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地図703.細道越え 要所拡大地図(国土地理院Webマップ) 日野越えからさらに県道178号を日野の方へ進むと、「日野町中山→」と表示がある交差点に至る。「日野町中山」という交差点ではない。「日野町中山はあちらですよ」という交差点である。いわゆる旧道は集落の中を通っていたのだろうが、バイパスは文字通りそばを通り抜けた。当然四方には何もないという交差点が出現した。 11.細道越え 写真721.「日野町中山→」 「日野町中山→」交差点。日野町方を見たところである。左方に中山集落がある。右へ分かれて県道180号が市町境へ向かう。車が走っている写真を2枚撮っていたが、うかつなことにその場で確認をしなかった。その2枚は信号灯が消えて写っていた。LEDに変わってから要注意、教室でも現場での確認を呼び掛けているのに、大失敗。ということでかろうじて点っていた1枚。クルマなし。 写真722.県道180号 交差点を右折。細い道である。それは地図でわかっていたこと。蒲生GCの標識はあるが、車が来る雰囲気ではないから大したことではないだろう。 写真723.蒲生GC 交差点から1.4Km、途中、農作業の軽トラが1台止まっていただけだった。そうしてちょっとした広場へ出た。道は細くなってまっすぐ続いている。左にゲートがあって「私有地につき、通り抜けお断りします」とあり、その右に蒲生GCの標識もある。ああここが標識にあった蒲生GC・・・。私有地につき云々はよくある話なので、ああそうかと気にもとめなかった。 写真724.細道越え それよりもまっすぐ伸びている細い道には、木の葉に隠れて「甲賀市」の標識が立っている。間違いない、ここが「細道越え」そのものなのだ。右上に県道180号の表示が小さく見える。何かの裏らしい。ズボラな標識だ。表へ回ってみると「日野町」とあった。間違いない。対向車もきそうにないから、ここを通り抜けようかとも思ったが、エエ年してと笑われそう。やめた。 12.R307越え 地図731.R307越え 関係地図(国土地理院Webマップ) 「日野越え」から南東に向って市町境が伸びる。日野水口丘陵を横切っていく形だが、ゴルフ場が点在し、素人の私などが地図上で分水嶺をたどること自体不可能である。たとえば、地図の上では「細道越え」から「R307越え」までしっかりした道でつながっているが、実際にはゴルフ場の敷地とかで通り抜けはできない。 地図732.R307越え 要所拡大地図(国土地理院Webマップ) 地図で見るように大小の池が点在する。その中でひときわ目立つのが国道307号沿いの細長い池である。農業用水で地元では名前はあるのだろうが、私が調べた範囲では地図上では無名。ここで取り扱うためにはそれでは困るので、とりあえず「三日月池」としておく。私のイメージでは薄い凸凹レンズの断面を想起するので、「レンズ池」としようかと思ったが、一般的でないような気がしたので止めにした。 a. 地図上の位置 写真731.市町境 国道307号の甲賀市・蒲生郡日野町の市町境である。右端に見える裏向けの標識には言うまでもなく「甲賀市」とある。左側から市町境をたどってきた道路が下ってくる。画面右外は三日月池の南西端である。通行量も多くその上歩道がないので撮影には気を使う。これも道端の溝をまたいでの撮影である。 写真732.三日月池 三日月池は北東から南西に長く、その長さは220mほどである。北東端にクルマが2台ほどでいっぱいになる空き地がある。そこから市町境付近を見たもの。池の突き当りに市町境の標識が見える。そこが上の写真の場所である。 写真733.市町境(日野町側から) 三日月池の南西端あたり。市町境の手前から水口町方面を見たところ。左へカーブしながら下りになる。国道には歩道がなく、三日月池側にはガードレール。池畔にはネットが続く。撮る場所も対象物も難儀な場所である。 