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アルバム  NO.20
2010.03.14
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 残 雪   MRKM  
 ここからの棚田は何度か見せてもらった。しかし、今の場合棚田というよりは、さらに単純化されて、白い田圃に黒い曲線というイメージ。後の林の影が手前の雪を青く色づけた。これが絵に変化をもたらした。うまくいった。雪解けの黒い部分、これをしっかり捉えた方がよかっただろう。

 雨上がり  TNZK  
 何かの赤い実に雨上がりのしずくがきれいに光っている。印刷にしてしまうとその表情がどこまで出るか心許ないが、紙焼きでは見事だ。バックのぼけもうまくいった。右側のタテぼけは邪魔な気がするが、カットすると絵が詰まる。これがちょっと苦しいところか。

 ぜいご  YND
 最初はファスナーの一部かと思った。右を下にして見ると出っ腹のおっちゃんのジャンパー姿に見える。が、実はこれ腹はハラでも魚の腹の一部だとか。トリミングしたらしくてピントが若干甘いのがシンドイが、初めからその気で撮っていたら、面白い写真になっただろう。

 なごみ  HYS
 こういう場合、湖面の反映と人物を合わせたくなるものだが、それを避けて太陽はあくまで従にした。ということで題が「なごみ」、なるほど。彫塑のモデルになりそうな立っている子供のシルエットがいい。沖に連なるブイが折れ曲がって親子の所へ戻ってくるのがきいた。いい写真だ。

 湖岸の夕陽   NKMR-m  
 山の端に沈み行く太陽を前に三脚を立てた2人。このシルエットがきいた。これがなかったら、「ああ、そうですか」というただの写真になっただろう。ところがこの2人、そこそこのチャンスだと思うのに、割にのんびりしている。レリースを握るか何かの緊迫感があったら、さらによくなった。

 お昼寝   TKHT  
 これは何じゃ、得体の知れないものを突きつけられて最初は驚いたが、どうやらフラミンゴが昼寝をしているところらしい。立っているところしか知らなかったから驚いた。そうか、寝るとしたら首も足も邪魔だわなー。しかし、これホンマに生きてるの?。

 電車待ち   KTD  
 電車待ちの高校生。部活帰りらしく大きなバッグをかけて、ややうつむき加減。この表情が現代の高校生を見事に映し出している。少なくとも半世紀前の学生には絶対なかった姿である。オートでうっかり撮るとピントが後へ抜けてしまうケースだがうまくいった。丸柱2本と高校生との間に電柱が写っている。これが処理できていたら・・。

 風と遊ぶ  TJ
 琵琶湖に白波がたって、これは寒いぞ。水が何となく濁った感じ。空の雲を反映したのかと思ったが、沖の方は青い。ということは、ここが河口に近いのか。川から濁水が流れ込んでいるのだろう。沖の防波堤もしんどい。寒い中苦労したが基本的に場所が悪かった。

 冬の湖面   KDM  
 何となくモネの絵を見るような雰囲気がある。バックの稜線がどういう状態だったか分からないが、多分中央部は画面ギリギリだったのではないか。上からの光がゴースト風ににじんできているような。それが画面の生彩間を欠くことになった。左手でレンズの前をカバーするとこのにじみが消えることがある。

 窯元に眠る   NMR
 暗い物置か展示場か、無造作に積み上げられた陶器を下からアップした。陶器に映る窓の明かりがほのかな光を感じさせる。これが商品として生かされるときが来るのか。器そのものもだが、それを作った陶工の思い、いろんなことを感じさせる写真である。

 風の盆幻想  HSMT
 小説のタイトルのような題がついた。舞台の上でのおどりらしい。後のぼんぼりのリズムと、踊る人のリズムとが一致しては安定した。画像処理の問題なのかよくは分からないが、赤がべたっとつぶれた(色が飽和した感じ)のが気になる。

 御上神社本殿  YMMT-k
 野洲文化財めぐりも佳境に入った。太陽が自分の右後ろにある。そのため、拝殿の側面と正面が同じ明るさになった。正面の火袋をのせた灯籠の足も正面・側面が見えているのだが、ほとんど同じ明るさで区別がつかない。このタイミングだったら、左へ回って撮った方がよかったか。

 雪化粧  YMMT-j
 地蔵さんも木も雪をつけて、線画のような風景になった。漠然と「雪化粧」という題がついたが、木と地蔵さんとどちらを意識したのだろうか。私はこの場合だと木をメインにしたい。幹についていえば、黒い線は左が細く右が太い。幹の立体感を表現しようとすればこちらだし、線画として表現しようとすれば、もう少し左へ回ってみたかった。さてどちらか。

