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付録:分水嶺総集編

北周りA・大山川流域

初稿UP:2022.02.25

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地図N01.大山川流域分水嶺
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  地図の上で野洲川流域分水嶺をたどり、そこを越える峠を順に訪ねてみることを始めたのが2012年12月だった。それ始めるに当たって、その分水嶺に目を通し、峠のおよその数を勘定はした。しかしその大部分はまだ見ぬものばかり。何年かかるやら見当もつかなかった。2021年4月、とりあえず一周することができた。自分でやったことを振り返ってみて、分水嶺そのものの地図がその場その場に分散し、自分自身が振り返ってみて、それらがどこに挿入されているのか、それを見つけ出すのが困難なことに気がついた。それを解決する意味で、規格を統一した地図で、尋ね歩いた峠をまとめてみることとした。
  分水嶺の出発点は、建設省近畿地方建設局琵琶湖工事事務所編『野洲川改修計画概要』(S58.5)所載、野洲川流域図に倣って、国道8号、野洲川大橋北東詰とした。当初、この出発点の意味すら分からなかった。これより下流はどうなるのかと心配していた。

  大山川は希望が丘文化公園東ゲート奥の山地を水源として、名神高速道路沿いを流れ下り、菩提寺PA近くの大山池に注いだ後、三上山と菩提寺山の間の農地を流れ下って、国道8号、野洲川大橋のすぐ上流で野洲川に注いでいる。もし、この流入点が野洲川大橋より下流にあったとしたなら、野洲川大橋を分水嶺の出発点とすることは成り立たなかったことになる。

東光寺越え(写真・下)
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  花緑(かりょく)公園から妙光寺へ越える峠である。”東光寺越え”という名称は、その昔このあたりにあったという古寺の名に因む。峠からは、野洲市街地を前景に、遠く比叡山、その下に細く光る琵琶湖が見える。
  そのあと分水嶺は花緑公園の北辺を半周して、県道325号を越える。それが”西ゲート越"である。次の”梅林越”は花緑公園から、希望が丘へ抜ける遊歩道(画面奥が希望が丘)。横にある梅林に因んだ名称。そのあと、天山山中に入り、中腹を通る稜線を経由して希望が丘南ゲートへと向かう(天山山頂は通らない)。

写真拡大  南ゲート越(写真・右)

  希望が丘文化公園南ゲート駐車場である。ここから南に位置する菩提寺の里からここまで”甲賀坂”と称する道があった。もう1枚おまけ。現在の県道27号菩提寺からみどりの村・サイドタウンを経由して希望が丘南ゲートへ通じる道である。右の写真の駐車場がちょうど峠(南ゲート越)になっている。駐車場から甲賀坂を振り返ったところ。稜線を歩いてきた立場からすると、峠は坂を下った鞍部になっている。


中央道越え(地図・左)
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  ”中央道”といっても、高速道路ではない。希望が丘の西ゲートと東ゲートを結ぶ公園の中心的な道路のことである。両ゲート間の距離は3.5Kmほど。西ゲートからは家棟川沿いのだらだら上り、ほとんど直線で2.1Kmほどで峠に達する。そこが”中央道越”である。家棟川は峠の手前で左へ折れる。次に流れが現れるのは峠を越えた向こう側、大山川が左から下ってくるところ。家棟川と別れてから180mほどの距離である。両者間の距離は想像以上に近く、生れて初めて、実際の分水嶺をこの目で見た思いだった。中央道越(標高194m)を越える2人越えた2人

  東ゲート越え(写真・下)
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  道が上り坂になり駐車場が見えてくる。上り切ったところが”東ゲート越え”である。最高点に道路を横断する線が見える。さすが文化公園、分水嶺を示したものだろう。横に標識があって何か書いてある。しめしめ、喜び勇んで見に行ったら・・・。要するに500mごとに道路にこのマークがつけられているという。分水嶺とは何の関係もない、いわば現代版一里塚。
  いわゆる東ゲートは、この分水嶺を少し下って、青年の城への道を右へ分ける。その分岐を越えてさらに20mほど下ったところである。
  さてこのあたりが大山川の源流に当たる。分水嶺が子犬を横から見た形を示している。その子犬のお尻に当たるあたり。初めて入り込んだ山道に途惑った。レポートを書いている本人が分からない話である。せめて写真だけなりとぜひご覧いただきたい。

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八重谷越(写真・右)

  以上で分水嶺は、希望が丘ゾーンを抜けて名神高速道路の南側へ出る。感覚的に別の流域へ出たように感じるが、峠(八重谷越え、湖南市と竜王町の市町境)までは大山川流域である。峠の北側(竜王町側)は善光寺川流域(日野川流域)である。
  このあと分水嶺は、十二坊連山への上りにかかる。



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