写真734.市町境もう1枚 甲賀市の標識の下に機械小屋が見える。ただし、標識は手前、小屋はその奥池のはずれである。その小屋の裏で道の反対側に「冠水注意」の立て看板がたっていた。なんでこんな分水嶺ともいえる場所で冠水なのか。不思議に思ってメモ代わりに1枚撮ってきた。その立て看板である。機械小屋の反対側であるから、右側の交通標識のそばに見える白いものがそれらしい。”それらしい”では話が進まないから、その部分をアップしてみた。「水」の字が見えるからまちがいはないだろう。 写真735.尾根道へ R307越え。手前が国道307号。そこへT字路様に下ってくる道である。尾根道へというと大げさだが、上の高台に開けた住宅地への連絡路でもある。90度、食い違った方向から見ると道の勾配が分かる。みちの両側は木が生い茂り穴倉に入っていく雰囲気である。 写真736.住宅地への道 勾配を上り切ると、森の中を行く穏やかな道になる。クルマの数も少なく、私が知る限り、人通りは皆無であった。といってもわずかな時間ではあるが。 写真737.入り口の坂の上から 引き返して、入り口の坂の上に立つ。穴の向こうに国道が走り、その向こうに三日月池が見える。さらにその向こうを近江鉄道が走っているが線路は見えない。電車が走れば見えるはずだが、よほどしっかり計画を立てないと電車を見ることは難しい。 写真738.流出口 三日月池の水口側(思川流域)への流出口である。上の写真734で甲賀市の標識と機械小屋が妙な重なり方をしている。その左の交通標識のポールとネットの上端線とが交わるところで堤防が切れて橋が架かっている。もう1枚、写真733にも見えている。その部分のアップ。左の写真はその流出口を外から見たところである。これから分かるように池の水は間違いなく水口側(思川流域)へ流れ出ている。 地図733.三日月池 要所拡大地図(Google Map縮尺変更不可) その流出口を左の地図に示した。三日月池の南西端、国道と近江鉄道線路に挟まれたところである。 写真739.電車が行く 国道から見て三日月池の反対側の農地へ回る。軽トラ1台の砂利道を下っていたとき、林の奥からカタカタン、カタカタンと軽い電車の響きが聞こえてくる。貴生川行きの電車が走り去っていく。時計を見ると50分過ぎ。確か水口松尾駅(今の場所から2Km余り下流側)の発車時刻が毎時54分だったはず、と考えると大体理屈合っている。対向してくる電車がもう1本来るはずだが、その時刻は覚えていない。あと1時間か。ここで待つのはつらいなー。 写真740.踏切の跡 踏切の跡につく。線路の向こうが先刻車をおいていた場所である。渡れば2,3秒のところをぐるーっと迂回をしてきたというわけ。車をおいた場所からは池が見えたが、ここへ来るともう見えない。不思議な場所である。 写真741.国道が見える 山影の国道を走るクルマが見える。電車のレールもわずかに見える。でも池は見えない。画面を拡大してしっかり見れば画面左端あたり、ネットの向こうに見えることは見えるのだが、ミドリの中で緑を映しているのでまさに保護色、一切見えないのと同じである。 写真742.細い川 さて水口側には流出口があり調節小屋もあるが、こちら側にはない。田んぼのふちをよく見ると、線路(といっても線路が見えるわけではないが)との間に細い川が流れている。流れの方向から見たのでかろうじて見えたが、これと直角方向では見逃しただろう。さて水はどちらへ流れているか。 写真743.流れない川 近づいてみると、?、どう見ても水は流れていない。U字溝がぬっと突き出てきて、そこからちょろちょろと水が垂れている。どう考えても池から流れてきたとは思えない。その奥にわずかに線路が見える。もっともこの場合、電車とは何の関係もないことだが。この写真を撮ってそのまま帰ってきた。 写真744.三日月池源流 市町境にある三日月池。その池のさらに上流があった。はっきりした山岳地帯ではないから、等高線を読むこと自体簡単な話ではない。