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アルバム  NO.16
2010.01.10
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  寒いよー  NKMR-k 
 ウン、寒いんだなー。しかし、写真で暑さ寒さを表現するのは難しい。雪を見て寒いだろうとは思う。しかし親子の表情からはもう一つそれが伝わってこない。これが写真の難しさである。結局、漫然としたスナップで、「寒いよ」はあと追い題名だから。撮るときから、子供の寒そうな表情を狙うと別の写真になる。

 楓の並木  SRI 
 大きくカーブする道路の両側に続く並木。道端から撮ったので必然の結果だとは思うが、右手前にぐんと大きく木が入ってきて力強い絵になった。楓の赤い葉っぱと空の青さの組み合わせも心地よい。低く入った白線も効果的。遠くに車が見えてもよかったか。

  信楽のタヌキ   MTNM-0
 タヌキが河童に化けたような作り物。顔を見せるために傘の一部を切り取ってあるところがご愛敬。この作り物のポイントは、傘の欠落とタヌキの顔なのだから、広角で上から覗き込むように、その部分をアップして、全体像を尻すぼみに見せるのも手だった。正直すぎた。

  明かりのオブジェ   YMD
 登り窯の中の明かり。窯の両側を正直に撮りすぎた。右側の青みがかったグレーのレンガは捨てがたいが、この場合はこれをギリギリまでカットして、上部のアーチの右端を見せることで、入口を暗示させた方が、内部の明かりが生きてくる。このままだと入口が強すぎる。トリミング見本

 秋の陽光   ATRS  
 手前に木があって、その向こうに射す光が霧を照らしているのだが、一目見ると奥の霧が手前に飛び出してくる。明るいものが大きく見えるという目の錯覚がそうさせる。左の森も悪くはないのだが、右の光には勝てない。光の部分を中心に縦にカットした方がよい。
トリミング見本

 楓   MRKM  
 よく使われる手で、そつなくまとめられている。しかし、そこまでで、「そつなく」の壁を越えられなかったところにいま一歩の感が残る。光が若干乏しかったようだが、それが原因か、それとも葉の込みかげんか。とにかく葉の表情に生気がないのが気になる。

 晩秋の教林坊   TNZK  
 屋根の上を覆う紅葉と、その下の茅葺き屋根。木の間を漏れてくる光が、その屋根にグラデーションをつける。これがこの写真の生命線だろう。これがフラットだったら、この味は出ない。右の緑の部分は、紅葉の右端までの半分ぐらいをカットしてもよかったか。

 競い合う枝  YND
 季節は分からないが、黒い幹から伸びる3本の枝が強い。全体を見て気になるのは画面下端の大きな葉っぱのかたまり。実際には手前にあるのだろうが、これが邪魔だった。この画面で処理することは無理で、撮影の時に省いておきたかった。

 光と影   NKMR-m  
 落ち葉の上に降り注ぐ光を半逆光で捉えた。いい写真である。特に中央部の光と影がいい。これで一つの作品としてまとまってはいるのだが、よく考えると木の右側の遠景は余り意味がない。ということで中央の太い影の半分ぐらいから左を縦位置で再編成すればもっとよくなる。トリミング見本

 旧愛知郡役所庁舎   TKHT  
 なかなか味のある建物である。何かの記念館として残っているのだろうか。しかし、おしいかな光が正直すぎた。たとえば、建物の右側(玄関のある方)と左側(側面)の壁面の明るさがほとんど変わらない。光を計算して、ここにくっきりと差が出る時を選んだら、もっと印象的な写真になっただろう。

 朝靄に浮かぶ雑木   KTD  
 川岸だろうか。深い霧が細部を隠した。手前に立つ細い木や草、これが見事に引き立った。上部の森も幻想的だ。いいチャンスに巡り会った。全体をもっと薄く仕上げてみるのも面白い。

 谷間の秋   KDM  
 紅葉の谷間に斜めから差す光。薄いモヤがその光に照る。いい写真である。斜めに差す光が主役で、それはこれで一つの作品ではあるが、ちょっと上品すぎたか。欲をいえばもう一つパンチがほしいところ。ということで、激しい流れで光っている水しぶきに着目して、ワイドでそれを手前に入れて、大きくアップしてみる、というのはどうだろう。

 晩秋の光  NMR
 どちらかがカットされたらしい。ほとんど正方形になっていて、かつての二眼レフ6×6判を思い出した。当時は引き伸ばしの段階でこれを縦なり横なりにカットしていた。いま思うとそのカットがトリミングの練習になっていた。
 この場合、左上から下がってくる2本のエッジはきいている。それに対して、右の幹と影がほぼ一直線になって魅力がない。思い切ってそれをカットして、左3分の2で縦位置に処理したらどうだろう。トリミング見本

 秋の川船  HSMT
 これも定番ものだけど、オリジナルは鮮やかだ。この鮮やかさは、資料のプリントには出ないだろう。色はとにかくとして、絵としては、遊覧船がどーんと紅葉の間に突っ張り棒のように入ってしまった。船頭さんの姿も捨てがたいから、もう一瞬早いタイミングで切りたかった。船の半分ないしは3分の1が枝と重なっているぐらいで。

