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N05.稲川流域

N0500. 稲川流域概観

取材:****。**
初稿UP:2016.02.10


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地図01 野洲川流域図  建設省近畿地方建設局琵琶湖工事事務所編 『野洲川改修計画概要』(S58.5)より 写真拡大

 稲川は、甲賀市土山町、垂水斎王頓宮跡付近を源として国道1号とほぼ並行に山間農地を流れ下り、大野西交差点あたりで野洲川に合流する。分水嶺近くの山間の谷間を水源とするのではないちょっと変わった形の河川である。前項の「山川」とよく似た形を見せるが、山川は市町境の分水嶺からの水を集めるのに対し、こちらの稲川は、「山川」との境をなす布引山地からの水を集める。したがって、野洲川流域と日野川流域との分水嶺からの水を集めることはほとんどない。
 そういう意味で、野洲川流域の分水嶺を越える峠を訪ねるという意味からはかけ離れた存在だが、上流付近で他の川とクロスしたり、人工的な仕掛けがいろいろあって興味をそそられたので、とり上げることとした次第。



地図502.野洲川右岸(山川・稲川)流域概念図A
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 山川と稲川、ともに山間の農地を流れて野洲川に合流する。どちらも源流は谷間へは入らない。もちろん細い自然の流れは谷間から来るのだろうが、我々に見える川としての流れは田んぼの中から始まる。どちらもよく似た形を持っている。ただ違うところは山川流域が市町境の分水嶺に接しているということである。それに対して稲川流域は山川流域との分水嶺布引山地を片側に持っていて、他方は野洲川流域と境を接している。





地図503.野洲川右岸(山川・稲川)流域概念図B
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  そして、山川が県道183号を最上流としているのに対し、稲川はさらにそれを越えて土山町・頓宮あたりまでさかのぼる。その間、市町境は南下し稲川が山川と同じ働きをする。しかし、それもつかの間、市場川(仮称・私が勝手につけた名称)、大日川などが山間の市町境から流れ下る。稲川はそれらとクロスしながら田んぼの中を遡る。そのような事情から、稲川が直接市町境の分水嶺からの水を受けるのは、県道183号から市場川まで、国道1号でいえば徳原交差点から市場交差点まで、いくら長く見積もっても約1.5Kmほどだけである。これは最大に見積もっての話であって、市場川自身も流域を持つはずだから、実際にはもっと短い距離のはずである。



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