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1.笹尾ヶ岳丘陵群 希望が丘文化公園の中央道と家棟川・大山川の分水嶺、ここでいう「中央道越え」を前回確認した。その分水嶺は、希望が丘の西ゲート付近から南に続く天山・笹尾ヶ岳の尾根を経て両川の水源地付近へ下るものである。ということで、今回の主役は笹尾ヶ岳。 写真31.笹尾ヶ岳丘陵群 上の写真が笹尾ヶ岳丘陵群である。この名称は私が勝手につけたもで、ご覧のように笹尾ヶ岳をピークとする丘陵群というぐらいの意味である。実際に見た目には、こんな大げさな名がつく山ではない。だいいち、「岳(嶽)」と「山」は何によって区別されるのか。標高251mのこの山が何で「岳」なのか、それが分からない。それでいて1000mを超える御在所が「山」だという。
地図03.笹尾ヶ岳丘陵群立体地図 カシミール3Dによる作図 左は、笹尾ヶ岳丘陵群を中心として、その周辺の河川の関係を示したものである。赤い線が家棟川と大山川の分水嶺(界)、「天山越え」から「南ゲート越え」に下り、そこから尾根を上がりなおして、途中から「中央道越え」に下るその様子を示している。なお、すんでしまった話であるが、天山のピークが分水嶺から離れ大山川流域にすっぽり入っていることがよく分かる。 地図04.南ゲート越え・中央道越え間の分水嶺 国土地理院Web地図 川が流域を造っているわけではない。流域は地形の産物である。でもこの陣取り合戦は面白い。中央道沿いの最高点(中央道越え)が、希望が丘の「かえでの森」のところにあったという現実、これが「右も左も大山川」という構図を作り出したわけである。重ねて言うが、この地図の中央道越えが、右端の希望の橋あたりへ移動していたら、笹尾ヶ岳丘陵群の北半分は家棟川流域に入っていたわけである。 2.南ゲート駐車場 写真32.南陵コース上り口 南ゲート駐車場。かつての甲賀坂を広げて作ったもので、広い駐車場だが、普段の日には車が何台も止まっていることはまずない。その駐車場の片隅に木の階段があって、「希望が丘南陵見晴らしコース登山口」とある。「南陵」というのは、希望が丘用語であって、希望が丘の北の山稜、南の山稜という意味である。私が言う笹尾ヶ岳丘陵群の南陵というわけではない。 写真33.尾根道を行く 写真32の、木の段を登り終えると、すぐに尾根道になる。人1人分の道幅が続く。ここへ落ちた雨は、間違いなく左右どちらかへ振り分けられるはずだ。左は希望が丘の家棟川、右はサイドタウンを経て大山川へ。分かりやすい地形である。 br>写真34.尾根道を行く 尾根道に登りきってしまうと、このような細い道が続く。右へ伸びるような尾根が枝分かれすることもあるが、下を覗けばちょっと下がったところでとぎれている。尾根道をもう1枚。 写真35.雨山頂上 雨山頂上、242m、シダに覆われていた。希望が丘の案内書には「天山方面がよく見える」とのただし書きがあったが、残念ながら木が邪魔になる。複雑な天山の尾根筋が見えはしないかと期待したが無理だった。気楽な道を歩いていては展望は得られないということか。 写真36.岩が現れる 岩が現れるようになる。当然道よりは高くなるが、全体的に見て尾根歩きであることは変わらない。 写真37.尾根道が続く どこまで行っても尾根歩きである。これでもう少し木が少なくて、展望がきいたら、本当に気持ちのいいコースである。残念だが木が多い。ここは日本の山である。 3.笹尾ヶ岳山頂 写真38.笹尾ヶ岳山頂 もうぼちぼちかなと思っていたら、突然笹尾ヶ岳の頂上に出る。どうしても頂上としての実感が湧かない。下から見たときピークがはっきりしなかったのもうなずける。これで何で「岳」なのかと改めて思う。希望が丘の立て札には「ピーク」とある。ふーん、これでねー。 写真39.なおも尾根を行く なおも尾根を行く。