しかし今の電子地図はポイントをクリックすると標高が読める。測ってみると間違いなくP池の方が10mほど高い。間違いなくP池から三日月池に向かって水が流れ込んでいるはず。 b. 実際の峠 写真745.上りが見える 国道307号、三日月池を右に見て走っている。カメラの後ろが水口。前方(画面奥)が日野方面である。道路は水平。と簡単にいうけれども実際水平に見えるかどうか。幸いこの部分については客観的な補助データが準備できた。対岸からの写真である。田んぼが高くなっているところからカメラの水平に注意して撮影した。私自身カメラの水平保持には苦労した。どうしてもカメラが傾くのである。さいわい今使っているオリンパスE4には内蔵水準器がセットされている。こういう場合は助かる。 写真746.T字路 上り切ってT字路から振り返ったところである。白い軽が坂を下っていく。右の林の陰のところから水平になる。黄色の中央線が国道。左へ分岐して下迫にいたる。 写真747.「下迫→」交差点から下迫→交差点を過ぎて道は水平。右へカーブしていく。 写真748.直線道路 天理教会前の直線道路である。上の写真747のカーブを曲がり切ったところである。右に半分だけ見えているのが道端に止めた私のクルマである。その後ろから撮ったのが左の写真。現場で見た範囲では水平だったが、写真にしたとき水平に見えるかどうか。電柱を基準としたアリバイ写真である。もっとも電柱が鉛直に立っているとしての話だが。 写真749.蚊に食われたような 天理教会前の直線道路である。上の写真では突き当りのところがはっきりしないので、反対側へ出た。まっすぐ進んだ道が最後のところで蚊に食われたようにちょっとだけ膨れているのがお分かりいただけるだろうか。ちょうど軽が走っているところである。その前のクルマはコブを通り越して勾配を下りにかかっている。とってつけたようなこのコブが気になるのである。 写真750.日野側から で、この部分を反対側の日野側から見なおしてみよう。といっても、あいかわらずの道の写真だけれども。この道を下りといわれるとガクッと来る。見て分かる通り登坂車線付の上りである。登坂車線の外にもう1本余分があるのでそこへ車を止めた。 写真751.三角点のピーク 並木の外に細い道があったのでそこへ出る。水平と見間違えた道路をトラックがライトをつけて下ってくる。ライト見えるかな。並木の木と右側の民家との間だけど。今の場合それはいいとして、見てほしいのは正面の小山。地理院地図で207.4mの三角点があるピークである。 写真752.蒲生GC入り口 その三角点のすぐ下にちょっとしたT字路があって、そこを右折すると蒲生GC入り口とある。裏口は前項「細道越え」で追い返されたところ。こちらは畏れ多くも正門である。その入り口に立って下の国道を見る。長いトラックが日野へ向かって下っていく。決して水平ではない。 写真753.例のコブを裏側から 写真749で見た蚊に食われたコブである。それを反対側から見ているわけ。749で下り坂の向こうに見えていた森がゴルフ場入り口の森だったことになる。このゴルフ場から見て国道と反対側の207mのコブとを考えると、国道の部分は切通しになっているが、それ以前は尾根が続き、その尾根こそが実際の分水嶺だったのではないかと考えられる。 地図734.R307峠付近地図(国土地理院Webマップ) 本稿では最初国道307号の峠を三日月池畔の市町境としたが、実際の道路を走ってみると天理教会前、地図でA点からB点まで約400m続く直線道路の標高が最も高い。上では207mのピークと、B点近くのほんのちょっとしたコブへのこだわりとから、そのコブを分水嶺と考えたが、実際はピークが必ずしも分水嶺の通過点とは限らない。そういうことを考えて、要するにAB点間のどこかが分水嶺だったのだろう。たとえば、307号と天理教会の建物の間、現在は広い平地(手前に点々と見える柵の手前が307号)だが、一つの小山だったものを切り開いたようにも見える。
