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S01.宮川流域

S0103A. 東坂越えA・県道113号

取材:2017.01
初稿UP:2017.02.03


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1. 湖南市・栗東市市境
写真083.勾配を上る
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 石部側から峠へ向かう上り坂である。遠くのトラックは坂を登っていく。クルマ(軽)は石部へ向かって坂を下ってくるところ。その右、陰になっているところにもう1台クルマが見える。2台の車の真ん中、歩道のところに小さな水門が見える。宮川源流部の水門である。







写真084.小さな水門
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 宮川の水門である。道を渡って水門に近づいたところ。奥に続く箱庭風の小川が源流。

  写真085.宮川源流
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 県道から見える箱庭のような空間。おそらく家庭菜園だろう。ここを越えてすぐ源流は草むらに消える









写真086.市境
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 栗東側から石部側を見たところ。一見上りに見えるが手前から奥に向かっての下りである。走っているクルマは石部から峠に向かって坂を登っているところ。ここが市境である。宮川は道の下を暗渠で抜けている。車で走っていては何の意識もなく通過していしまう。今回ここを歩くまで、ここに市境標識が立っていることなど、想像すらしたことはなかった。この坂の上の峠(「東坂越え」としてこのとレポートしようとしている峠)が市境だと信じ込んでいたのである。



写真171.栗東方面を見る
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 栗東方面を見る。ゆるやかな勾配を上っていく。道路の向こう側に階段状の田んぼが見える。のり面を見ると道路が上りになっているのが見える。もう1枚









写真172.峠
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 そして峠である。何台か通り過ぎていくクルマ。いちばん先頭は少し沈み込んで見える。

 こういうことで石部側からの上りは、特に大きな見どころもなく変化もない。そんなことで、ここではいったん峠を通り越し、栗東市側から上りなおすこととする。






2. 栗東側から峠へ
地図018.東坂越え付近地図  (国土地理院Web地図に加筆)
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 野洲川右岸、石部からすると対岸に当たる菩提寺集落からやってくる県道113号(石部草津線)が越える峠である。上で述べたように、宮川源流は石部側から見て峠の上り坂の途中で姿を消す。どういう事情かは分からないが、宮川と県道と交差するところが市境になっている(実際には宮川が県道をくぐっている)。
 なお図中の太い破線は、栗東東部工業団地が造成される以前、分水嶺は多分こうであっただろうと私が想像した線である。峠から栗東側の県道113号はなく、道は東坂集落内を経由していた。  




写真173.金勝川
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 上の地図で「峠歩きスタート」とあるところである。東坂集落蔵町から見た現場。左向きのトラックが県道113号。その奥に八王子神社が見える。
 左写真は、金勝川を下流から上流を向いたところである。金勝山地の観音寺あたりから流れ下り、この下流で植樹祭公園の方から流れ下ってくる細川と合流し草津川へ流れ下る。流れが急で落差工が次々に並んで見える。左の道路は県道113号。走っているクルマは峠へ向かっているところである。




写真174.県道へ出る
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 県道へ出たところ。113号・石部草津線の標識が立っている。右のガードレールの外が金勝川。道路には歩道がなく歩きにくいところである。右の高い山が阿星山。

  写真175.金勝川が離れていく
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 しばらくすると金勝川が右へ離れていく。

            写真176.左側に細い水路
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 道はそのまままっすぐ登っていく。道端に小さい水門があって、それに細い溝がつながっている



写真177.段々畑
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 道路の右側は結構段差があるだんだん畑。遠く東坂集落の屋根が光る。










写真178.工業団地
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 左側に「栗東東部工業団地」の標識が見える。名城食品の敷地の擁壁が道路の勾配を示す。

  写真179.さらに上る
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 次のブロック。大きな倉庫。当然これは水平。それに対して道路は上り。もうすぐ峠である。









写真180.峠に近いA
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 峠に近づいてくる。前のトラックは峠を越えるところに見えるが、ここからが難しい。一見してトラックはカーブミラーと同じ位置に見えるが、拡大してみると、トラックの影はT字標識より手前にいる(トラックの影が標識の手前に見える)。道路の面は標識のさらに向こうまで見えている。




