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N01.大山川流域

N0107C. B点をたずねて・2

取材:2013.02
初稿UP:2013.02.15


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1.2013年2月3日

 希望が丘の東ゲート駐車場から北西へ進んで、右へ曲がって真東へ300mほど進んだところ。その道が大山川と善光寺川の分水嶺を越える、そこがB点である。ところがそこへ行けないのである。もちろんそこへ行けたとしても林の中であって、そこがB点であるという看板があるわけではない。現場に立っていたとしても、そこがB点だと分からないこともあり得る。そこまで考えてみても、やっぱりB点へは行けていないなーと思う。現場の地形と地図とに整合性がないのである。何かが間違っている。前項のまま「面白そうな場所でしたが、行けませんでした」で終わるのはどうにも気色が悪い。ということで、再度挑戦することに・・・。


地図03.大山川・善光寺川源流付近  国土交通省Web地図より
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 前回は左の地図の「ア川」の源流付近まで入っている。そこで道が消えた。・・・といってもB点の100m手前なんだ。そこしかないんだから、探せば何とかなるだろう。それでダメなら他の手を考えよう。逆に歩いて見る手もあることだし。
  で、再度出かけてみることにした。途中、クルマの中で”家にGPSを忘れてきた”ことに気がついた。実は前回も持っていかなかった。こんな簡単なところだから、そんな大層なことをやらなくてもと、あえて持ってでなかったのだが、尾根道へ入って引き返すときには、そのポイントを知るのに、持ってくればよかったと悔やんだ。それがあったから、今回は初めから持って出るつもりだった。それを忘れてしまった。取りに帰ろうかと思ったが、前回あそこまでいっているのだから、あと100mほどだ。面倒くさい。なくてもいいだろう。「近江富士まんだら」をやっていたころは、GPSは必携だった。それがいつの間にかなまくらになって・・・、これがあとで悔やむことになる。



写真31.道が消えた辺り
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 前回、道が消えた辺りである。忽然と消えたという感じだった。前回はこれはおかしいとバックした。今回はそれは百も承知、さてどうする。人生、腰を据えれば何とかなるもので、ずーっと向こうに目印の赤テープが見えた。歩き回ると方向が分からなくなるから、とにかくそのテープから目を離さないようにして直進。次のテープを探して・・を繰り返す。





写真32.道復活
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 それを2,3回繰り返して、はっきりした道に出る。これだったら、前回来たときにやっておけばよかったものを、ワシはいつもこれや。もう1枚


  写真33.落差
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 右側に水音が聞こえてきて、落差が見える。自然のものか、人工なのか判断できかねたが、いずれにしてもおかしいな。結構歩いて来ているので、水源は過ぎているはず。こんな水があること自体不思議。




写真34.流れとクロスする
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 と、10mほど進んだところで、左前から水が流れ出してくる。下手な写真で水が少しも写っていないが、砂の上が水、結構水量がある。こんなこともあろうかとゴム長を履いてきたのが役立った。左奥から流れ出てくるのが川で、その川と交わって右奥へ、横たわった木と並行して進むのが道である。でもこの水は何や。距離からすれば分水嶺に着いてもおかしくないところ。どうも腑に落ちない。もう1枚。シダの間から流れ出てくるところ。目には見えるが写真には写らない。


写真35.シダ群生
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 本格的にシダが現れる。これが出てくると歩きにくい。道を覆って地形が見えない。足が地に着くまで力を入れられない。その昔、北アルプス・常念岳で台風に遭った。ほうほうの体で下山の途中、濁った水が山道を流れ落ちていた。濡れるのは仕方がないとして、足を下ろしたところがどうなっているのか全く読めない。あのときはほとほと参った。
 もう1枚。この程度だと助かる。



写真36.石ごろごろ
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 勾配がきつくなってくる。石もごろごろ。これはB点近辺でないことは確か。やっぱりどこかで間違っている。でもここまで来たのだから、何かけりが付くところでないと引き返すわけにも行かない。







