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03.思川流域

0300E1. 不詳川をさかのぼる

取材:2015.03
初稿UP:2015.05.29


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1.城之橋から水口台交差点まで
地図106.不詳川流域地図(国土地理院Web地図25000分の1)
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 城之橋、「じょうのはし」と読む。そのたもとに1本の川が流れ込む。農業用水で地図には名称が記載せれていない。聞くにも人はいない。しかし橋の親柱に記載されているだろうと高をくくっていた。ところが親柱があるような橋がないのである。結局名前はわからなかった。「名無し川」にしようかとも考えたが、名前はないわけはない、分からないだけだろう。ということで「不詳川」とした。「不詳川」という名の川ではない。”名称が詳らかでない川”という意味である。











写真291.城之橋
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 県道178号、城之橋である。画面に見える軽自動車は県道178号を日野へ向かう。右のバンは水口町松尾方面(思川の上流方面)からやってきたところ。思川は画面右が上流である。左端に画面奥から不詳川が流れ込んでくる。

  写真292.不詳川
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 城之橋から身を乗り出して不詳川を見たところ。コンクリートで固められた味のない川である。








写真293.橋の上から下流を見る
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 上の写真に見えるガードレールがついた橋。橋の名称があるはずがない。その橋のたもとに立って上流を見たところ。数10mほど道路と並行に流れてそこでくっと直角に曲がる。(現場では直角に折れるように見えたが、地図で見ると直角は大げさ、120度いうところか)。







写真294.曲がり角
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 その曲がり角である。これで増水したときに大丈夫なのかと思う。そして向こうの森までー直線に田んぼを横切る。まあとにかく一切あいまいなところがない。突き当たったところでもう一度くっと曲がって森蔭を上流へ向かう







写真295.上流側を見る
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 こういう地形を何といえばいいのか。言葉でいえば「山間農地」ということになるのだろうが、広いグランドという感じがする。この農地の左(上流に向かって)の山すそを不詳川が流れ右の山裾を県道178号が走る。山間農地をもう1枚







写真296.農道
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 山間農地の右端、県道沿いの農道である。右上が県道。車が2台並走しているように見えるが、実は左が私のクルマ、右が普通の車線を走っているクルマ。農道はいま田んぼと同じレベルにあるが、それが徐々に上がっていき道路と同じ高さになって県道へ出ていく。昔、鉄道の山間地でよく見られたスイッチバックのイメージである。今の言葉でいえば農道のインターチェンジというところか。といっても農道から直接県道へ出て行くわけにもいくまいということで、その接点のところに踊り場が設定されている。私のクルマはその踊り場を拝借いているという段取りである。



写真297.農地を横切る
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 と、これも農道のICに見えるが、これはちがう。農道には違いはないが、山間農地を横切っている。地図105に「水口町山」の字があるが、その左に農地を横切る道路がある。写真はその横断路である。道路に対して左は低く右が高い。このようにして徐々に徐々に高度を上げていく。





写真298.下流を見る。
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 上の写真の突き当りから下流側を見たところである。スーッと下っていってくっと曲がっていく。こんなところぐらい滑らかに曲がればいいと思うのだが、この水路はそういうわけにはいかないものらしい。突き当りに屋根が光っているのが城之橋付近の集落である。







写真299.水口台近く
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 田んぼの突き当りに大きな看板が立っているように見えるが、これは水口台団地から同交差点(画面右)に向かう道路である。田んぼが奥に向かって段々高くなっていくのが見える。左を向くと第三水口台住宅地が見える。







写真300.水口台住宅地
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 第三水口台住宅地の入り口である。県道の水口台交差点と山間農地を横断する形でつながっている。不詳川が電柱の下に見える暗渠で抜けていく。暗渠の上に立って下流側を見たところ








2.水口台交差点からA池まで
写真301.上流側
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 暗渠の下を抜けた不詳川である。住宅地のふちをまくようにいく、のだがよく見ると再び暗渠に消えていく。水口台交差点の方から見たところ。今までは山間農地の右側(上流い向いて)を走っていた県道が左へシフトしていく。







写真302.貯水池
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 地図105のど真ん中に見える貯水池である。幅100mほどの山間農地を塞ぐように横たわっている。上の写真の暗渠を抜けてこの貯水池につながる。と、このように書けば水が暗渠をくぐってこの貯水池に流れ込むように感じられるが、実際の水は上流から下流に流れる。このレポートは下流から川を遡行する向きに移動しているが、実際の水の流れは逆である。
 この貯水池がどんな働きをしているのかわからないが、流れ込む水は2本ある。1本は言うまでもなく、この山間農地の突き当りにあるA池からのもの。今まではずーっと左端を流れてきたが、貯水池を越えてからは右側へ移動する。と、もう1本、B池から流れ下ってくるのがある。地図の上では結構目立つ池だが、住宅地の中にある池で、この時点ではあまり気にしていなかった。貯水池の奥から次の写真を撮ったままで帰ってきた。



写真303.B池
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 貯水池のはずれからB池を見たところである。地図で見ると「桜ヶ丘」という住宅地の風景デザインの中心になるような位置にあり、そういう意味で興味があった。その時点では何かのついでにちょっと覗いてみようか、その程度の興味しか持っていなかった。






写真304.右側を
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 川は山間農地の右側を遡る。県道178号は左側を走る。水口台交差点前の状態に比べて、左右位置を変えた勘定である。ずーっと奥に白いガードレールが見えている。左側を走った県道が、右折して日野町へ向かうところである。






写真305.県道・右カーブ
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 上の写真で見えていたガードレールのところである。日野からやってきた車が山間農地の幅ぐらいの半径でカーブを描きながら水口台交差点へと向かうところ。最後の黒いクルマの下あたりが不詳川のルート。道の下を暗渠でくぐって向こう側(黒いクルマの右側)へ出る。
 道路に沿って右へ視線を移すと森の間から綿向き山が見える





写真306.県道と別れる
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 山間農地の左側を走ってきた県道が右へ曲がって不詳川の暗渠をまたぐところである。下流側を見ている。左右が逆になって農地の左側を流れるように見える。遠くに見える家屋が水口台交差点あたり。その手前、田んぼの中にサイコロのような小屋が見える。これが貯水池の管理小屋。
 道路を渡った反対側。山間農地の上流に向かって右側を流れる。突き当りにA池の堤防が見える。



写真307.再び上流へ
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 再び上流へ向かう。山影が長くなる。すぐそこの陰が切れたところ。左を向けばここにも山間農地が。いつごろ開墾されたのかわからないが、手が届くところはすべて耕しつくされているという感じ。






写真308.A池近く
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 山影の道を行く。イノシシ除け電線の支柱がシルエットに見える。A池が近い。

  写真309.A池直下
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 A池の水根から流れ下る。上の写真でガードレールの見えているところである。







写真310.A池
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 A池である。もちろん正式な名称ではない。どの地図にも名称はない。思った以上に情緒的な池だった。もちろんこの池に流れ込む川もあるはずだが、池の向こうは分水嶺近くを思わす。もう1枚





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