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アルバム  NO.06
2009.07.26
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 水面映す   YMMT-j
 単なる水面を使った上下対称の構図はよく見るが、これはちょっと趣が違う。スイレンなどは実像である。水面に咲く花と、水面から離れて咲く花を一つの絵にまとめたところが面白い。撮影意図がはっきりと分かる写真である。漠然と撮ったのではないことがよく分かる。

 ツ タ  MRSK
 杉の木にツタが巻きついている。この紙面ではどう印刷されるか分からないが、元のプリントでは、中央の1本が明るく印象が強い。それが画面の中央にある。KDMさんは意図して中央に置いたのかも知れない。それは一理あるのだが、ちょっと奥にへこんだのが絵を弱くした。

 中尊寺  KR
 芭蕉の句にひかれて、中尊寺へ行けば必ず撮る構図、いわゆる旅行写真の目玉である。旅先ではつい有名なところに目がいくものだが、もうちょっと目を周囲に巡らせてみる。たとえばこの場合、左の杉の木に当たる光は写真向きだ。

 脱 皮    TJMR
 メールで送られてきて、「希望が丘公園の森の中での一シーンです。蛾のような蝶の脱皮の一こまです」という。大きさがよく分からないが、そう大きなものではなさそう。ピントも浅いらしくて、手前の葉の先にはきっちり来ているが、虫にはちょっとはずれている。暗かったのかも知れないが、もう少し絞りたかった。ひょっとしてオートで撮ったのかも知れないが、このような特殊な対象の場合は、絞りの価に注意したい。 

 奥の花に光さす  NGC  
 蓮の花。たいがいの場合、バックに苦労するのだが、これはまわりが黒くつぶれた。題が解説になっているが、これは何か囲まれて、奥まった位置にあったのか。そこにうまいこと日が射した。ピントもきっちり来ている。右上の茎のハイライトだけが余分だった。

 水 玉  INUE
 蓮の葉っぱか、ズイキの葉っぱかよく分からないが、水玉がきれいだ。それが葉脈に沿って放射状に並ぶのは、それなりの見所でもあるが、残念ながらそこまでというところ。これはやっぱりカエルを連れて行くことかな。

 今日の初投  ICK
 三上山を撮りに行ったら、網を打っている人がいた、というところか。人物を狙ったら、たまたま三上山があったのではないだろう。まわりにいろんな邪魔物があろうから、簡単には言えないが、この場合は、もう少し左へ回り込んで、人物と山を左右入れ替えたかった。なぜなら、このままではお互い反対を向いて、絵がまとまらない。

 足伏走馬  ND
 祭りの1シーン。若干長めのレンズで手際よくまとめた。カメラが傾きかげんだが、この場合は、むしろそれが成功した。来年は、もう少し遅めのシャッターを設定して、ぶらす部分を作るとスピード感が出るだろう。 

 誕 生  IMGW
 脱皮したばかりの透き通るようなセミ。セミの白さは、最初はフラッシュが飛んだのかと思ったが、そうではないらしい。実物がこういう色だったのだろう。ピントもきっちり撮れている。標本写真としては、カメラが少し左へ回って、背中部分、左側の羽が見えた方がよかったとも思う。写真としては、左側の白ぼけが気になる。

 桜爛漫  TNK  
 広角レンズで桜の古木と太陽を組み合わせた。実際の木の大きさはわかりにくいが、手前を大きく撮ることによって、かなりの巨木のような雰囲気になった。面白い写真である。原版では木の暗い部分のニュアンスが出ているが、このプリントではそれが出るかどうか。
  こういう場合は、カメラのちょっとした位置の変化で、太陽の位置が変わる。左の幹に太陽を持っていくのも一案。撮ってあるかもしれないが。

 お田植祭  MTNM-s 
 御上神社のお田植祭。たくさんの人だから、カメラは自由には動けないのだろう。前で演技している女性2人とバックの男性のバランスを考えたのだろうか。この場合は、後の男性は前の女性に隠すなりして、前の女性と菅笠の円で絵を作るとよかったか。絵の要素を少なくするように考えたい。

 ハ ス  KJM 
 カメラをやや低く構えて、対岸のいろいろなものを隠して、三上山だけを覗かせた。その意図は理解できる。その結果、花と葉っぱの部分と、空の部分とが二分された。一つの問題点を解決しようとすると別の問題点が生じてくる。写真というのは、その繰り返しかも知れない。

 枯   NKMR-k
 大台ヶ原だという。光が乏しく、木の表面に表情がないのだが、これは行ったときがこの状態だったので仕方がない。遠征写真の苦しさである。ということで、こういう場合は木の組み合わせが勝負になる。構図だけで考えてみると、右の枝を左右に伸ばした太い木が主で、左の湾曲した細い木が従だろう。その間にぬーと立っている棒のような木が不気味だ。

