上の地図が野洲川流域図である。いま、国道8号野洲川右岸をスタートして太い緑の線をたどれば、橋を渡らずに左岸に達しうる。これが水をまたがない1本の線である。
旧町名でいうと、土山町、甲賀町、甲南町、水口町から水を集め、甲西町の山間平野を流れ下って、国道8号あたりで平野へ出る。平野へ出てしまうと明確な分水界は存在しないだろうし、この地点で流域を閉じるのだろう。
ここで野洲川の流れをもう少し細かく見てみよう。源流は鈴鹿山脈・御在所岳山中(上記流域図の北東角)である。途中、野洲川ダム・青土ダム(地図では工事中となっているが、現在は完成している)を経て国道1号の南へ出、鈴鹿峠付近から流れてくる田村川と合流する。一方、滋賀県南部甲賀地域の水を集めた杣川が、JR草津線沿いを流れて、甲賀市水口町柏貴あたりで合流してくる。
その後さらに湖南市甲西町で思川が流れ込み、最後に国道8号野洲川大橋あたりで大山川が合流する。これが合流の最後である。かつてはその後すぐ、野洲川大橋の5Kmほど下流の野洲市竹生で南北2流に別れていたが、現在はそのまま野洲川放水路を経て琵琶湖へ注いでいる。
これからやろうとすることは、この緑の線、川をまたがない1本の線を求めて、それを越える峠道を訪ねようというものである。現段階では何本の道があるのか、それすら分からない。それよりも、最後までやり通せるのか、それすら分からない。
2.野洲川河川概念図
地図01A.野洲川河川概念図
左の野洲川河川概念図(野洲川に合流する河川を模式的に示したも。それぞれの数字は流域面積[Ku])と照らし合わせてみると、野洲川に合流する河川のうち、大山川が最も下流に当たることが分かる。
最も下流で合流する大山川と家棟川との分水界を越える峠道を訪ねる。ただしここでいう家棟川は河川概念図で左岸に合流している同名の川ではない。野洲川の北、日野川との間に琵琶湖へ注ぐ河川のことである。
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