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N03.思川流域

N0300D1. 坊谷川をさかのぼる

取材2014。06
初稿UP:2014.12.31


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1.長徳橋から坊谷橋まで

地図D01.坊谷川全域地図(国土地理院Web地図25000分の1)
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 前項の最終到着地点「長徳橋」のすぐ上流で思川は坊谷川を左へ分ける。何度も書いてきたように、本稿は思川を遡る向きに進んでいるので「分岐」であるが、現実の川の流れに沿う向きだと「合流」になる。ここから市境の分水嶺まで県道164号沿いに北上し、途中で右に分かれて3.3Kmほどの道のりである。












写真201.長徳橋
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 長徳橋、カメラの後ろが伴中山北交差点。県道178号が思川を渡る。このままこの道をたどれば日野に達する。
 左側の欄干を通して思川・坊谷川分岐(前項・写真172)が見える。左、直進するのが坊谷川、右へ曲がっていくのが思川。





写真202.北へ向かう坊谷川
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 まっすぐ直進する坊谷川。細いパイプが渡されている。何が通っているのかわからないが、細い竹の組合せに風情を感じる。
 さて堤防上の道はというと草がついて、通り抜けるには心もとない。

  写真203.県道経由で
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 県道を行くこと200m弱で右へ下る里道に出る。









写真204.浦川橋
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 川向うにちょっとした集落があって、そこにつながる橋が架かっている。ネームプレートには「裏川橋」とある。上流側から下流側(長徳橋側)を見たところ。








写真205.左岸を行く
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 左岸がクルマ1台ぐらいの舗装道路になっている。次の橋まで100mちょっとである。左、道路の向こうに伴谷小学校が見える。手前、ヨシが生えている部分が坊谷川。流れは見えない。画面の右から左へ流れているはず。






写真206.坂谷橋
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 すぐ次の橋に着く。下流を見たところ。奥に見える橋が裏川橋。ところでこの橋の名は? 板谷橋?、坂谷橋?。正解は・・・坂谷橋だろうな
 橋を渡った道は、伴谷小学校に向かう。石仏が小さな屋根の下で鎮座している。(屋根を)作った人の気持ちはわかるけれども、石仏は元来野のものだろう。





写真207.カーブが続く
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 さらに上流へ、なだらかなカーブが続く。河床いっぱいにヨシが茂り、流れはほとんど見えない。








写真208.県道が近づく
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 県道が近づいてきたところでなだらかな右カーブ。さして広くない山間平野を幅いっぱいに蛇行している感じだが、原型は自然の力だとしても、このなだらかなカーブは自然のものではない。さして古くない時代に、改修工事が行われたのだろう。






写真209.流入水路
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 左(上流に向かって左。流れからすると右岸)からしっかりした水路が流入してくる。流れてきた経路を見ると伴谷小学校の校庭を横切ってくる勘定になる。暗渠でくぐるにしても、そんな面倒なことをやる必要もない場所である。もっと別の場所へ流せば済むものをと素人は考える。







写真210.左カーブ
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 道は左へなだらかにカーブしていく。そのカーブが何とも気持ちがいい。かつて蒸気機関車が走っていた廃線跡を行くかの錯覚を覚えそうな道である。
 県道が近づいてきたところで、小さな農道橋(名無し橋)に出る。対岸を県道が走っている。

  写真211.農道橋A(名無し橋)
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 農道橋(名無し橋)。渡って左へ折れると坂を上って県道へ出る段取りだが、車が通った形跡はない。








写真212.右カーブ
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 農道橋Aを過ぎてしばらくは県道と平行に直進する。対岸の県道が直接堤防の働きを兼ねている。その後なだらかな右カーブに入る。
 川と反対側は田んぼ。古代の遺跡を思わすような堰があったりして、何ともほほえましい風景である。






写真213.もう1つ名無し橋。
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 右カーブが終わって左へ切り替えしたあたりでもう1つ農道橋B(名無し橋)が近づく。川を左に見て歩いていた道が、そこで川から離れていく。








写真214.農道橋B(名無し橋)
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 例によって軽トラ1台の橋。ネムプレートはついていない。橋の上から下流を見る。県道から入ってきた道が右岸沿いにやって来る。クルマが走っているのが県道。川は田んぼよりはるかに低い。

  写真215.農道橋Bから上流を見る
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 県道からやってきた道に立って上流を見たところ。橋は農道橋Bの右岸端。








写真216.水門
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 農道橋Bから100mあまりのところにあった水門。今は作動していないらしく、意味がはっきり分からない。それにしてもGoogleMapはすごい。こんな構造物まで記載されている。








