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アルバム  NO.14
2009.12.13
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 発表会  TNK  
 気持ちよさそうな指揮者の手振り。演奏会ではない発表会の雰囲気がよく分かる。意識してシャッターを切ったのかどうか分からないが、これは絶妙のタイミングだった。指揮者の手は、簡単にいえば往復運動するわけで、両端では止まり、中間では最も早くなる。これはその止まったところを狙った。多少振れがあるがそれが動きを表現した。

 今年の初参り   MTNM-s 
 不思議やねー。左側を向こうへ向いて歩いていく人ばかりで、向こうから来る人は皆無。あと半歩左へ寄って、「左側通行」の立札と、橋の中央線とをぴしゃりと一致させたら、右の空白がもっと際だっただろう。面白かっただろうなー。ユーモア賞はねらえた。

 モミジの古木   KJM 
 これは苔が生えているのか。なるほど古木だ。狙いは十分わかる。しかし、残念ながら、光が味方をしなかった。もう葉が散っているかも知れないが、もしやり直しがきくならば、光がしっかりしたときに狙いたい。と同時に、もっと幹に近づいて、手前を太く撮った方がよい。

 森の朝  NKMR-k 
 直線の杉の木林に薄いモヤがかかっている。そこへ真横からの光。もうちょっと斜めからと注文の一つもつけたくなるほどの光だ。いい条件に巡り会った。木の並びもまあまあ。いちばん中央のひょろひょろと細い木はなくてもよかったかも知れないが。真ん中辺の2本の光芒をポイントに横に切る手もある。

 秋 桜  SRI 
 コスモス1輪だけをアップした。少しの風にでもよく揺れる花だから、口で言うほど簡単な話ではない。右下のピンクのぼけは他の花だろうか。それを受けて、花を左へ持っていったのはよかった。ひょっとしてあとで処理したのかも知れないが。

  乳頭温泉   MTNM-0
 水車をかなり意識したらしく、ずいぶん大きく捉えた。バックのわらぶき屋根、手前のガラス窓も素朴で、水車とよくマッチしているので、もう少し周囲を取り入れてもよかっただろう。それはともかくとして、右のススキ数本がいい。左の草むらを整理するといいだろう。

  日 没  YMD  
 太陽の下に大水車が見えるから、能登川の内湖だと思われる。電柱やいろんなものがあるはずだが、強い光で消えてしまった。そういう点ではうまくいったが、太陽がほとんどまん中に来て、絵が単純になってしまった。手前のヨシの向こうに何かあるとよかったのだが。

 森の秋   ATRS  
 伝説の鳥「火の鳥」が森から飛び立つような。凄いところを探したものだ。頭の所など、上向きに見れば鳥だし、右向きだと見れば犬か何かだし。いくつかの木や枝が集まって出来たイメージらしい。いやこれは参った。何賞になるのかな。

 いろどり   MRKM  
 なるほど「いろどり」だ。ということでがちゃっとやった感じがする。ちょっとごちゃごちゃしたかな。この中で見れば、上から少し下の黄色の3枚がまとまっている。しかし残念ながらそれにピントが来ていない。機械は厳しいそのあたりで、葉っぱの少ないところで絵を作れば・・・。

 帰り道   TNZK  
 手前にまばらな紅葉を大きく置いて、その向こうの小径を歩く4人の女性。いい写真だ。手前の紅葉が赤と黄の2種類に分かれているのも変化があっていい。よくいえば、もう少し太陽が低く、赤みがかった光線だともっとよかった。しかし、風景は待ててもそのときに人が通らなければ。なかなか難しいものだ。左上の白抜けはカット。

 滝のカーテン  YND
 滝が滝でなくなるところまでアップして、これでどうヤというところ。左端にもみじの葉っぱ。面白いのだが、どちらを見せたかったのかとの疑問が残る。YNDさんにきいてみたいところだけれど、私は、左の岩肌を見せた方がいいと思う。ということで、滝の真ん中辺に縦に1本いちばん白い線がある。そこから右をカットしたらどうだろう。

 雨の白川郷   NKMR-m  
 なるほど、水面を見れば結構強い雨だ。ところがそれ以外に雨は見えない。意地の悪いモンだ。要するに、雨を写すには、光のコントロールだ。暗い面をバックに光を受けた雨は写る。だからこの場合、とりあえずカメラを下へ向けて山と空を外す。画面全体はかなり暗くなるはず。その中で雨が光る方向を探す。その方向で絵がまとまるかどうかは分からないが、とにかくその方向を探す。大概の場合、太陽に向かうと考えればいい。もちろん雨の日に太陽はないわけで、天気なら太陽があるだろうと想定できる方向だ。あとはシャッタースピード。これは雨の降り方で変わる。その場でテストするしかない。多少流れた方が雨らしく写る。

 中山道宿場町   TKHT  
 中山道恵知川宿とある。どーんとした門構えをドーンと真正面から狙った。別に悪いことではない。しかし両側の提灯が、やや飛び気味で趣を欠いた。いまどき提灯にローソクは灯さないと思うが、電灯ぐらいはつくだろう。暗くなる前、その電灯がともった直後あたりはねらい目ですぞー。そこを家路に急ぐ女学生が自転車で横切る。もちろんちょっと流れる。門の前に水うちしてあったら最高だ。そんなイメージはどうだろう。もう一度行くか行かないかは別だけど。

