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N01.大山川流域

N0107D. B点・解決編

取材:2013.02
初稿UP:2013.02.15


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1.確信犯的ミス

 大山川と善光寺川の分水点(B点)を目指して、2度挑戦して2度失敗した。アホかと思う。アルプスやヒマラヤの話ではない。希望が丘の駐車場から延べにしても500mあるなし、そんな場所である。そこへ行けないのである。


地図04.大山川・善光寺川源流付近  国土交通省Web地図より
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 一度目は、左の地図05で「道が消えた」場所までを往復し、鏡山新道らしい尾根道を少し登って引き返した。
 二度目は、「道が消えた」場所を越えて谷筋へ入り、分水嶺を越えて善光寺流域へ入り、初めて見る禿げ山を見た。したがって、「道が消えた」場所までは2往復していることになる。にもかかわらず、B点へ行けなかったということは、どこかで基本的な間違いをしているとしか考えられない。思いこみミス、思い違いミス。そのどちらか、確信犯的なミスである。二度の記憶をもとにもう一度地図を見直してみた。


 そういえば確かに、地図を勝手に解釈した箇所がある。
◆1.最初、駐車場から「鏡山新道」に入り初めて右折したところで小川に出会った。その川は地図には記載されていないが駐車場からの道に沿って流れてきたのだろうと、勝手に解釈した。
◆2.A点で右折してから、地図では上流に向かって川の左側を歩くことになっているのに、実際に歩いたのは右側だった(川が左側に見えた)。矛盾点であるとしながらも、地図の間違いであろうと勝手に解釈した。
 と考えると、確信犯のポイントはこの辺りにありそうだった。


 一度目、初めての分岐点に立ったとき、これは「鏡山新道」の指標であって「B点」への指標ではない。鏡山新道がB点経由で山に入ってくれればそれはそれでいい。しかし、必ずしもそうとは限らない。この道が山へ入るまでの間で、ひょっとしたらB点への分岐があるかも知れない、と考えた。当たり前のことである。ところが2回目を歩いたときには何も考えなくなっていた。当然のことのように「道が消える」ところまでは「間違いがない」と歩いてしまった。問題はそこのところである。「間違いはない」と考えたところに「不注意」がなかったか、もう一度洗い直してみた。

 右折してすぐ川に出会った。その川を”地図には記載されていないが、道沿いに流れてきた川だろう”と勝手に解釈した。本当にそうだったのか。そうではなしに、その川がB点の方から流れてくる「ア川」だとしたらどうなるか。
 あのとき川を渡って、直進しようとしてとまどった。指標に気がついて「鏡山新道」は左・・・。「左」ということは「右」があるはずだ。あのとき確かに「右」を無視した。たしか「モト・・」なんとか。川を渡る前は、途中で分岐があるかも分からないから・・・と考えていながら、川を飛び越えたとたんに、「鏡山新道は・・・」という発想に変わってしまっていた。



写真51.アウトレット・パーク
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 1回目、川を渡って最初の分岐S30のところの標識をその部分だけを拡大してみた。こういう点デジタルは便利である。フィルムだったら、ルーペでひねくり回して、それでダメなら引伸機にかけて・・・。昔話をしている場合ではない。なんととんでもない表示が隠れていたのである。
 右「モトクロ山」、たしかに「モト・・」までの記憶は正しかった。そこでおそらく読むのを止めたのだろう。確かに字も小さく、板の面に埋没している。問題はその下である。「アウトレットパーク」、アの字が数字の3に見えるけれども、そんなことはさておくとして、これは読まなかった。これを読んでいたら、今回の話はこれで決まりだった。実はこのB点への道はずっと続いて竜王IC近くの”三井アウトレット”の方へつながっているのである。当然B点はそれよりもうんと手前である。これを見落としたのが今回の騒動の始まりだった。不覚だった。しかし、この古ぼけた指導標にアウトレットの表示があることなど考えられないことだった。



2.2013年2月11日・道は東へB点へ

 世の中というものはうまくいかないもので、身体があいているときは天気が悪い。天気がいい日は写真教室や何やかやと。やっと何とかなったのが2月11日。さあきょうは、全部けりをつけるぞ。


写真52.右・モトクロ山
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 川を渡ったところ。1回目も2回目も、「鏡山新道・左」につつられて、左折したところである。わざと右側は写らないようにしたのではないかといわれそうだが、私にはそんな能力はない。右側が見にくいのは確かだが、書いてあることは間違いはない。読まなかった私が悪かった。