多少広くなったり狭くなったり、シダが現れたり消えたりするが、基本的には尾根歩き。 写真40.野外活動センター 山の中にしては不似合いな建物が現れる。野外活動センターらしい。もうちょっとそれらしいデザインが考えられなかったのか。 4.枝道分岐 写真41.枝道分岐 少し行くと「枝道分岐」へ出る。道は左(希望が丘の方)へ降っていく。「キャンプ場・かえでの森へ」とある。下りてみようかと思ったが、きょうはとにかくこの丘陵群を荒川谷にぶつかるまで歩いてみようと予定をしてきたので、そのまま進むこととする。 写真42.ずーっと尾根歩き 地図で読んだ通りの尾根歩きだった。木の影の向きで道の向きが分かる。 写真43.尾根歩き 幅1mあるかなしかの尾根道。地図で見ると右も左も大山川流域の部分に入っているのだが、道を歩いている限りにおいてそれは分からない。相変わらず左家棟川、右大山川の感覚である。 写真44.尾根から離れる? 地形的に尾根から離れるかなと思わす部分だった。しかしこの後もまた、少しの間、枝尾根を下る。 写真45.中央道 ポールから50m足らずで木の間に中央道が見え出す。 写真46.中央道出会い 中央道出会い、間違いなく前回中央道歩きで確かめていた場所だった。希望の橋がすぐそこに見えた。 5.歩きながら考えた 笹尾ヶ岳丘陵群を南ゲート駐車場から希望の橋までを歩いてみた。地図で読んだとおり尾根歩きに終始した。かえでの森への分水嶺はどこかと、そればかりを確かめながら歩いた。その尾根は、あったといえばあったと言えるし、なかったといえばなかったと言える。笹尾ヶ岳から枝道分岐までのほぼ真ん中辺りで、尾根筋が分厚くなって、腫れた感じになっていたところ。それが尾根だったといえば言える。写真は撮っていない。木が生い茂って、撮っても意味が分からない写真でしかなかったはず。多分そこを強引に下って、自転車道のトイレの裏あたりへ下りたら万々歳だが、この年齢でそこを歩く勇気はなかった。 ここまで考えた時点ではまだその尾根道にこだわっていたが、よくよく考えてみると、例えそれがなかったとしても何ら支障がないことが分かってきた。 写真41. 枝道分岐 日を改めて枝道を下ることにした。上の写真41のポイントである。ここまでは南ゲートから尾根づたいの同じ道。ここからが下りである。 写真47.尾根道 下りにかかってすぐその道が尾根道であることが分かる。しかし地図で見て、その道はかえでの森よりは希望の橋寄り(上の地図05.笹尾ヶ岳模式図で、面Aでも右の方、すなわち大山川流域)に下りつくはずである。しかしどちらに流れつこうが、下の川が大山川か家棟川かというだけで、上の模式図の面Aは、初めからどちらに流してやろうなどとは考えないはず。下の樋が2つに分かれているだけで、水は流れ落ちたところで、はい、そうですかと分かれていくだけだ。 写真48.尾根道 尾根道を上から下へ向いていて撮っており、およそ下り勾配のようには写っていないが、道は尾根道の上を降っていく。 写真49.ブッシュ下るに従いこのようなブッシュを抜けるが、それもわずか。 写真50.中央道が見える すぐに中央道が見え出す。なんやこんなに近かったのか。これだったら前回来たときに往復しておけば話が早かったのに。もったいなかったと言っても後の祭り。 写真51.中央道出会い中央道に出会う。尾根道から7,8分。アホみたいな下りだった。道は始めから終わりまで尾根道。例によってイノシシが掘り返してはいるが、ちょっと辛抱すれば終わりだった。 写真52.中央道から振り返る 中央道から枝道を見たところ。標識には、「南陵見晴らしコースかえでの森登山口」とある。あまり見晴らしがいいとは思わなかったが。 下りた場所が、日本庭園の近く、例の石灯籠の近くだった。言うまでもなく大山川流域である。 |
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