 国民休暇村にて  YMMT-k
 石垣の上の3色団子がポイントである。特に中央のススキが目立つ。ということでそれを生かすために石垣を半分に切ったのだろうか。それとも下に何か不都合なものがあったのだろうか、その部分だけがなんとなく不安定さを感じさせる。それ以外はOKである。出来ればもう少ししっかりした光がほしかったが。細かいことだが、左端の木の下に見えるブルー。妙な人工臭をを感じさせる。カットしておきたい。

 マスト空をつく  YMMT-j
 見事な青空だ。タイトルから見るとマストがポイントらしいが、写真としてはその前にこの青さが目につく。この青さがあっての白いマストだろう。空は上空ほど青い。この時水平線近くはどんな青だったのか。少なくともここまでの青さはないはず。この青さは、マストを仰ぎ見た副産物である。がうまくいった。

 霧の朝   MRSK
 草原に何か得体の知れないもの。どうやらクモの巣らしい。およそ朝日とは無関係な組み合わせである。画面に若干腰が引けてるというか、おっかなびっくりのところが見られる。どうせやるなら、右半分の密度の濃いところを思い切ってアップしたらどうなったか。やけっぱちの挑戦が見たかった。

 渓 流   KR
 タイトルが「渓流」で手前のモミジは前景ということらしい。もう一段高い位置がとれたら、渓流と黒いバックに葉っぱが入っていい絵になった。いまのままだと葉っぱの下の枝が長すぎて不安定。多分これでもギリギリの高さだったのだろう。一歩脚を滑らせば…、無理はしないこと。

 ススキ   TJMR
 薄いモヤでもかかっていたのだろうか。不思議な色である。すすきの穂がやや飛びかげんでもしかしたら露出オーバーだったのかも知れない。しかしこの場合、これが成功した。何ともいえない雰囲気が感じられる。面白い写真である。

 捕獲成功  NGC  
 ゲットしたエサをくわえて飛び上がってくるところ。枝の瞬前で鳥自体のスピードは抑えられているのか、本体はぴしゃりと止まっている。絞りが浅くかなり早いシャッターが切られているのだろう。しかし羽は着陸(着枝?)にそなえて、激しく動いている。見事である。露出が若干オーバーだったようだ。

 秋の日  INUE
 わたしには何の実か分からないが、黄緑の葉と赤い実。ピントがピシッときていて気持ちがいい。実の右端の細いエッジが、新月直後の細い消えるような光を連想させる。バックのぼけを含めて文句なし。絵としては、若干上に片寄ったのが気になる。左と下をカットすると落ち着く。トリミング見本

 京の秋  ICK
 要素が多すぎたかな。あれもこれもと気をとられたのだろう。木そのものも雑然として多すぎた。バックに杉を持ってきたのも、空を飛ばさない配慮だとは思うが、結果的にはこれも邪魔だった。天気もそこそこでとびきり上々というほどではなさそうで、こういう場合は、もう少し小さく狙った方が成功の確率が高かった。

 錦 秋  ND
 まさに紅葉、それを長いレンズで狙った。狙いは分かる。いろんな雑物を排して赤い葉っぱだけを狙った。よくは分からないが、赤い葉は2本の木のようだ。手前が右端、親子の右に伸びている木、それと左の木。その2つの葉っぱが一つになって写ってしまった。これらがきっちりわけられる光があると思う。それがつかまえられたら、いい写真になった。 

 川 霧  IMGW
 IMGWさんがよく狙う材料だが、何となく太陽が上目使いをしているようで落ち着かない。結局太陽の位置の問題だろう。太陽をもう少し下げた方が落ち着く。カメラを下げる。カメラの位置で太陽は自由に動く。このままでいくなら左右をカットして、縦位置にした方が落ち着く。トリミング見本

 黄金色の秋  MTOK
 どこかの神社か。イチョウの木そのものよりも、2棟並んだ屋根に降り積む葉っぱがきいている。とくに手前の屋根の流れるような線。あと少し、しっかりした光があれば、もっと生きただろう。
 左、上、右を少しずつカットするともっと生きる。ただし右は、屋根の流れ下る先端を切らないように。
トリミング見本

 夜の紅葉  TNK  
 「夜の…」とあるからライトアップかと思う。そういわれれて見ると、光は下からきているようだ。しかし昼間のようにも見える。ライトアップはともすれば、コントラストが強くなり、明るい部分が飛んでしまいがちだが、それがうまくいった。落ち着いた佳品である。上と左をカットして、葉っぱ3段だけで絵にしてもよかっただろう。
トリミング見本

 白 鳥   KJM 
 白鳥だということだが、何となく雰囲気が違う。子供だろうか。2羽並んだポーズもいいし、バックの水の色も、波の模様もいい。若干オーバー気味で、鳥本体が飛んでしまったのが惜しまれる。撮影時には見極められないことだが、左の鳥のしっぽが、右の背中から飛び出している三角形、これがなかったら…。写真の神さんもつまらないいたずらをする。



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