c. 近江鉄道・清水山トンネル小記 写真754.電車が来た さて日野・水口間の近江鉄道はほとんど国道307号と並走している。しかし峠越え付近では忽然と姿を消す。左の写真は日野方面からやってきて一旦雲隠れし、再び姿を現したところである(電車は画面奥へ。水口へ向かう電車を後ろから見ている)。どうなっているのかと地図を見ると天理教会あたりの下をトンネルで抜けてきている。 写真755.広い山間農地 トンネルの北側、国道307峠の日野側への下り口付近。農道から日野方面を見たところである。田んぼの中を架空線の支柱が2本ずつ並んでいるのが見える。と書いても絶対に見えない。ここまで伸ばせば何とか見える。しかしその意味が分かってもらえるかどうか。そこを電車が走っているとわかっている人だけが、ああ電車の・・・と分かるぐらいのものだろう。と、こんなわけのわからないとをいくら書いていても仕方がない。現場へ急ごう。 写真756.踏切へ 早い話が、電車は田んぼの谷底を走っているのである。国道からはその谷底まで下らなければならない。といって国道から谷底が見えるわけではない。これはかなり下ったところから踏切を見たところである。踏切を一番低い田んぼまでまたこれだけ上りかえすわけ。 写真757.谷底を走る 上で見てもらった写真755 , 写真755Aの種明かしである。まあとにかくこんな田んぼより低い谷底を走る鉄道線路は見たことない。目測だけど田んぼの面より数mは低い。鉄道を掘り下げたのか、田んぼをかさ上げしたのか。私にはその過程を読み解く能力はない。 写真758.田んぼから見下ろす 地図で見るように踏切から見て、トンネルへは少し右へカーブしてあと直進するその奥だ。だから踏切を通り越して数m進んだところでトンネルの入り口が見えるだろうと読んでいた。しかし実際には写真756に見るように木が密集していて見通しゼロ。奥を少しでも見通せるようにということで、写真756の画面左上の田んぼへ上ることにした。池の向こうの農道を下り踏切を越えて上り返して畦道伝いにやってきたところ。 写真759.谷底を走る 貴生川行きの電車が谷底を走ってくるところ(画面奥が日野方面)。山沿いの住宅が国道沿いの曙団地。その手前を国道が走る。別所の踏切を渡ってからここまで登り一方である。田んぼも道路に沿って標高を上げてくる。鉄道は水平か上りか。勾配標識がないかと探したが見当たらなかった。こうしてみると、掘り進んだとすると幅に余裕があり過ぎる。自然にこんな地形はできないだろうし、やっぱり田んぼを積み上げたのか。しかしなんでそんなしんどいことをやったのか。 写真760.国道を見る 田んぼのふちから国道の峠付近を見たところ。真ん中の白塗りの2階建て、その手前が国道。対向車が正面衝突しそうに見える。その左草つきの土手のそばを農道下ってくる。これが先ほど下ってきた道。下り切ったところあたりから撮ったのが写真755。池の向こうの側面が茶色の田んぼ、そのあたりが現在地とほぼ同じ高さか。手前に電車の架空線が見える。 写真761.トンネルを抜けて 踏切御警報機が鳴りだして、切通しの向こうから黄色い電車がやってくる。こうしてみると雑草の背が高いから、左の木がなくても下からの撮影は無理だったろう。遠くにトンネルの出口が見えるという構図はアウトだったが、初めて現場へきてこの場所が見つかったのだからまあヨシとするか。1枚おまけ(踏切通過)。 国道307号を横切る市町境は、いわゆる三日月池の南西端(水口寄り)付近である。一方、三日月池へは北東側、いわゆるP池からの水が流れ込む。明らかにP池は野洲川流域ということになる。さらに三日月池畔のから天理教会前にいたるためには上りを経なければならない。そして蒲生GC正門付近のコブを最高点として日野川流域へ流れ下る。 |
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