写真53.これから先は
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 右折して20mほど進んだところ。希望が丘の掲示である。「オリエンテーリングの皆さまへ これから先にポストはありません・・云々」。どうもこれは怪しいところらしい。

  写真54.何とか道は・・
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 何とか道らしいものはある。


  写真55.細い道
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 道が細くなり、水が浮いている。







写真56.倒木
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 木が倒れていたり、・・・分水嶺の件がなかったら、ここらで引き返したくなる。こうして写真を並べると、歩き出してからかなりの時間を経たように思われそうだが、プロパティで見る限り、写真52を撮ってから、まだ2分余りである。






写真57.道の真ん中を・・
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 川の写真ではない。もともと道だったところを川が流れているところである。先が思いやられる。







3.イ川出会い
写真58.イ川
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 これは道と直角方向左を見て撮ったもの。地図でいう「イ川」である。カメラは「ア川」と「イ川」の合流点に立っている。地図06右下のスケールで、A点からここまでの距離がだいたい150mぐらいと読める。同じ場所でもう1枚。「ア川」上流から下流を向いて(B点の方からA点方を向いて)撮ったもの。イ川は右から合流している。





写真59.道は東へ
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 前2回ともGPSを持たずに失敗した。いま5分ほど歩いてきて、何度も足を運びたくなるようなところではなさそうである。出来るだけデータを残しておこうと、重要な写真に添えてGPSの面を残しておくことにした。出発点のA点でポイント1をセットした。GPSの画面は、そのポイント1は「こから西の方147mの地点ですよ」という意味。いいかえたら、ポイント1から、東へ147m歩いてきたということである。
 GPS付きのカメラがある時代に、なんと原始的なといわれそうだが、まあそうおっしゃらずに、これでも10年前は近代兵器だった。



写真60.登り勾配
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 ゆるい登り勾配になってくる。水は相変わらず、道の真ん中を流れる。

  写真61.道をふさぐ
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 登り勾配。倒木が道を塞いでいる。ここまでA点から180m。

  写真62.ぬかるむ
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 と思うと、ちょっと広い場所が一面ぬかるんでいる。




  写真63.シダの道
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 道の真ん中がこのように浸食されている。写真には写らないが登り勾配である。

  写真64.道が乾く
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 道が乾いてきて峠も近い。さらに近づいてもう1枚。道は完全に乾く







4.峠・一本松
> 写真65.分水松
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 峠に生えている一本松。普通なら「峠の一本松」というところだが、ここでは「分水松」と呼ぶことにしよう。枯れかかって元気がないのが気がかりである。次に何かのときまで、この松が残っていてくれるか気がかりであるが、それに替わるものは見つからない。
 A点から約270m、見事に真東に当たる点だった。所要時間、カメラのプロパティで約8分。初めから道標をしっかり読んでおれば、これだけですんだ話ではあった。
 ということで、ここが大山川と善光寺川の分水嶺。東ゲート越えを基準とすれば、北東へ約340mのところ。道の勾配も弱くおよそ峠という感じはしないが、それでも峠といえば峠。歩いてきた道は当然分水嶺の尾根とクロスしているわけだが、これが分水嶺だと見極められるものは何もなかった。



写真66.峠を越えて
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 道は一本松の手前で左へ曲がりすぐに右に曲がるS字カーブ。善光寺川源流へと下る。










写真67.小さな池
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 突然、直径10mぐらいの小さな池が現れる。瞬間、上高地の田代池を思い出す。いまこうして写真で見ると、なんと大げさなと思うけれど。見た瞬間はそんな感じだった。何しろ今までの道との対比が大きすぎた。水は綺麗で底まで見通せる。もう1枚

写真68.流れ出る
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 道を越えて水が流れ出ている。おそらく「ウ川」だろう。ということはどこかから流れ込んでいるはずだが・・・。






写真69.さらに進む
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 池を越えてさらに進む。

  写真70.通せんぼ
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 道と平行に丸太棒が転がっている。見ると奥から川が流れてくる。多分「ウ川」の上流だろう。丸太棒をまたいで近寄ってみるとかくのごとし。水が浸食したものと思われる。




写真71.タイヤの跡
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 さらに10mほど進むと、ちょっとましな道らしきものが見える。道のなれの果てを歩いてきたものには、まともな道が新鮮に見える。近寄ってみるとタイヤのあと。車が通れるような道ではない、バイクなら何とか。こんなところを走るもの好きがおるとは思えないが。でもタイヤのあとがちょっと違う。そうか、モトクロスか。もう1枚
 「モト・・・」何とかいう標識がこれだったのか。ここにこういう場所があるということを知っておれば、最初の「モトクロ山」の意味も分かったはず。ことに臨んでの予備知識の大切さを教えられた思いだった。