写真181.峠に近いB
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 上の写真の右側に見える道路標識を越えたところまで進んだ。トラックが向こう側へ沈み込んでいく。もちろん時間がずれているからトラックはさきほどのものとは違う。対向してくるトラックも車輪部分は沈み込んでいる。T字標識の奥、右折レーンに向けてのゼブラゾーン辺りで路面が消えて見える。ここらで勾配の変化があることは事実。ただしここが峠だと早合点するとひどい目にあう。




3. 東坂越え
写真182.そして峠?
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 さらに進んだところ。拡大してみると右折ゾーンのゼブラを越えたところまでが見えている。そして向こうへ下っていくクルマが沈み込んで見える。と、このように歩きながら見ていくと、最高点がが次々と移動して、どこまで行ってもきりがない。要するにこんなことをいくら続けていてもきりがないということである。





写真183.T字路
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 影と日向に分かれて右へ分かれていくところがT字路の支道(メイン道路からの分かれ)の部分である。県道側から支道を見たところ。元に戻って左の写真では、石部側から白いクルマが2台勾配を上ってくる。こちらから見ると県道はずっと水平で、先頭の白いクルマの手前あたりで何となく下りになるように見える。
 念のため、この部分を石部町側から。タイガースカラーのポットと重なってわかりにくいが、軽トラが支道から右折してきたところ。T字路から見た道は水平に見えたが、こちらから見ると何となく手前に下ってくるように見える。そして最高点と思われる峠の向こうをごみ収集車が沈み込んでいく。




写真184.支道からメイン道路を見る
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 写真183で見える範囲が水平なのか下りなのか。道路方向で見ていたのでは区物がつかない。で、支道から県道を見ることとした。要するに道路を横から見てみようというわけである。突き当りに電柱が立っている。肉眼で見た場合ほとんど鉛直に立っているようである。ファインダーに方眼を入れてその縦線に電柱を合わしてみた。私のカメラにはファインダー内に水準器が内蔵されている。カメラは間違いなく水平を示していた。赤いダンプは勾配を上っている。ほかのクルマでもう1枚。電柱を過ぎてもまだ上りのようである。  




写真185.栗東側への下り
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 じゃ、下りになるのはどこか。栗東側へ沈み込んでいくところである。右側に続いてきたネットの切れ目、ブルーに白字の立て看板があるが、その辺りに見える。しかしこれはいくらやってもきりがない。この線は見方によって動くのである。たとえばすぐ目の前の電柱の向こうから撮ればこのようになる
 20歳代の初め写真を始めて間なしのころ、思うように写らないことに業を煮やして、”photograph”を「写真」と訳すのは間違い、「写偽」と訳すべきだと思っていたこのを、今ごろになって思いだす。




写真186.真横から見る
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 結局、写真184でやったように、真横から見るしかしかたがないのである。ということで、先ほどの栗東倉庫の看板の前からT字路に向かって道の向こうの擁壁の縦の線と道路との関係を見ていった。タテに3つ並ぶ水抜きの孔が上下に鉛直に並ぶ線と道路の面が直角に交わる位置を探していった。その結果が左の写真186である。ゼブラゾーンが終わって右折ラインになったところ。




写真187.栗東側
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 右、栗東側から上ってくるところ。











写真188.石部側
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 石部側、といっても下の小さな水門のところまでは栗東市だけど。支道から出て来たクルマが右折して行く。目で見ると水平に見えるが、市道から見ると石部側に向かって下りになっているところである。





以上、アホな遊びだった。このT字路はメイン道路・支道すべて切通しである。そんな場所の峠探しにどれほどの意味があるか。どういう事情があって市境がこのように移動したのか。素人にはわからない。しかしこのT字路が湖南市と栗東市との分水嶺であるとこは間違いない。この遊びの結論は、最初の地図018、これ1枚に尽きる。



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