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アルバム  NO.17
2010.01.24
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  古家屋根裏   MTNM-0
 茶室か何かの屋根裏らしいが、クジャクが羽を広げたように見える。まん中に立つ自然木が支柱らしいが、構造線のほとんどが支柱の先に向かっているので、絵に方向感が出た。フラッシュが飛んでいるらしいが、意識して飛ばしたのならそれはそれでよしとしなければならないが、カメラが勝手に飛ばしたとすれば問題。

  絶 景   YMD
 モヤがかかっていたのだろうか。画面全体が不思議な色をしている。こういう場合、ともすれば画面がフラットになりやすい。どこかにモヤの影響を受けない近景を入れると画面が締まる。ちいさい画面ではわかりにくいが、トロッコ列車と川下りの船が交差。あと数m船が先に出ておれば、絶好のタイミングだったのに。こればかりはね。

 さざなみ   ATRS  
 旅先での1枚。撮影者自身は意識したかどうかは分からないが、湖面に映った像を撮ろうとの意図がはっきりしている。おそらくこの上には雪山の実体があるわけだが、それを避けて湖面だけで作画しようとした。さざ波でその像が揺れているところが面白い。

 峠から   MRKM  
 画面を斜めに横切る杉の光。とくに奥の2本は画面の右上に向かう。その先に裸の木が待ち受ける。いい構図である。特に左の2本、これがきいている。と考えると上の白く飛んだ空は入れる必要があったかどうか。裸の木の上は、すぐ上の稜線とその奥の薄い線との2段になっている。その薄い線までカットしたら、裸の木がもっと生きてくる。

 神 木  YND
 注連縄をまいた巨木の間に人がいる。初詣の人だろうか。狙いは面白いのだが、両方の木が同じウエイトで入ってしまった。どちらかを少しカットしたいところだが、この場合は右だろう。しかしそれをやると稲妻状の紙もカットされてしまって、注連縄の意味をなさなくなる。難儀だ。僅かなカメラ振れが見える。

 散策道   NKMR-m  
 緩やかにカーブする散策道。あまりり高くない午後の太陽が上にありゴーストが散っている。道はススキの原の奥へと続いており、その向こうの青い山とともに「分け入っても、分け入っても…」山頭火の句を思わす。無粋なフェンスがなければと愚痴の一つもいいたくなるが、それが上からの光を受け止めているのだから、まあエエか。

 乱 舞   TKHT  
 夜間の長時間撮影で、振ったのか振れたのか。光跡の面白さだけでを絵にしたというところ。これは振れたのではなしに、振ったのですよと見せるためには、何か振れてないものがほしい。これにストロボ一発で近くの何かを止めると面白くなる。

 表 情   KTD  
 かわいい猫がすましている。左の目にキャッチライトがあって、それを見ると室内のライトだけらしい。あごの下が影になって、それで白いヒゲが生きた。ストロボが飛べばこのヒゲもだが、耳の奥まで明るくなってこの自然感は出なかっただろう。飛びやすい白を押さえて、露出も成功。

 水 鏡   TJ   
 水面に映る木の影らしい。それが上空の白雲と重なっている。そこまでだと当たり前の風景だが、よく見ると左3分の2ぐらいに青い斑点があってその面だけが木の色も変わっている(画面を拡大するとよく分かる)。説明を聞くと池の底にある落ち葉か何かで、そこだけが色が変わって見えたのだという。大きく伸ばしてみると、不思議さを感じさす写真である。

 名残の朱   KDM  
 谷間だろうか、暗い山陰をバックに紅葉が輝く。左前方から来る光が鮮やか。左のエッジを光らせてタテ1本の幹が軸である。すると当たり前に見えるが、よく考えるとこの木は葉をつけていない。光っている紅葉はこの木の奥の木だ。面白い風景を探し出したものだ。

 晩秋の大樹  NMR
 森の中の風景。泡立つような木の葉。季節は分からないが面白い表現だ。それに対して木の幹の取り扱いが、一般的すぎた。これを工夫して、葉っぱの間を走る稲妻状の枝を生かせば、面白い写真になるだろう。

 楷の大木  HSMT
 木偏に皆という字は何と読むのだろう。カイ、楷書の楷、そういわれたらそうだ。木は檜によく似た常緑喬木?だという。楷書の楷は整ったという意味だから、木の姿にそれを見たのだろうか。
  写真としては、正直に撮りすぎた。バックが山の部分だけをアップすれば別の写真になっただろう。

 平宗盛の胴塚  YMMT-k
 野洲史跡めぐり。平家終焉の地。右横から光が来て、樹木には文句なしの光だが、肝心の地蔵さんが2体とも真正面から照らされる形になった。これがしんどかった。後1時間か2時間早かったら、地蔵さんにはいい光だったはず。これは撮り直しがきく。

 冬ー樹影  YMMT-j
 ビルをバックにした裸の木、まさに現代の風景。構図としては右のビルの線が木の幹と重なったところが気にはなるが、それが致命傷ということでもない。まず文句なしといっていいだろう。青空に浮く白雲が見てみたい気もするが、裸の木をメインとするなら、この寒々とした冬空でもいいいのだろう。

 サ ギ   MRSK
 サギて首も脚もくちばしもこんなに細いのか。羽を広げているが、動作はエサを求めてそろりそろりと歩いているところという感じ。水面にも脚を動かした波はほとんど残っていない。まさにプロ級のワザ。不思議な瞬間だ。写真としては、ともすると上下対称になりやすいところだが、横からの影を入れたりして、何とか避けたというところ。

