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S01.宮川流域

S0101B. 宮川をさかのぼる・B

取材:2016.11
初稿UP:2017.01.22


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地図008.2川合流点地図  (国土地理院Web地図に加筆)
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 石部西交差点で旧東海道と別れ、名無し橋Bで宮川畔へ出、吉御子神社を左に見て名無し橋Cの分岐点のところへ着いたところである。上にも書いたように道路も分岐するが、川も分岐する(実際の水の流れは合流)。道路自体もうひとつぱっとしないT字路だが、川の流れはもっとわかりにくい。 











地図008A.合流点アップ地図  (国土地理院Web地図に加筆)
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 関係部分だけをアップした。宮川を遡る立場で表現すると、下流側から、「名無し橋C」をくぐる。この橋Cは雨山文化運動公園へ行く道に架かっている。宮川は橋Cをくぐったところで左右に分かれる。左へ分かれた川はすぐに名無し橋Dをくぐる。反対に右へ分かれた川は運動公園へ向かう道に沿ってさかのぼる。










8.支流分岐
写真039.合流点
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 2つの川の合流点である。といってもこれを見てなるほどと納得される人は皆無だろう。左の送水管は名無し橋Dに並行している。したがって左から流れているのが宮川、画面上から流れ込むのが雨山運動公園から流れてくる川。両者が合流して画面右外へ流れ出ていく。もう1枚。左下が送水管。その下から流れ出るのが宮川。画面上から、ホイールカバーの右を流れてくるのが運動公園から流れ下る川。合流した川が名無し橋Cをくぐる。




写真040.名無し橋Dの上流側
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 名無し橋Dの上流側である。宮川が正面から流れ下ってくる。その奥は見えない。地図によると山の裾を弓なりに右へ曲がって名無し橋Eでもう一度右側へ出る。








写真041.名無し橋E
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 名無し橋Dから道はまっすぐ同Eに至る。一切橋の名はない。山裾でカーブしてきた川が左側の竹藪のそばへ出てくる。真後ろから照る太陽が川面に影を投げかける。それはいいのだけど竹には一切影はなし。






写真042.名無し橋E上流側
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 民家が数軒ある。左はその土地の擁壁。それに沿って流れ下ってくる。

  写真043.宝来坂近く
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 民家が切れて再び森に。右側を宮川が流れているはずだが、密集した木で姿すら見えない。







写真044.住宅地の裏へ
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 川は宝来坂3丁目住宅地の裏へ回っていく。

  写真045.住宅地へ
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 住宅地へ入って行く。









写真046.宝来坂交差点
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 宝来坂交差点。トラックが交差点に入りかけている。川はこのあとこの道に絡んでいく。県道113号・石部草津線である。

  写真047.ポケットパーク前
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 宝来坂交差点を右折して太陽を前に見るようになり、風景が変わる。ちょっとしたポケットパークがあって、そこから中学生が現れた。川は画面右外100mほどのところを流れている。





写真048.ポケットパーク
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 ポケットパーク。紅葉が真っ盛りだった。道路から200mほど入ったところに石部中学校がある。その生徒作だというモニュメントがある。2つのL型の石を組み合わせて「愛・ふれあい」。いいなー。最後の仕上げを見てびっくりした。当然タテ書きだと思って右上から読みだした。なんて書いてあるのか。こんなレイアウトであるかなー。
 しかし、これはいまの探索とは関係ない話。校門前の橋を見に行ってもっと驚いた。




写真049.住宅地の裏側を
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 上の写真048Aで見るように、中学校校門の目の前に橋が見える。これはその橋から上流を見たところ。川ぎりぎりまで住宅地が迫っている。どこにでも見る風景である。反対の下流側。上に見えるのは校舎の一つかと思ったが、上水道のタンクらしい。






9.立石川
写真050.立矢橋
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 ガードレール付きのただの橋だけど、ここにはネームプレートがついていた。今まで名無しばかりが続いていて、正直ほっとした。ほかの場所ではない。中学校の正門前である。まさか名無しでは格好がつかんだろうというところらしい。気持ちはわかる。タテヤ橋か。最初の字は下手に読むと「五」と読めないこともないが、しかしこれはタテヤだろうな。と次を見たら、たつやばしだという。ハイハイ分かりました。今度、龍哉クンにあったときにいうときます、「オマエと同じ名前の橋があったぞ」と。何でもいいんです、名前さえわかれば。




写真051.立石川
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 こんなアホなことをやってると橋の名前は大事なのです。橋の名前というよりは、万物すべての固有名詞かな。これが分かるのとそうでないのとで文章の書き方が変わる。などとエエ恰好をして3枚目のプレートを見て、へたりこみそうになった。「立石川」。なんでやね。そんな勝手なことされたらワシが困るがな。これがタテイシ川なのか、タツイシ川なのか、はたまたタチイシ川なのか。そんなことどうでもよろしい。宮川がいつどこで立石川に変わったかということである。
 まあ、世間の皆様には宮川が立石川に変わっても、何がどうということはない。川はちゃんと流れて洪水さえ起こさなければそれでよろしい。しかし、このレポートではそれでは困る。やるからには川の名前はしっかりしたい。そんなことを言っていたら、「誰か近くの人に聞いたら?」というご仁がいた。うんなるほどな、でもそれなら市役所かどこかへ行って訊いたほうが早いやろうな。しかしや、しかしそんなことしていて面白いかなー。やっぱりわからんところは自分で見て、調べて、それが遊びの楽しいところ。それで分からなければ、尻尾をまいて逃げるしか手はない。
 しかし、この立石川は難問やな。子供のころやった折り紙の帆掛け船。帆を握って目をつぶったのに、目を開けたら舳先になっていたというやつ。どこで宮川が立石川に変わったのか、何の手がかりもないのである。