写真37.水源地?
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 シダが消えて、大きな石がごろごろ目立ってくる。何となく水源地とはこんなところかと思わす。


  写真38.勾配がきつくなる
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 もう間違ったことはたしか。勾配がきつくなればなったでよし。はいはいイイですよ。しかしここを登ればどこへ出るのかな。






写真39.峠が見え出す
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 峠が見え出す。若いころはこれに何回だまされたことか。空が抜けた。さあ尾根だ、頂上だと期待すると、またその向こうに・・・。でも今回はそれはなさそう。近寄ってもう1枚








写真40.峠
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 谷を詰め反対側の谷へ下るところ、そこが峠である。ところが尾根筋を縦走する側から見ると鞍部になる。まるでハンモックを釣ったような見事な曲線、二次曲線を見るようである。こんな見事な鞍部も珍しい。その見事な峠・鞍部がどこなのか、全く分からない。何とも不思議な夢を見ているような思いである。
 昔、中学生のころ、Where am I going? という例文を習った。けったいな言葉やな、自分が行くところぐらい分かるやろうと不思議だった。今の自分がそのときの心境だった。半世紀以上前に習った言葉がこの年齢になって役立った。


写真41.鏡山新道
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 と、感心して登りきると、標識があって何?「鏡山新道」、・・・・?。そんな馬鹿なことはないやろ。まあしかし、そういうならそれも認めよう。でも「S60」てなんやね。「S50」が例の道が消えたところ。それからいままで何しとってん。それはともかく、「鏡山新道」てS50でどこかへ行ってしもたんと違うのか。わしはB点へ行くつもりで登って来たんやぞ。もっともB点でないことはとっくに分かっていたけど。びっくりしたなー、これには。もう1枚(鏡山への道?)。
 ここが鏡山新道のどこかであることは分かった。しかし、ここがどこなのか、全く分からない。多分、大山川と善光寺川の分水嶺のどこかだとは思うが、改めてGPSを持ってこなかったことが悔やまれた。
 鏡山の反対側へ10mほど登ると三上山が見えた



写真42.善光寺川源流?
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 善光寺川、・・・絶対的な場所が分からないから何ともいえないが、要するに登ってきた側と反対側。大山川を登ってきたつもりだから、その反対側は善光寺川だろうと思っているだけであるが。とにかくそちら側へ下りてみる。平地なら「湾」のように、高山なら「カール」のように、川下に向かってU字形の窪地になっている。もう1枚。石がごろごろしていて、先ほど登ってきた大山川側の水源地らしきところとよく似た雰囲気である。水が湧いているような場所は見つからなかった。



写真43.尾根に登る
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 U字形の湾から岸壁へ取り付くように、道らしきものが見える。登ってみる。そこはまた尾根道だった。でも先ほどの鞍部ほどの高さはない。写真では右が高くなっているが、実際は右が川でいうと下流側である。






写真44.シダの道
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 シダの道を分けていく。下流側へ向かっているはずだが、下りという感じはない。水平に張りだしている尾根を先端に向かって歩いている感じである。








写真45.標柱
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 道の真ん中に標柱が埋められている。横に赤バット。何かの境界らしい。

  写真46.雪野山
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 日常見ている山とは別の山が見えてくる。確か雪野山のはずだ。竜王町側へ出ていることを実感する。

  写真47.ガレ場を登る
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 ガレ場の登りになる。こういう雰囲気のところは、登りきると風景が開ける。



写真48.見当がつかない風景
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 登りついてビックリした。全く見当がつかないところである。見たこともない禿げ山。いままでにチラッとでも見ておれば、想像も出来るが、全くの別天地。分かるのは右端に頭のテッペンだけ見せている菩提寺山だけ。それも他にそんな山があるはずないから、多分・・・であろうというだけ。とにかく目印になるものは何もない。



写真49.源流が見える
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 禿げ山から流れ下った谷筋を水が流れている。もう遠い昔になってしまったが、それがB点の近くなら、こんな山越えはないはずだし。この川が、地図でいうどの川なのか、それも分からない。もう1枚





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