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アルバム  NO.12
2009.11.08
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 熱気球  ND
 濃いブルーの中に浮く黄色い気球。手前左2人の赤いシャツ。待ってて狙ったのか偶然か。いずれにしてもそれなりの計算はあったのだろう。ゴンドラに乗っている黄色は人物かどうかは判然としないが、それが高度感を感じさせてくれる。傘の女性の左下に見える白いものが見えなくなるぐらいまでカットしておくとよい。

 初 秋  IMGW
 暗色をバックにすすきが光る。単純な構図だが、左上に見えるアウトフォーカスの杉の木がそれを救った。右上に太陽があるらしく、ゴーストが出来ている。カメラを左下へ移動して右上へ振る。太陽を画面の端ギリギリに置いて、ゴーストを強くする手もあった。

 小さい秋みーつけた  MTOK
 ムラサキシキブの枝をねらった。きっちりピントが来て、しっかり撮れているのだが、それが浮かび上がってこない。バックの枯れ葉が雑然と散っているのが煩雑だからか。右側の何かの影らしい黒線のボケもも気になる。この枝を2本ぐらい画面に入れて、バックをもう少し整理したかった。

 初 夏  TNK  
 季節が逆行してハスの花。黒いバックに花と蕾が一輪ずつ。花は咲いたばかりだろうか、上品に撮れている。何でもないようだけど、ここまで形の整った状態はなかなか見られない。そういう意味でいいチャンスに巡り会った。葉っぱの緑も新鮮で、これから夏の盛りへ向かう感じがよく出ている。

 竹   KJM 
 手入れの行き届いた竹林。横からの光だとさぞやきれいだったろう。しかしそれは仕方ない。今、この写真を見ると2本の竹が目立つ。どちらが主役か。2本こうして並べたら勝負はつかない。画面を半分に割ると、それぞれが生きてくる。左は右奥の光っている竹が脇役に。右の竹はずーと奥の点々と見える光が奥行き感を表現している。2枚を1枚にしようとしたところに無理があった。

 屋根の美  NKMR-k 
 なんとまあ入り込んだ屋根か。落ちてきた雨水もどちらへ流れたものか迷うだろう。印刷にするとカラー写真に見えるかも知れないが、原画はモノクロームに仕上げてある。それは悪くないのだが、もう少し画面の整理が必要だろう。

 駒ヶ岳のブナ  SRI 
 太陽が木の上にあるらしい。木の葉から光が漏れてくる。ブナの木などが生えている山深いところは、現地で野宿しない限り、現場に着くのはたいていが昼前後。太陽が高くなるのは必然の条件となる。結果、幹に当たる光はどうしてもこういう光になる。シンドイところである。木の葉漏れの光はきれいだから、それを生かす工夫を・・・。

 猫   MTNM-0
 温かそうなマットに座って、首を傾げて斜め上を見上げる。しあわせそうな表情が何ともいえない。ピントも顔にびしっと来てしっかり撮れている。これでどこもなぶる必要はないが、無茶を言うようだが、鼻先を境として右半分をカットすると、鋭い目つきの強い写真になる。トリミング見本

 秋の三上山  YMD  
 典型的な三上山だが、ちょっと単純すぎた。山裾の集落を消すためにカメラを下げた。結果、手前は稲の穂だけになり、それが画面の半分近くを占めた。これで強い絵にしようとすれば、レンズは出来る限り短くし、能力一杯稲の穂に近づくことだろう。これで精一杯かも知れないが。

 夕 影   ATRS  
 琵琶湖に浮かぶ釣り船。湖面のきらめきが美しい。これで一つの絵にはなっている。しかし左の木のシルエットがややうるさい。それの半分ぐらいをカットしたいのだが、それをやると画面に対して船が大きくなりすぎ、しかもそれが画面の中央へ来る。
 カメラを移動させながら、木と船の距離、画面に対する船の大きさなどを(レンズの焦点距離を変えながら)調節するともっとバラスのとれたいい写真になっただろう。

 明ける   MRKM  
 これは悩むなー。その悩みの最大のポイントは黒い横雲。朝早く起きて、折角出てきたのだからと、あれこれひねり回したのだろう。湖面は単純で、左に1本出ている竹竿と、太陽光線の反射だけ。空を広く撮りたいのだが、この雲が画面を2分する。MRKMさんの悩みが目に見えるようだ。