地図006X.第1分岐まで  (国土地理院Web地図に加筆)
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 ここで今までのことを整理してみる。推理小説などで、刑事がよくやる手だ。
 河口・頭首工畔から第1分岐(第3号町道橋)まで。宮川橋には「宮川」の銘、その1つ上流の五軒茶屋橋にも「宮川」の銘がある。そのあと第1分岐直後の第3号町道橋には「村井川」の銘(下流から見て左へ分かれていく川)がある。右へ分かれる川は名無し橋である。これについては下流の2本の橋と同じ宮川であるから省略されたと考えた。







地図006XX.第1分岐から第2分岐まで  (国土地理院Web地図に加筆)
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 第1分岐から第2分岐まで、これはすでに述べてきたようにすべての橋が名無し橋である。ただ1つ、西縄手公園の横にある橋が未確認だった。たった1つの齟齬が大きな失敗につながることもある。念のためにと再確認に行ってきた。結果、名無し橋であった。アルファベットの順不同はその意味である。
 繰り返すが、第1分岐から第2分岐まで、国土地理院のWeb地図に記載されている橋は5橋あるが、すべて名無し橋であり、さらに第2分岐を越えて左へ分岐する川に架かる2橋までもが名無しである。そして石部中学前の立石川ということになるのだから、なんとも手の打ちようがない。




地図009.河川名模式図
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 河川名の模式図を作ってみた。TVの刑事ものでよくやる手である。上が上流、下が下流。私が歩いているのは下流から上流向きである。
 いまはっきりと分かっていることは、河口から第1分岐までの名が「宮川」であることと、石部中学校前の立矢橋に「立石川」の名があるということだけである。それ以外にあえて言えば、第1分岐で左へ分かれていく川、これが分岐直後の第3号町道橋に「村井川」(模式図では緑色で示した)の名があるだけである。
 私はこの川を歩くについて、一番奥の栗東市との市境あたりまで遡る流れが「宮川」であると考えた(模式図1)。第2分岐で右に流れる川(雨山運動公園あたりから流れ下る)川は別名であろう。そこへ現れたのが「立石川」。一番考えやすいのが、第2分岐から上流は「立石が」とする案である。だとすると第2分岐で右へ分かれるのを宮川とする考えも出てくる。これが第2案。第4案はどういう考えか。これはたまにあるようだが、そのあたりだけのローカルな呼び名である。昔の字(あざ)ではこう呼んでいたというやつ。
 ごだごだと訳の分からんことを並べてきた。ここまで読んでくださった方は、よほどのヒマ人か忍耐力の強い人。分からないものはわからないとして、とにかく雨山運動公園から来るルートを確かめないことにはらちが開かない。



10.運動公園支流
写真052.雨山文化運動公園
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 とにかく運動公園まで行ってみた。遠い昔に一度来た記憶があったが、もっと水平的なところだった。別の施設と思い間違いをしているのかもしれない。で、結論はそれらしいしっかりした橋は皆無。来たという証明に公園の施設だけでも撮っておこう。







写真053.雨山文化運動公園
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 関所の入口など、こういう施設に必ずといっていいほどの黒い門。しかし入口は閉鎖。どこかの通用門へお回りくださいとある。要するに開店休業だ。ついでにもう1枚








写真054.正門
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 雨山文化運動公園の正門である。この道が公園の中を通り抜け、石部中学校の裏を通って、山向こうの県道113号へつながっている。そちらの入り口にもゲートがあって、山一つが公園になっている。







写真055.公園入り口近く
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 さて川である。第2分岐、工事現場のようにな白塀を後に、ずーっと川を左に見て山間を走るだけ。何の変化もない。途中採石場のような場所があるが、川の名につながるようなものは皆無。そのまま運動公園の入り口へ着いてしまう。小さな堰堤があって、その向こうはちょっとしたプール。





写真056.プール
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 プールといっても水泳のためのプールではない。流れ込む水を一時ためておくもの。いまは開店休業。その向こうに公園の通用門。これもお休み中。








写真057.暗渠へ
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 川というか溝というか、それを遡って正門前に至る。暗渠になっていて、道路の下をくぐって反対側へ出る

  写真058.通行止め
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 道にロープが張ってあって「イノシシ危険注意」とある。その上にはムカデ、マムシ。人が嫌がるものを全部並べたというところ。






写真059.林の中へ
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 落ち葉が降り積もったきれいな道である。ちょっと入ってみる。流れはホンマの細い溝に。後で調べてみたら、この先で小さな池につながっているらしかった。









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