k
アルバム  NO.15
2009.12.20
目 次 へ

 燕の滝   KJM 
 旅行先での撮影かと思う。人間誰しも初めての風景には感動する。その見たところをそのままに撮った感じ。カメラを下へ向けて空をカットした方がよい。多分展望台からだろうから、自由はきかないだろうが、可能な限り滝の特長をつかめるポジションを探す。手前に人を入れるのも一つの手である。

 森の朝  NKMR-k 
 暗い森に鋭い光が差し込んだ。しかし、不思議なことにこの光芒で照らされた木が目立たないし、光の手前にある木もない。光は林の手前を通っていたのだろうか。仮に1本でも手前に木があれば、それがポイントになったのだが。写真として、光の印象は強い。

 秋 色  SRI 
 モミジの黄色い葉っぱを逆光でうまく捉えた。右側の幹に当たる光が、まさに消えかかろうとするところ。このままあと10分もすれば完全に消え去るだろう。ということは、逆に10分か15分前ならもう少し強いエッジが見えたということである。そのタイミングなら最高だったろう。しかし、いい写真である。

  山 道   MTNM-0
 暗い冷え冷えとする上り坂。それを登り切った向こうは明るい朝靄に輝いている。さあ、そこまで一がんばり、そんな気持ちが伝わってくる印象的な写真である。暗い道が切れるあたりに人物がシルエットでほしかった。手前の状況が分からないが、可能なら少し下がって、明るい面積を小さくできればなおよかった。

 秋真盛り   ATRS  
 完全にシルエットになった太い幹が、スケート選手か、バレリーナのように身体をしならせて、「いいですね、指先まで神経が行き届いていますね」と評論家をうならせる、そんなイメージが伝わってくる。いい写真である。

 窯   MRKM  
 窯の空気取り入れ口だろうか、そこからの鋭い光。身長との関係もあったかと思われるが、アーチの上部をカバーできるまでカメラを上へ持っていきたかった。そのとき可能なら、若干レンズを短くする。光口は下がるが、差し込む光はカメラに向かってくるから上へ向く。

 晩 秋   TNZK  
 わらぶき屋根の上部が逆光に光る。同じ光を受ける手前の秋草。わらぶき屋根は暗く青い。構図上、問題はこの屋根の面の大きさだろう。ドーンと大きすぎたか。光の立場で見れば、屋根の向こうの山裾の光が、屋根の稜線と喧嘩した。狙った気持ちは分かるのだが、この正対構図は難しかった。

 浮かぶ落ち葉  YND
 乳白色に濁った池面に落ち葉が浮く。それに当たる光が水面に影を引く。水面にも濃淡があってなかなか繊細な狙いである。それはいいのだが、ポイントとして選んだのは、中央の黄色の葉だったのか。これが画面のど真ん中に来た。選んだか、選ばなかったかはともかくとして、いずれにしてもこのど真ん中が大きく目立つ。

 秋を満喫   NKMR-m  
 一面のススキ、見事なものだ。対面する山の青さもいい。その続き左奥の淡い斜光も距離感を感じさせる。右上の遊歩道を行く人の姿もいい雰囲気だ。ススキの原に自由に踏み込むことは不可能だとしても、左手前に2,3本ぐんと大きく高いものを持ってこれたら文句なしだった。

 表と裏   TKHT  
 あえて淡く仕上げたのだという。面白い発想だ。色の淡いウラを手前に大きく、その横に表を小さく入れた。その組み合わせの妙がいい。何かのボケだと思うが、葉脈状の緑の線もうまく面を押さえている。2枚の葉の付け根でつながっている部分、オリジナルではかろうじてつながりが見えるのだが、はっきりつながって見える方が落ち着いたか。

 唐 草   KTD  
 観光用古民家の一隅、なぜこのような唐草模様があるのか意味不明だが、窓からの光に照らされて対角線上の光が生きている。部屋の明るさが、その線上だけ暗くなっているのも、この場合は好都合だった。電灯の白いほやがこの場合は、いいのか悪いのか。

 割れ器   TJ  
 それとなく置かれた割れた瓶。焼き上がったときにすでにこのように割れていたのだろうが、そのままこうして残された職人さんの気持ちが伝わってくる。写真としては割れ口を正面から捉えているが、右に回って、影を手前に置いて、光る面と対比させた方が、力は強くなっただろう。

 信楽窯坂通りにて   KDM  
 波板の面に斜めからの光。画面一面のタテの細かい線。一昔、ふた昔前のかんぬき。立てかけてある脚立も鉄製の頑丈なヤツだ。なんとしても悔やまれるのが、かんぬきの下に見える古い板がやけに白いこと。倉庫の中のものだから、動かすわけにもいかないし、この手前にどんと置いて、絵になるものは何だろう。