 光の幻想   YND
 バックの壁に灯りの模様が映っているところだろう。題にもあるように幻想的なシーンである。これはこれで一つの作品ではあるが、もう少しダイナミックにいけなかったかなという思いも残る。というのは灯りの顔もバックの影も正直すぎる。壁に対して直角方向から撮ったためだろう。斜め方向から撮って左右の影のバランスを崩すと、絵の力が強くなる。

 秋 桜   HYS  
 コスモスが2枚あったが、こちらを選んだ。茎に当たる光がいい。左下の白い花群をカットして、絵を再構成し、バックをもう少しぼかすと見やすくなっただろう。しかしそこまでやるなら、初めから撮り直すのと同じか。

 お山の大将   NKMR-m  
 「お山の大将」、いわれてみればその通りだが、題だけ見ても写真が浮かんでこないのがしんどい。NKMRさんによるとこの鳥が姿を見せるのは夕方近くの、光が乏しくなった時間帯だという。これは何とか光が感じられる作品だという。しっぽとバックの穂が重なってしまったのがおしかった。撮るときはそこまではねー…。

 XXXX   TKHT  
 題が不明で狙いがよく分からないが、気持ちとしては、右端の自然石の灯籠と、後に並ぶ灯籠の列と2つを狙ったのだろう。結果どちらつかずになってしまった。いちばん手前の御影石の灯籠が影になっているのがしんどかった。時間を見計らって影にならないところを狙いたい。

 長い稲架掛け   KDM  
 なるほど長い。しかし、題を見てなるほど長いなと納得するわけで、画像を見て直感的に感じるわけではない。この写真、よくは分からないが、多分若干長めのレンズのような気がする。稲架はむしろ目で見たよりは圧縮されて見えるのではないか。もし長さを表現するのなら、広角で遠近感を出すべきだろう。狙いとレンズの長さとがちぐはぐだった。

 夏過ぎて  NMR
 広角でボートを左右対称に捉えた。狙いははっきりしているから分かりやすい。しかし、写真としてはそこまでで、それ以上のものが見えてこない。これをどうしたらいいのか。このあとのストーリーが見えてこない。

 壁面のポスター   HSMT
 立体的なディスプレーかと思ったが、平面の壁に描かれたものだという。旅の記録としては意味があろうが、作品とするためには、何らかのプラスワンが必要だろう。たとえば実際の人物を配してポスターとの間に意表をつく仕掛けを作るとか。

 能登川の水車  YMMT-k
 巨大水車を漫然と撮ってしまったか。水車がドーンとまん中に来て、右側のフェンスなどがそのまま写ってしまった。回りのものをもう少し整理し、大きさの対比に人物を入れたかった。

 蝶の舞  YMMT-j
 コスモスに来たアゲハチョウが空間に舞っている。何枚か撮ったうちの1枚だろうがうまくいった。拡大してみると触覚までもがはっきり写っている。デジカメならではの描写だ。フィルムではここまでキャッチすることは出来なかっただろうし、フィルムの枚数が気になって、納得するまでシャッターを切ることは出来なかった。

 堤防の朝   MRSK
 色が違う2書類の穂を組み合わせてうまく絵を作った。主役は手前左の1本。脇役が右の4本。バックは白い穂。もし可能なら、主役の穂にもっと近づいて、レンズを短く、バックを広く撮りたかった。

 晩 秋   KR
 揺れるすすきの穂をバックに、餘部鉄橋を行くローカル列車。ススキにもう少し光がほしかったが、行ったときがこれだったのだろうから仕方がない。遠征写真の難しさだ。このチャンスを逃せば、つぎの列車まで長時間待たねばならないし、そのとき晴れている保証はないし。ススキの向こうに屋根があったりするのだが、目立たないようにうまくまとめている。

 どこへ行く川蝉さん  NGC  
 飛び出したところだろうか。羽が僅かに振れて動きが感じられる。身体全体のスピード感も。ここまで来たら、あとはバックを流す”流し撮り”に挑戦だ。よりスピード感が出る。拡大してみると、後の壁の一部にしっかりピントが来ているようだ。

 眼 光  INUE
 「眼光」という題だが、写真全体を見たときは、くちばしとその上の白い部分に目がいく。近づいてよく見ると目は鋭いのだが、少し離れると目はどこにあるのかと探さなければならない。したがって”眼光”はちょっと無理だった。やっぱりこの場合は”くちばし”だったろう。頭の禿の所までカットして、顔中心にまとめると鋭さが出る。



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