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アルバム  NO.10
2009.09.27
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 夕日を受けて  INUE
 INUEさん得意のアップもの。いつもながら光と影のとらえ方がうまい。茎に出ているヒゲなど、お手の物という感じ。茎とつるの間の蕾かなにか、ここのところがちょっとあいまいになったが、分かりやすい、いい作品である。

 初秋の近江富士  ICK
 湖岸道路沿いの魚釣り場。ゴルフ場の横からこの池のふちに出ると、急に風景が広くなって目を奪われるが、三上山に向かう方向は、写真としてはシンドイ構図になる。対岸の線が横一直線になってしまい、画面が二分される。嫌なところである。今の場合、右下の手前の岸が何とかそれを避けてくれてはいるが。とにかく一工夫も二工夫もしないと絵にはなりにくい場所である。

 神 事  ND
 神主さんを先頭ににして巫女さんたちが続く。整然とした神事がきっちり捉えられている。写真としては手前の石段とバックの寝殿の暗さとのコントラストが狙いだが、もう少し広く、上の軒先あたりまで見せてもよかったか。上の御簾の線が中途半端に感じられる。

 藁取り  IMGW
 南桜にもこんな巻き藁があったのか。以前、守山バラ菖蒲園の付近で見た記憶はあるが、南桜では初めて。ということでこれは近江富士に敬意を表して、ということだろうが。どうだろうこの場合は近江富士に義理があれば仕方がないけれど、そうでないならばむしろない方が風景が広がったのではないか。今の場合、これが風景の広がりをとめているように感じられる。

 花 弁  TNK  
 桜の花のアップ。主役は中央の白い花。これだけどうして白くなったのか。ちょっと不思議。「花弁」という題で、花よりもむしろさらに小さいものに意識を持っていきたかったらしいが、この場合はちょっと無理だった。この絵では「花」が精一杯。花弁とするためには、さらなるアップが必要になる。

 xxx   MTNM-s 
 題名が不明で、狙いが分からないが、多分人物を狙ったのだろう。としたら、バックのリフトの台が強すぎて、どちらを狙ったのかわかりにくくなってしまう。たとえば草原のススキの横、青空の下をこの母子6人組が行くと絵になったんだろうが。

 水 車   KJM 
 題「水車」という題だが、一目見たときにはそれがどこにあるのか分からなかった。写真を拡大してやっと、ああこれか…。おそらく肉眼で見たときは、水車は動いているわけだし、その存在が目立ったのだろう。ところが写真として、車が止まり、影に入り込んでしまうと存在感がなくなってしまう。これが写真の難儀なところ。

 夜明け  NKMR-k 
 写真で見る限り、夕方のイメージが強いが、朝もこんな雲が出ることもあるのだろう。厚い雲の中に太陽が入って、目玉はそこからの光芒。水平線から上はドラマチックでいうことなし。問題はその下。水面の表情がもう少しほしかった。

 臼杵の石仏  SRI 
 有名な石像。頭部だけが地面に置かれた土門拳さんの写真が記憶に新しいが、今はこのように収まっているのか。そうだろうな、この顔を見ると、真正面から撮りたくなるわね。それだけきっちりほられているということだろう。金属的にも見える質感、バックも含めてうまく撮れている。

 稲刈り   MTNM-0
 なぜか分からないがスキャニングが難しかった。ピントが合っているようでぼけているようで、どうしてもコントラストが強く出て、色がなかなか合わなかった。別に無理な色でもないのだけれど。絵としてはコンバイン・右の女性ともに、もう少し中央寄りにあったら落ち着いたのだが。

 三筋の滝  YMD  
 滝はどうしても山陰になりやすく、太陽が当たる率が少ない。これなんかはよく当たっている部類にはいると思う。写真というのは難儀なもので、その半分太陽が当たっているところが邪魔になる。いったときに撮るのでなく、撮れるときに行くということだろう。どういう写真を撮るか、イメージを造る、それに合わせるには、どの時間帯に行くか。写真としては水が流れすぎたか。

 古刹の巨木   ATRS  
 太陽は左上にあって、決して悪くないのだが、木の葉によってカバーされ、木の幹には届いていない。ところどころにハイライトがあるが、力にはならなかった。重量感のある立派な木なのにおしかった。もし可能なら、レンズをもっと短くして、木の葉漏れに太陽を入れるのも手だった。

 鵜飼の女   MRKM  
 女性の鵜匠の真剣な表情がいい。フラッシュが飛んでいるようだが、舟や鵜匠までは届かず篝火の光がきいているらしい。水しぶきが流れずに止まっているのは、フラッシュによるもの。うまく雰囲気が出た。細かいことだが、右端に見える鳥の一部は余分だった。カットすると火が右へ寄りすぎるので難しいところ。

