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アルバム  NO.18
2010.02.14
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  夕 日   YMD
 沈む夕日、それに向かって群れ泳ぐ水鳥。右下から左上への絵の動きがきっちりしている。沖の何羽かの鳥もちょっとしたアクセントになっている。しかし全体として見るとき、それ以上のものが伝わってこない。あと何かが必要。何かといわれても、すぐには思いつかないが。

 早 春   ATRS  
 早春の菜の花。右上が主役。主役にはきっちりピントが来ているし、バックも整理されている。ここまでは文句なし。ということで、「夕日」と同じことがいえる。ストーリーを展開さすために、このあとさらに何かが必要。一番単純な発想は、蝶なり虫なりだが、まだ昆虫は出てこない。困ったな。あえてゴーストを入れるとか。

 帰路につく   MRKM  
 MRKMさんの琵琶湖。例によって清澄な色調。水平線に平行な穏やかな波。しかしちょっと絵が単調だったかなと題を見ると?。「帰路につく」。何が?としっかり見直すと、水平線上に小さく白い船。そうかも知れないけれど、ちょっと小さすぎた。

 岩との競演  YND
 小さな画像で見ると、ブロンズの塑像のようにも見えた。普通、水は溝の部分を流れ落ちるのだが、この絵では稜線を流れているように見える。とくに右側の流路などは。不思議な滝だ。絵としては水の流れが複雑で、目移りがしてしまう。もう少し視点を絞った方がよかったか。上部のてかった岩も邪魔になる。

 ラストラン   NKMR-m  
 500系の頭部だけを流し撮りでアップした。運転席のガラスに光る太陽もポイントになった。車輪がおもちゃのように見えるのも面白い。右上の空の白飛び、これが流れてスピード感を強くしている。ひょとっしてトリミングしたのかも知れないが、狙いは生きた。

 霧 雪   TJ   
 合掌村の雪景色。カラー写真だけれどもモノクロームの世界。山深い谷間の集落を表現するのに、縦位置で切り取った気持ちはよく分かる。残念なのはその山の斜面を横切る2本の線。多分夏には畑になるところだろう。これが画面を上下に分けた。しかし、実際には仕方ないだろうな。こんな展望は他にはざらにはないのだから。

 秋 光   KDM  
 最初見たとき、薄い割石を積み上げた塀に見えた。石段だと見えるまでには大部時間がかかった。長いレンズで、切り取ったのだろう。狙いとしては面白い。さあ、これもここからだ。左上の陽の当たっているところに、ハイヒールを履いた女性の足でも入れるか。

 釣鐘のささやき  NMR
 紅葉と釣鐘、モミジが主役だと見たが、題を見ると、作者は釣鐘を重視しているらしい。釣鐘堂をバックにせず、釣鐘の一部を覗かせた。それがお寺を暗示させる。これがこの作品の味である。しかし主役はあくまでモミジの葉だと思う。題はともかくとして、いい写真である。

 夜の小路  HSMT
 これだけの舞台装置がありながら、何で人がいないのだろう。まさか人払いしたわけでもなかろうに。ここで三脚が立てられたかどうか分からないが、もし可能なら、人物を入れて僅かにぶらしたかった。あまりぶらすとオリンピックランナーが突っ走るように見えるから、シャッターはあまり長くしないように。

 義経元服の池  YMMT-k
 野洲史跡めぐり。昼間の光だろうか。曇天でしっかりしない光がカメラの後から来ていたのだろう。石碑や石組みに当たる光が単調になった。車の方へ回り、注連縄を前景にあしらうのも手だ。碑の文字が読めるかどうかは分からないが。

 冬枯れ  YMMT-j
 湖岸の巨木。1本だけ仲間はずれで右に傾いているのが印象的。木の位置も、水平線の置き方も文句なし。一目見てきっちり撮れているなと感じる。しかし、そこでストップしてしまう。それ以上のストーリーが続かない。これもあと何かプラスワンだ。

 晴天の日   MRSK
 ご存じの風景。現場に立つとあっと驚くのだが、実際はやっかいな場所だ。うっかりすると画面が上下に2分されてしまう。これは比良山を小さくすることで、何とか逃げてはいるが。この時は、多分午前中だろう。太陽がカメラの真後ろにあった。当然比良山も陰影がなくなる。

 鞆の浦暮色   KR
 中央の常夜灯が主役だろうが、手前に背の高い街灯を持ってきたのがよかった。これがきいている。影になった店先のダウンライトも味がある。入江の水面の暮色、夕映え雲、材料は揃った。あと一箇所、最後のポイントで決めを欠いた。常夜灯の明かりがバックの空と同じ明るさになった。あと少し雲が右にあって、その暗部が常夜灯にかかれば決まりだった。