 秋 色   KTD  
 「池のふちに映えるもみじ、月並みですが写してみました」とある。なるほど月並みかも知れないが、落ち着いたいい写真だ。赤いモミジに下半分の淡い黄緑のバックがいい。左上の枝は要らないような気がするが、カットするとよけいに白抜けが目立ち出すかな。

 秋 光   TJ  
 左の「秋色」とは対称的に、バックの色がきつくなった。その意味は聞いてみなければわからないが、モミジのバックにはちょっとしんどかった。枝に当たるハイライトが示すように、いい光が当たっているのだが、それがかえって災いしたのかも知れない。

 秋の渓谷   KDM  
 「秋の渓谷」、その通りなんだけれど、残念ながらまん中の暗部で、上の黄葉と下の渓流とに別れてしまった。さてどう解決するか。周囲の状況が分からないが、一応自由がきくとして、右の岩をもう少し右上まで入れたらどうだろう。なんとか黄葉の葉っぱにつながりが感じられるところまで。もちろん岩がそこまで大きいと仮定しての話だが。

 水あび  NMR
 鴨か何かの水浴びだが、こんなに激しく水をはじいているのか。肉眼で見るのとは違った動きを見せてくれる。映像の世界のすごさだ。ただ、残念なのは、鳥の姿(鳥とカメラのお互いの位置関係も含めて)がややおさまりが悪い瞬間なのがおしかった。

 もみじ  HSMT
 太い幹の組み合わせをベースにして紅葉の葉をきれいにまとめた。特に暗部に対する葉っぱの色が絶妙で文句なしだ。ただし、これは私だけの感覚かも知れないが、黒い幹に挟まれた白抜けが、白い棒に見えて、幹よりも先にそれが目に入ってしまう。この白い棒は何かな、と考えてから黒い幹に気がつく。だまし絵的なところが若干気になる。

 兵主神社庭園  YMMT-k
 紅葉を主役にして、絵を作ったのだろうけど、結果的には左半分にその要素が集まってしまった。言い換えたら、右半分は松の木が邪魔になって魅力なし。といって完全仁真半分にカットするわけにも行かないから、もう少し右へ寄って、社殿を右へ寄せて、紅葉と社殿で絵を再構成すればいいだろう。

 古城秋景(フィンランド)  YMMT-j
 日本の古城をイメージさせる題だが、北欧の風景。要するに絵としては大木と古い建物だが、これをどう組み合わすかの問題である。一目見て分かるように正直な組み合わせである。木と建物の間、奥に見える黒い樹木は意味がなさそうだから、もう少し左へ寄って(木を右へ移動させて)、大木と建物を直接重ねた方が落ち着いたのではないか。

 ハクチョウ   MRSK
 ハクチョウの離水を流し撮りで成功した。まさに両羽を振り下ろそうとする瞬間である。首から頭へかけての部分だけが止まって写った。見事。頭部が完全に止まって写っていたらということと、後にはねる水がもう少しはっきりしておればとの思いが残るが、これは次へのテーマである。

 XXX   TJMR
 題不明だが、「夜明け前、舟たまりからから釣り人が船を出していくところ」だという。船とヨシが一塊りになって、船に目がいくまでに時間がかかるのが、しんどいところ。もう少し待って、ヨシ原から離れたところで撮ってもよかったのでは。当然そこまで波は着いていくはずだから、船が小さくなっても存在感は残ったはず。日の出前の湖の美しさは文句なし。

 枝に飛びつく川蝉  NGC  
 一連の川蝉ものの中で、初めて見る表情である。飛行士が一番緊張するのは着陸の時だという。飛ぶことではプロの川蝉も枝にとまるときは緊張しているのだ。半分あいたくちばし、怖そうな目。引き締まった羽の様子。見事。

 茜  INUE
 夕方の空に、水平方向の雲が層をなした。山の方を向いたときだけ雲が水平に見えるわけで、仮に45度右か左かを向いたら、この平行関係は崩れる。そういう意味で、不思議な関係なのだが、それを縦位置で捉えたところが面白かった。奥行きでもない、高さでもない、不思議な面としかいいようがない風景である。

 光悦庭の秋  ICK
 2本の老木でゲートをつくった。絵の中でこれがどう作用するかということだが、この場合はちょっと強すぎたか。ゲートの向こうに意志があって、その向こうに屋敷がある。そこまでなかなか目が届かない。この場合は左右どちらかの木だけの方が 落ち着いただろう。

 紅葉写す  ND
 2人何をしているのかな、というのが第一印象。題を見て「紅葉が何を写すのかな」、と思いつつ「ん?」、もう一度見直して、何や紅葉を写しているのか。半年ほど前なら、日蝕を見ているところかと思う。ちょっとわかりにくかった。といって2人が他人では目の前へ出ていくのもはばかられるしね。これ以上仕方ないか。

 しなる  IMGW
 これはよく分かる。写真を見て、これは「しなる」以外にないだろうと思ったら案の定。見事にしなっている。ついでにオッチャンの腹までしなっている。これだけ釣り竿振り回して糸が木にひっかからんのかな。人の身体と水面の反映の線とが、もう少し離れていた方が絵としては安定しただろう。しかし、見事な瞬間だった。



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