 木漏れ日の中のアジサイ   SRI
 花に当たる木漏れ日をうまく捉えた。花の形に味がないのと、白と青とが重なっているのが気になるが、花そのものはうまくいった。この画面だけでいえば、左上の茶色の3つ並んだ点をカットするとかなりよくなる。

  三井寺   MTNM-0
 お寺の木組みの面白さ。MTNMさんらしい着目点だ。屋根裏の暗いところだと思うが、下からの反射があったのだろう。こういう場所では、うっかりするとカメラが勝手にフラッシュを飛ばす。オートフラッシュはOFFにしておく。この場合は飛んでおらずOK。小さいことだけど、左上の組木の先端が切れているのがおしい。

 細 滝  YMD  
 滝の水の色がいい。まさに水色。それはいいのだが、こういうところはたいがい暗い場所だ、それにしては画面が少し明るすぎる感じ。仕上げの段階で明るく処理したのか、全体で暗いところでカメラがオーバー気味に撮ったのか。それとも軽いフラッシュが飛んだのか。左右の葉を押さえて(焼き込んでアンダーにして)、水を際だたせるといい写真になる。

 アジサイ   ATRS  
 アジサイということだが、狙いは奥にいるカミキリムシ。と考えてみると向きが逆だった。向こう側から撮りたかったんだが、撮れなかったんだろう。結果として、狙いも題も中途半端になった。残念!。

 春 暁   MRKM
 久しぶりで琵琶湖ものだ。きれいな朝日と手前の木。要素は単純だから、木と朝日の組み合わせ方が問題になる。このままだと画面の左3分の1がやや手持ちぶさた。太陽をもう少し左へ。しかしうっかりすると、今度はそれがど真ん中へ来てしまう。足場の自由がきけば、左右に動いてみて、木と太陽の組み合わせをいろいろ変えてみる。それをやって迷った結果のこの位置だろうとは思うが。

 夏の涼花  TNZK
 ネムの花に木漏れ日が当たって、それが暗部をバックにほんのりと…。余韻を感じるこの雰囲気がいい。画面左上の葉と白い抜けの強いコントラストもいい。左上から右下へ降りてくる細かい葉っぱを処理したかったが、どう考えても無理だろう。これは仕方ないか。いちばん左の花のすぐ上の白抜けだけは処理したかった。

 古 道  YND
 どこか分からないが、一見熊野古道を思わす。暗い杉林に向こうから光が当たって、なかなかいい雰囲気だ。露出した根っこもポイントになっている。遠くに登山者の姿があれば、生きたかな。
 影の様子から見て、太陽はそう高くはない。別の発想で、もっとワイドにしてカメラを上へ振って、太陽を入れる手もあった。

 湖畔の夕日   NKMR-m  
 沈み行く夕日。誰でもカメラを向けたくなる一瞬だ。この場合はレンズの長さとカメラの高さが問題になる。たとえば太陽を大きくしようとすると、レンズが長くなる。うっかりすると水平線が画面のまん中に来る。それを避けるには、カメラの位置を下げる。人の姿から見て、太陽と人間は逆の方がいい。

 初夏の八幡堀   KDM  
 「八幡堀」と一般的な題がついたが、狙いは両岸の黄色い花ではなかったか。ひょっとして、上下対称にならないように、気を遣ったのかなというふしも見られるが、この場合は、絵に奥行きがあるから大丈夫だろう。左の緑の茂みは余り魅力がないから、黄色の花を中心に持っていった方がよかっただろう。いずれにしても、画面上端に点々と見える白壁はカットしておきたい。

 三色の輝き  NMR
 三色の組み合わせを狙って、あえて横に細長く切ったのか。しゃれた試みだが、この場合はそこまでしなくても。中央の白が主役で、右の黄色が従。左の赤は従の従。そう考えると、白の端でカットした方が落ち着く。結果、相対的にバックの黒が大きくはなるが、丸つぶれではないから、持ちこたえられるだろう。

 見たこともない花  KWMT
 無責任な題だけど、確かに私も見たことない。蜘蛛の糸のようなものは、人工的なようにも見えるが、そんなヒマなことをやる人がいるとも思えないし。白い花びらがどこから出てきているのかも分からない。
 写真としては、ピントもまあまあというところ。葉っぱのテカリが若干気にはなる。

 初夏の嵯峨鳥居本  HSMT
 左上の屋根の不自然なカット、何か意味があってのことだろう。バックは杉林のようだから、全部出しても(屋根を)よかったような気もするが、うっかり出すと杉がなくて、三角の白飛びになったのだろうか。いずれにしてもそこのところを無理にしているようで気になる。

 左甚五郎の龍  YMMT-k
 これは屋内か屋外かよく分からないが、全体は暗い場所だったのだろう。意識して飛ばしたのか、自動で飛んだのかは分からないが、フラッシュが飛んでいる。こういう彫り物に、フラッシュを飛ばすと、彫り物の立体感がなくなる。暗いところだと三脚をつけて、絞り優先でしっかり絞り込んで…、という段取りになる。



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