 一休み  NMR
 喫茶店でのとっさのスナップだろう。すべてがシルエットになった。かがむ女性の頭部がバックの暗部と重なった。これがおしかった。上の暗部をカットし、下もテーブルの下までカットしてみたが、今度は画面全体が窮屈になった。カメラ位置があと少し高かったらと悔やまれる。

 光と影  HSMT
 秋の定番もの。暗いバックに木漏れ日を受けた黄色いモミジ。トータルとしては、葉が若干多すぎたか。特に右側。左半分ぐらいの葉っぱを探して、絵を作りなおした方がよかったか。

 兵主神社大鳥居  YMMT-k
 石橋、鳥居、楼門を一直線に正対した。すべて見事な対称形である。画面に多少傾きがあるものの、真正面からきっちり撮れている。こういう場合、いい加減な撮り方では、カメラを対称軸上に置くことすら難しい。その点これはきっちり出来ている。一つ疑問に思うことは、なぜ縦位置なのだろうということ。ヨコで、余裕のある画面が作れたのではないか。

 スポッと浴びて  YMMT-j
 ピポイントのスポットが1枚の葉を照らした。その横にまだ3枚ほどの葉っぱが連なっているのだが、バックに埋もれて表に出てこない。せめてあと1枚ぐらいライトが当たると、しっかりした絵になったのだが。1枚では何とも絵になりにくい。葉のすぐ上の枝に当たる細い光も味があったのに、おしかった。

 青サギ   MRSK
 前回はハクチョウ、今回はアオサギ。どちらも流し撮りだ。アオサギがこんなに早く飛ぶのかと思う。スピード感は出た。向こうの羽のあたりが、何とか止まっているかというところ。前回のハクチョウに比べると、やや迫力不足というところか。

 思い出に   KR
 題が読みとりにくかった。ひょっとしたら読み間違っているかも知れない。どこかの観光地へバスが到着したところらしい。ポケットに手を突っ込んだおっちゃんがガイドさんに、モンクの一つもいおうかというところ、ガイドさんは知らん顔して横向いて・・・に見えるが、周りの人が笑っているからこちらの読み過ぎだろうが。あとは想像にお任せする。

 創造の光  NGC  
 信楽・宗陶苑。窯の内部のあかり館。こんなに広かったのかと思う。画面の切り取り方は撮る人の感覚だが、光のかげんは誰が撮っても同じに写る。これが人工照明の味のなさである。写真としては、十分しっかり撮れてはいるのだが。

 陰 影  INUE
 いい色だ。斜め右上からの光が、器の立体感、模様の彫りを浮き上がらせた。オリジナルプリントではコントラストがやや低く、左の陰の部分も何とか判別できるのだが、スキャニングの過程でそれが強まった。私としてはこれぐらいの強さの方が面白く感じるのだが。

 笑(しょう)  ICK
 いわゆる群像ものである。この場合はとっくりがポイント。これがど真ん中に来た。それと狸の目の向きがみなまちまちの方向を向いている。とっくりの左側の狸の目が向いているところにカメラを持っていくと、それに見つめられているように写るはず。講演などをしているとき、多くの人の中で、自分にまっすぐ向けられた目の線は強く感じる。それを生かすと、その狸が生きてくる。その場合、当然題は変わる。

 陽 光  ND
 逆光の中のオレンジ色の葉っぱ。オリジナルの透明感、もちろん向こうが透けて見えるわけではないのだが、如何にもその様に感じさせる、それが見事だった。このプリントではそれは出ないだろう。木漏れ日の太陽、もうちょっと右下へ、枝と葉っぱの間でどうだろう。

 こうのとり飛来  IMGW
 コウノトリが山あいを翔ける。流がしたのかぶれたのか。微妙なところで何ともいえないが、そのブレの方向が、自慢の脚の方向と一致したのが幸いだった。結果頭部も羽もまあまあというところで収まった。全体をもう少し暗く仕上げたら、鳥がもっと引き立っただろう。

 秋の桜並木  MTOK
 題は「桜並木」だが、気持ちは2つに分かれた。左の湖をどうしても入れたかった。その結果、並木が詰まってしまった。この場合左前方からの光はOKだ。並木を撮るならば、湖はいらない。道の左側に立って、道を入れながら、並木を狙う。幹に当たる光は美しかったはずだ。旅の記念として、どうしてもというなら、道のまん中に立って、対称形の左右に湖と桜を配分する。

 道南の初秋  TNK  
 対岸からか、船の上からか、結果的に向こう岸と正対することになった。今回何点か出てきた正対構図の難しさである。題は「初秋」となっているが、白樺は葉を落として晩秋のたたずまい。かろうじて背の低い木だけが、黄色い葉を残している。いまの場合それがポイントにはなるが、結果として難しい構図になった。東山魁夷の絵にこのような構図があるが、白い馬でその難しさを避けている。



目 次 へ このページのトップへ