらの階段を登る時間であったわけ。

  写真075.林道を登る
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 昔の失敗をほじくり出しても仕方がない。きょうは目的が違う。とにかく林道を登ることにする。山道を登ってきたのだからクルマはない。






写真076.上り道
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 曲がりくねった上り道。しかし林道だからのんびり上れる。

  写真077.城山遠望
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 旧甲西町側の展望が開ける。真ん中、稜線の向こうに水口の城山が見える。








写真078.上り道
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 道路わきに巨岩が立つ。近寄ってみると手前を切り取った後が見える。道を拓くにあたって手前の方を切り取ったらしい。よく似た道が続く。もう1枚









写真079.三雲城址
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 三雲城址への入り口。早くもススキが穂を出していた。プロパティで調べてみると、ここまで7分。偶然だろうけれど、下で見た標識の8分に一致する。最初来たときはこれを信じ何の疑いも持たなかった。念のためにと入ってみる。こんなところだったのかな。何の記憶もなし。






写真080.川が右側へ
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 右側にガードレールが見える。実は先ほどから左側に水音が聞こえていた。写真068で左側へ別れたきりになっていた川が再び近寄ってきたのだろう。それが右へ抜けたらしい。もう1枚。音は聞こえるが流れは見えない。ガードレールがあって一見橋かと思うが、実際は暗渠で抜けているはず。





写真081.上り道
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 道は上っていく。左が山で右が谷、水流の音は聞こえるが実際にはまず見えない。木と木との間から、無理に覗き込んで写した水面。

  写真082.峠道
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 見通す向こうがほぼ水平に。どうやら峠に至ったらしい。林道の最高点というだけで、地形上の分水嶺を越えるという意味ではない。






写真083.峠の広場
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 上り切ると道路は広場になっている。ちょっとした峠の広場という感じ。上にも書いたが、ここで水の流れが逆になるという峠の意味ではない。ここで道は右へ曲がるが、地図で見ると川はその林道の下を暗渠でくぐってまだ直進する。左の芝生がそれに沿う道の入り口らしい。

  写真084.盲腸広場
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 一見芝生に見えたが、近づいてみると優しい草が生えているだけだった。普通車で1台、無理すれば2台がつめ込めるぐらい。ちょっと入ってみたが、それ以上進める状況ではなかった。





写真085.下り道
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 右へ曲がった林道は下りになる。2,30m進んだところでくさり止めがあって、進入禁止。川の流れとは離れていくので、無理に歩く必要もない。







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