地図001. 野洲川流域南回り図 建設省近畿地方建設局琵琶湖工事事務所編 『野洲川改修計画概要』(S58.5)より
前項でレポートした宮川水系の上流側の水系である。野洲川へ合流点は中郡橋の上流700m強の地点。いうまでもなく合流時点では1本にまとまっているが、次の地図に示すように、流域は思いのほか広く、主流とする落合川のほか、広野川・北浦川等、旧石部町の町域をほとんどカバーしている。
対象とする分水嶺は以外と長く、阿星山山系の西半分といえようか。
地図002.落合川流域地図 (国土地理院Web地図に加筆)
左の地図は、湖南市域の阿星山・飯道山の北斜面を水源として野洲川に流入する河川図である。いちばん下流の宮川は前項でレポートした。次のムラサキで示した落合川・広野川・北浦川等が本項の対象河川である。
今回の対象となる落合川は、河口が野洲川中郡橋の上流約700m、最終的には大きく3本に分かれる。分水嶺でいうと、「東坂越え」から「阿星越え」までの栗東市・湖南市市境ということになる。
いちばん東を流れるのが主流というべき落合川で、阿星山山頂直下東側の谷を水源とし、旧石部町と旧甲西町の境をなす形で、野洲川までほぼまっすぐ北流する。不思議な川で人目につくのは下流部だけ、中流部から上流部は一般市民の生活圏からはほとんど見ることはできない。山中に入り込めば源流部で林道から見ることはできるが、今それは獣の生活圏になっている。
真ん中を流れるのが広野川。東寺・長楽寺背後の山中を水源として、棚田の斜面を流れ下り、柑子袋住宅地の東側で落合川に合流する。上流部で長楽寺の東側から合流する支流の源流部は巨大な砂防ダムがそそり立つ。
いちばん西から流れ下るのが常楽寺近辺を源としている。大きく2つに分かれており、東側、県道119号沿いを流れるのが「北浦川」、西側の丘陵沿いを流れるのが「井の本川支流」。どちらも”土石流危険区域”の表示によるもので、流れ全体の名称は分からない。
なお、この水系から分水嶺を越える峠としては、地図に示すように”阿星越え”がある。落合川沿いに歩いてみたが、道は荒廃していて、途中で引き返えさざるを得なかった。