写真217.春日交差点
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 春日交差点が近づいてくる。坊谷川と並行する県道164号(水口竜王線)と、下田からやってくる県道165号(春日竜王線)とが交わる。
 道は小さなクランク状のカーブを経て坊谷橋畔へ出る。春日交差点のすぐ近くである。







写真218.坊谷橋から春日交差点をみる
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 坊谷橋から春日交差点を見たところ。直進すると県道164号で湖南市下田へ。左折すると水口。右折すると竜王町へ。










2.坊谷橋から暗渠Bまで

写真219.坊谷橋から上流を見る
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 一見どぶ川に見えるが、これが坊谷川。下流側から上流を見たところである。県道164号に平行に見事な直線水路である。こんな直線の川が自然にできるはずはない。人工的に整備されたはず。左岸には桜並木が続き、それに沿って最近改修されたらしい簡易舗装の道が続く。サクラの時期には気が早い鯉のぼりが上がっていた。





写真220.右岸の水田
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 左岸から右岸の水田を見たところ。左のほう、クルマが走っているのが県道164号。水平な田んぼ。川の水も流れているのか止まっているのか。

写真221.里道にかかる名無し橋
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 里道の橋、手すりが極端に低い、一時代前の典型的なスタイルである。当然橋の名前はないものと、確かめもしなかったが。






写真222.川に生える
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 カヤの一種だとは思うが、先端に白いものが見える。花なのか穂なのかそれもわからない。とにかく清楚な植物。それが川幅いっぱいに広がっていて、流れは見えない。








写真223.暗渠
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 次も橋だと思っていたが・・・、どうやら暗渠のようだ。県道に通じる里道を見たところ。橋らしきものは見当たらない。通りを渡って後ろを振り向いたところ。間違いなく暗渠で抜けてくる(川の流れはこちら側が上流で、こちらから暗渠へ入っていく)。







写真224.右STOP、左GO
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 上の写真の右端にこの2本の花が見えている。暗渠を越えてすぐのところである。二股の分岐点があって、右は個人の住宅、左は公道。垣根に2本の白い花が咲いていて、右側は直立、すなわち「進入禁止」、左のほうは斜めに倒れていて「通行可」。
 見てわかるとおり、直進する道路は水平である。





写真225.2つ目の分岐
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 上の写真のカーブを曲がってすぐ、暗渠を越えて2つ目の分岐に向かう直線道路である。上の写真で確認したようにここまで道路はほとんど水平に推移してきたが、ここにきて上り勾配が始まる。といっても特に急こう配というわけでもない。しかし、画面左上の田んぼの重なり具合からして(拡大写真)、画面奥がより標高が高くなるということがわかる。
 道路の左、田んぼとの間の溝が坊谷川である。




写真226.白壁沿いに
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 上の写真の白壁沿いの道である。道はさきほどの分岐のところで舗装が途切れる。だらだら上りというのだろうか、わずかずつ上りに向かっている。遠景の田んぼは階段状に高くなっていく。







写真227.最後の民家
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 画面右下に上の写真の石垣の一部が見える。突き当りの山沿いに何軒かの農家があって、これが川沿いの道最後の民家ということになる。道路の左側は坊谷川だが、流れはもう見えない。近くの田んぼを見る限りでは、一枚一枚にさして段差があるようにも思えないが、遠くを見るとその積み重ねが結構な高さになっている。
 道はこのように左へ曲がり、右へ曲がりしながら、坊谷川と寄り添うように上っていく、といっても、ここでは単なる溝でしかないが。


写真228.県道分岐
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 今まで並行してきた県道164号が左へ分岐していく(黒い軽が上っていくのが県道)。手前のガードレールはこれからたどろうとする分水嶺へ向かう道(地図では道路の種類はわからない。少なくとも国道や県道ではない。とすれば市道か)。







写真229.麦畑
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 県道から1本の農道がやって来る。この写真では左(水田)右(麦畑)の高さの差はあまり感じられないが、下流側から見ると1mぐらいの落差がある。そこを坊谷川が暗渠でくぐっていく。
 ここで風景が一転する。といえばおそらく手前の水田、奥の麦畑、その対比を指摘されようが、それも確かに「一転する」に値しよう。しかし、それはこのときの表情である。この農道から奥が麦で、手前が水田と決まっているわけではない。私が行ったときにたまたま麦が黄色く色づいていただけである。
 正直、私も現場では単純に麦畑の広さに驚いた。しかしここでいう「一転」はそれではない。白壁の民家あたりから見た水田の盛り上がり、これが麦畑では見られないのである。麦林はほぼ水平に広がっている。上り勾配はもう終わったということである。




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