 秋の夕空  TNZK
 ポプラの上に大型ジェット機のような、火の鳥のような、鮮やかな雲。そこにだけ強い光が当たった。不思議な自然の演出である。下に低く北海道の大地を思わすような水平なシルエットを入れたのがよかった。もう少し低くてもよかったか。

 収穫前の棚田   YND
 収穫前のイネの美しさ。黄緑色が何ともいえない。しかし、写真としてみると手前のイネと奥の棚田のどちらにも気持ちが動いた。結果として足して2で割った絵になってしまった。といって、手前を捨てて奥の棚田だけで絵を造るのは難しいし、むしろレンズを出来るだけワイドにして、カメラ位置を高くとり、手前のイネと棚田との境界線を上へ上げ、遠くに棚田が見えるという絵にしたほうがよかったか。

 サギが飛ぶ   NKMR-m  
 NKMRさんのサギソウもこれで何年目かだ。さすが年をふるごとに形ができあがってくるのが分かる。手を伸ばしたようなつる?と、花とのバランスも見事。落ち着いてみられる写真になった。白をバックの構図にも挑戦中だとか、来年が楽しみである。

 夕焼け   TKHT  
 どこかしっかりした道路らしい。普通こういうところを写真に撮るのは珍しいが、この時はその向こうがきれいな夕焼けだった。街路灯に灯が入ってムードが出ている。車がライトをつけていてほしかった。もう少し右の電柱に近づくと灯りが青い空に入ってポイントになっただろう。

 光 跡   KDM  
 太陽が昇っていくらか時間がたったところらしい。まだ太陽からの光が赤みがかっているから、日の出から30分ほどだろうか。このあと湖は白っぽくなっていく。絵としては、右の一塊りのヨシ?が少し異様な感じがする。これはなかった方が絵としては落ち着く。しかし、あったんだもんなー。

 どろんこフラグ  NMR
 これは旗か何かの取り合いかな。右の男性なんか、完全に宙に浮いて、ヘッドスライディング。迫力あるなー。目に泥水入らんのかなー。向こうに応援団が写っているともっと雰囲気が盛り上がるのだが、それがいるようないないような。ちょっと淋しい感じもする。

 阿波踊り  HSMT
 みんなの手足が揃って、これはまあ当たり前だけど。ピントも見事だ。どろんこクラブと一緒で、観衆がいない、舞台の上での演技のようにも見える。写真としてはこれで文句なしだが、人間というのは贅沢なもので、どこかにブレが見えると、もっと動きを感じることが出来るのだが。

 ハスの花  YMMT-k
 何気ない写真だけど、感覚的に写真になれて来られたように感じる。光は上から来ているようだが、どちらかといえばやや左から。だから、花の左を少し広くとった。手前の花びらを少しカットしたのもうまい手だ。これを全部入れると、画面のまん中に花が一つという感じになる。一部をカットしたことで、それが救われた。単純な写真のようだけれどうまくいった。

 緑のカーテン・秋の兆し   YMMT-j
 どこかの土塀らしい。黄葉しかかったつるに、小さな赤い花が一点。ちょっと遠かった。右下にほしかった。左上の空が抜けているが、これは遠近感が感じられて正解。これがないと閉塞感だけが残っただろう。

 輝 き   MRSK
 MRSKさん独特のイメージ。一見カマキリにも見えるし、人間が踊っているようにも見える。多分朝日だと思うが、その光を受けてエッジを光らせている。太陽の下の線、土手か何からしいが、これをもう少しどちらかへ意志表示したかった。この場合は、下げた方がいいのかな。上げると太陽が窮屈になるだろう。

 小 径   KR
 石造建築が並ぶ裏通り。町全体が茶色に統一できたことが成功の原因。夫婦だろうか、三歩下がって夫の影踏まずという感じ。町中でこの高さがどうして確保できたのか。この高さのために建物の上すぼまりを防ぐことが出来た。落ち着いたいい写真である。

 つがい   TJMR
 波の明暗コントラストがきれいである。つがいということだが、後の鳥がどうも目立ってこない。うっかり見ていると一羽のように見える。光のかげんによることが第一の原因だろうが、前の鳥が作る波と、後の鳥とが一直線に重なってしまったのも原因らしい。難しいものである。

 みずから出た川蝉  NGC  
 水から上がったばかりのしぶきが飛び散って、戦闘機カワセミくん見事。鳥にだけ光が当たってバックの壁は影。右の河面の光も雰囲気がある。羽の先のぶれも見事。これからこの壁に向かって上昇できるのだろうかと心配をしたくなる。



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