5.もう1つの峠

 以上、大騒ぎしたがB点は「一本松越え」としてめでたく解決した。さあ残るは例の二次曲線の鞍部禿げ山を見た岩コブはどこだということである。道は分かっている。しかし位置が分からないのである。きょうはGPSを持ってきているから、そこへ行ってGPSのボタンを押すだけだ。しかし考えてみればばかげた話で、前回これを持ってきていたら、すべて話はすんでいた。それをしなかったがために、きょうはボタンを1つ押すためにわざわざ山を登るのである。



地図05.大山川・善光寺川源流付近  国土交通省Web地図より
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 とまあそういうわけで一件落着はしたが、ワシは結局、都合2回に分けてどこどうを歩いたのか。「道が消えた点」はどこなのか。それをきっちりしないことには寝付きが悪い。
 問題点はたった一箇所だった。最初に右折して川を飛び越えた。その川を”道に並行してきた川”と勝手に解釈した。そこのところだった。その川が、実は「ア川」だったというわけ。それですべてのつじつまが合う。
 1回目、川を渡って、「鏡山新道・左」の表示にしたがって左折し数10m進んだ点を右折した。その点がA点だと考えた。そうではなしに、川を渡ったところがA点であって、そこですぐ右折しなければならなかったのだ。それを「鏡山新道」に釣られて左へ進んだ(B点とは逆の向きに進みその後右折した)。それが間違いだった。上の地図05がその間違いコースである。要するに90度食い違い、東へ行くつもりが北へ行っていたのである。



地図06.大山川・善光寺川源流付近  国土交通省Web地図より
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 さて、「道が消えた点」まではこれでまず100%間違いはない。問題は2回目のとき、そこを越えてさらに奥へ進んだ。谷を詰めて、多分分水嶺であることは間違いない鞍部に達し、そこを越えて岩コブに立った。そこでいままで見たこともない禿げ山を見た。そもそもその鞍部はどこで、岩コブはどこだったのか。
 「道が消える点」は、左の地図06で、真ん中よりちょっと下、左寄りのところにある。そこまでは行っている。問題はそこからである。その近辺で分水嶺上の鞍部は3つ存在する。北から順番に1,2,3の番号を振った。これのどこかということである。
 その前にもう1箇所「不明瞭な分岐」とした点(前項写真34)がある。1回目は「道が消える点」で引き返したが、2回目はそこを通った。道が消えた点から150mほどで、その点までは間違いはない。問題はその点で道をどうとったのかということである。地図によるとそこのところで川(といってもまたげるぐらいの小川であるが)がY字形に分岐している。左前方から来た流れを「X」字型に渡った。現場ではそう考えていたが、いま写真と地図とを照らし合わせて考えると、Y字型の三差路のところへ、左下から右上へ突っ込んだらしい。前項写真34で、右奥へ歩いたので、それが道だと考えていたが、ひょっとしたらそれが川だったのかも知れない。とすれば、Y字形の分岐は右へ取ったことになる。
 で、登り詰めた鞍部であるが、「不明瞭な分岐」で、左別れがないとしたら、いちばん北の鞍部1は候補から消える。あとは鞍部2か鞍部3かということである。途中で分岐したような表現になっているが、それは分岐ではなく、Y字分岐から2へ行くか、3へ行くかのどちらかという意味である。途中歩いていて、左に大きな尾根、右に小さい尾根が続いていた記憶があるので、現時点としては鞍部2であった確率が高いと考えている。

 

地図07.大山川・善光寺川源流付近  国土交通省Web地図より
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 左の地図が今回の騒動の最終決定版である。緑の線は、地図06の時点では予測であったが、今回歩いて最終的に確認したところである。未知の場所B点は、そこに立っていた「一本松」に因んで「一本松越え」と名づけた。

 さて、問題はもう1つの分水嶺である。今回もう一度登りなおして、3つ挙げた候補地のうち、いちばん南の鞍部であることが判明した。名無しでは話がしにくいので、そこにあった標識に因んで「鏡山新道越え」と呼ぶことにした。写真48の禿げ山を撮った岩コブは「オ川」上流であったことも判明した。
 「東ゲート越え」で何かプラスして面白いことはないかとの戯れの結果、とんでもない騒ぎになったが、「一本松越えに」の他に思っても見なかった「鏡山新道越え」までが見つかった。結果として面白い体験であった。




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