 雄松崎より和邇をを望む   TJMR
 ビックリしたな。無数の家が夕日に照らされ、それが山と山の間から流れ出た溶岩のように見える。そして、それが湖岸に接するところで蜃気楼さえ見える。
 これが家だと分かるまで大部時間がかかった。一見意味の分からないものを見せて、じっくり見たあとでびっくりさせる。見せ方としては一ひねりしているわけだが、これも一つの手だといえる。
 和邇は雄松崎から見て南南西ぐらいに位置する。それがこのように夕日に照らされるのは多分冬だろう。手前の湖面の処理が難しいところだが、この場合はこれしかないだろう。しかし、何とけなげな庶民の姿よ。

 琵琶湖の波  NGC  
 大荒れの琵琶湖。こんな波の日にサーフィンをやっている若者。それを撮りに行くNGCさんも若い。タイトルからしても、テーマは波である。レンズがどれくらいかよく分からないが、多分標準より若干短めぐらいか。波を狙うなら、いちばんワイドにして、カメラに水飛沫がかかるぐらいまで肉迫するといい。
 いまの場合、カメラは湖岸線に対して直角方向を向いている。波はその特性上、湖岸線に平行にやってくる。結果画面では横一線に写る。二の字構図になるのでできるだけ避けたい。

 灘黒岩水仙郷  INUE
 光る海と逆光を受けた水仙。旅の一こまである。おそらくこういう観光地はカメラ位置が自由にとれないから、どうしようもないのだろうが、それを度外視して考える。個々の花は逆光で美しい。しかし全体としては「水仙が咲いていました」というだけで終わっている。斜面に咲いているのだから、二の字構図だとはいえないが、花の大きさからいえば、結果的に同じことだといえる。これを破るのは、どれか一つぐんと背の抜き出た花を探して、それを前景に持ってくるしかないだろう。そうか前後に奥行きのある花の並びを探すことである。

 冬の朝の近江富士  ICK
 要素が多すぎたかな。あれもこれもと気をとられたのだろう。と、ここまでは前回と同じ文章である。近江富士をテーマにしているのだが、それ以外の山の並びも気になる。川の流れも、それに映る雲の姿も。それを全部入れようとした。構図がまとまらずに迷いが生じたら、どれかを捨てる決断をする。どれを捨てるかがまた迷いの種になるが、全部入れるよりははるかに絵になりやすい。

 紅葉燃ゆ  ND
 ほんまの山火事かと目を疑いたくなる。紅葉の一枚一枚が写らず全体が炎のように渦巻いているからだろう。小さなサイズで見ると、この驚きだけで終わってしまうのだが、拡大してみると、また別の面が見えてくる。一つは鳥居の上端、これがぎりぎりでカットされている。ちょっと窮屈か。それと右の人物に重なった立て札。何でこんな所へ立て札を立てるのか。その神経を疑うが、あるのだから仕方がない。この人物で消そうとしたのかも知れないが、ちょっとだけはみ出した。子供のころ見たアラカンの鞍馬天狗の頭巾、頭の横がぴんとはねてこんな感じだった。冗談は別にして、女性より右手前に人物をおいて(立て札と重ね)消すしか手はないだろう。 

 冬 木  IMGW
 大きな木の向こうはクイかフェンスかと思ったら、何と直立した木の並びだった。誰が植えたのか知らんが、これだけ狭い間隔でこれだけの背丈の木を並べる勇気に驚く。これに葉がつくとどうなるのか、見てみたいところだが、風景としてはおそらく冬期限定ものだろう。多分夕日だと思うが、太陽はこれから右へ動いていく。いろいろバリエーションが考えられる。今後の密着取材を期待。

 にぶいろ  MTOK
 冬枯れのスイレンの葉っぱ。白いペンキをなすりつけたようなのは何だろう。何か意味があるのだろうが分からない。奥に沈んでいる1枚は別にして、手前に4枚横1列に並んでいる。左から2番目が抜けるといいリズムになったのだが。左端が大きくドン、半拍休んでトントンという具合に。それをもう少し斜めに傾けるといい構図になった。

 軒下に  TNK  
 軒下につるされた干し柿の影。構図としてはあと少し上があってもよかったかと思うが、これはこれでも差し支えはないだろう。それより問題は左奥に見える白い何か。案内板か?正体不明だが、これが邪魔になる。ということで干し柿は手前に部分を残して白面までをカットする。むしろこの方が(干し柿を全部見せるよりも)影が生きてくるような気がする。

 伊吹山   KJM 
 雪をかぶった伊吹山。雪の色が屋や赤みがかっているのは、たぶん夕方だからだろう。あたりの風物には目もくれず、山そのものをどんと撮ったわけだが、これはちょっと単純すぎた。もしこれが夕方だとしたら、何かそれを思わす副題を見つけたかった。じゃ、何をといわれてもすぐには思いつかないが、夕日を浴びて学校帰りの中学生だとか。

  もう下りてよ  NKMR-k 
 タヌキの頭に得体の知れないものが乗っている。こういう写真はどう考えたらいいの?。上目使いのタヌキがいたら面白いのだが、いないわなー。滑り落ちそうに傾けたらどうかと画面を45度ほど傾けてみたが、トリミングでは不可能だった。初めからそれを計算して傾けて撮っておくと案外面白かったかも知れない。



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