 波   TJMR
 波打ち際である。どうしたらこういう色が出るのか。暗緑色を主調としたモノクローム。それが抽象画を見るような細かい模様を作っている。挑戦的ないい写真である。右上の砂浜に、点々と足跡があってもよかったか。

 飛 来  NGC  
 いい光だ、とくにいちばん奥の鳥の羽のエッジのハイライトと羽の裏の暗部。それぞれの鳥の立体感も文句なし。絵としては左から2番目が邪魔をした。しかしこれが先頭でリーダーなんだろうな。これがいなかったら文句なしだった。

 大鳴門橋  INUE
 太陽そのものは写っていないが、水面の反映と橋脚の筋交いに当たる光がそれを暗示する。多分夕陽だろう、旅情を誘う光である。時間があれば、太陽が橋の下端に顔を出す瞬間を待ってもよかったが、それができないのが旅行写真のつらいところ。

 日の出  ICK
 湖岸道路近くの池から見た日の出。冬至前後にこの日ので出が見られる。すすきの穂が光っているのが対岸で、水平になる。写真としてはいわゆる二の字構図になってしまい嫌なところである。これは釣り用の桟橋を入れて二の字構図を防いでいる。画面がもう少し明るくてもよかっただろう。

 霧の朝のランニング  ND
 少年野球か中学生か。並木の間をランニング。オリジナルのプリントでは、端正な日本画を見る思いがする。望遠の効果で、手前の木から順に霧が深くなっていくのが分かる。そこらも何となく絵画的だ。カメラをもう少し下げてもよかったか。手前の芝生が広く感じるから。 

 冬の棚田  IMGW
 斜面に生えている中央の木の持って行き場が勝負だった。結果的にこれがまん中へ来た。この場合、上の段の曲線が見事だから、右半分を縦位置で狙ってもよかったか。左側の細い斜めの木も捨てがたいから左半分でも絵が作れる。結局太い木の持って行き場の問題だった。

 凛として  MTOK
 水仙の花2輪と1つのつぼみ。バックのスカイブルーから紫への変化、葉っぱのぼけ、道具立てはうまくいったのに、花に重なった斜めの白い棒は何だったのか。花に重なっているのだから、偶然に重なったというより、あえて意図的に重ねたのかとも思うが、ちょっと分からない。

 厳寒の季節  TNK  
 波が打ち寄せ、クイと並ぶ枯れアシ葉っぱがみな風下に向く。寒そうだ。クイより外の波がやや穏やかなのが、ちょっと物足りないが。琵琶湖の東岸は季節風の強い朝、クイや岸の岩などに、氷がへばりつく。それが見えるともっと寒さがグレードアップしたのだが。

 コハクチョウ   KJM 
 ハクチョウがいままさに離水しようとするところ。蹴り上げた水しぶきが残る。タイミングとしてはいいところを捉えた。羽がフラットになってしまったのと、鳥の前がややつまり気味なのが気になる。曇り空だったのだろう、水の色が茶色っぽいのもしんどいな。

 夕陽の樹  NKMR-k 
 裸木のシルエット。季節限定の風景である。右の太いのは文句なし。左の細いのが、形があいまいで力がないのが惜しまれる。しかしそれは仕方ない。問題はその奥の細い木。主役に挟まれて肩身が狭いが、これがなかなかの美人。これをどう処遇するかで、この写真が変わる。いまの場合は若干右に寄りすぎた。その左に背の低い木が見えるが、これを左へ寄せて消すと、この美人が生きてくる。これは撮り直しがきく。

 窓辺の花  SRI 
 ガラス細工のような花である。下、深緑の葉っぱの左端あたりにピントが来ており、ヒゲまでがしっかり見える。だからほんの少し前ピンだったのか。室内で、どこまで絞れたか不明だが、可能ならもう少しピントを深くしたかった。明るいカーテンに白い花を配するのは、セオリーに反するようだが、この場合はうまくいった。

 丸屋根   MTNM-0
 私も現場で見たが、松茸の傘を4本の柱で支えた不思議な建物だった。右上からの光を受けて、屋根がきれいに立体的に見える。いい光線だった。杉の林を前にこの建物がぽつんとあるだけで、撮影意図がもう一つわかりにくい。オリジナルプリントでは、屋根裏のしつらえ窓も見えて、茶室風の休憩所らしいが、そこらの所を分かりやすくするのも写真の一つの目的だといえる。



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