 マンサク   MRSK
 マンサクの新しい花と去年の葉っぱと。逆光で透けるような葉っぱとエッジの白い線。花よりはどちらかいうと葉っぱをメインにした。それ自体は成功した。問題はバックの空、これがしんどかった。目の高さで見上げたアングルだったようだ。何とか高さを変えて解決してほしかった。

 ハイウエー   KR
 ハイウエーと荒涼たる斜面。日本にはない風景である。気持ちは分かるが、残念ながら画面が2つに分かれてしまった。山肌が主なら、手前の車を隠すぐらいでカットして上を生かすべきだし、ハイウエーを主とするなら、下だけということになるだろう。いずれにしてもここで両方は無理だった。

 日向風   TJMR
 題の意味が分かりにくいが、この写真の魅力は後のボケの流動感だと思う。花が動くわけがないから、流し撮りではないはず。どうしてこの感じが出たのかはよく分からないが、風に逆らって走るような上下のボケの線が魅力的だ。題はそれを意味するのかな。

 滑 走   NGC  
 シャッターを遅くして羽をぶらした。NGCさん新境地である。そのときの明るさに応じて、狙うシャッタースピードにもって行くには、絞りだけでは無理な時もあるだろう。感度まで変えてということになるはずで、その設定を勘案しながら、寒い中で鳥が動いてくれるのを待つ。いやいや頭が下がります。羽の動き、蹴り上げた水のはね。それでいて頭部の止まり。見事である。題の「滑走」はちょっとどうかな。「力走」のほうが…。

 威風堂々  INUE
 魅力のある樹氷をバックに回して黒い幹をドーント正面にもってきた。それはそれで一つの考え方だ。陽が当たる面は木肌が乾いて、陰にはまだ雪が残っている。自然の摂理である。枝々の雪もすぐに解けるのだろう。幹を左側面と合わせて並行にもってきたのは意識してのことだろうか。むしろ傾けた方が見上げる感じが出たのではないか。

 田舎の初夏  ICK
 地蔵さんはいいのだが、その奥のクリーム色の倉庫が何ともはやというところ。柿の葉っぱで隠して、涙ぐましい努力。できれば三上山もというところらしいが、これは無理だった。山はあきらめて地蔵さんだけで絵を作った方がうまくいく。

 さあ出陣  ND
 長門 裕之に似たおっちゃんが愛馬とともにいざ出陣というところ。 裕之さんと馬の面にぴしゃりとピントが来て、さほど距離感がない左の人物はぼけている。望遠の効果だろう。ただ、ぼけているとはいえ、絵としては裕之さんと馬だけでいいわけで、左はちょっと見せるぐらいまでで押さえた方が。

 新雪の丘  IMGW
 実際に丘かどうかは別にして新雪の「丘」はこの木にふさわしい。画面左外に太陽があって、雪の面にブルーの影がいい。それはいいのだが、縦位置で狙うとして、木の根っこの線はもう少し下げたい。カメラが下がるとバックの黒い山も下がる。遠くの木の半分ぐらいまで。

 春一輪  MTOK
 左上のつぼみにピントが来て、花には少しずれたようだ。花が近すぎて、カメラが苦しかったのだろう。ピントのことに目をつぶれば、全体としてはいい写真だ。まさに春一輪。バックを含めた全体の色調の統一感がいい。中央部のほの明るいぼけが春の明るさを感じさせる。

 竹生島に沈む  TNK  
 湖北の落日定番。ほとんどの人が望遠で狙うところをワイドで狙った。太陽がまだ高くけっこう強いから望遠は無理だったのかも知れないが、これはこれで一つの選択であった。ただし、太陽、竹生島がど真ん中に来てしまったのはしんどかった。もう少しレンズを長くして、左右の木は捨ててもよかったか。手前の黒くつぶれた部分は不要だから、カメラは上へ振って。

 春を待つ   KJM 
 冬の八幡堀。提灯をつけた船が手持ちぶさた。望遠レンズをうまく使った。4艘の船の並び具合とレンズの選択とがぴしゃりとあった。光の加減から見ると日中らしいが、夕方を思わす赤みがかった光が効果を上げた。画面上部はもう少し整理してもいいかとは思うが、全体としていい写真である。

 西の湖  NKMR-k 
 裸の木についた雪が印象的。もうちょっと残っていてくれたらとは思うがそれは仕方がないこと。さて問題はここから。この雪を見つけて、よしこれやで、道路に立ったままシャッターを切ったのではないか。せっかくのヨシ原だから、水平線に意志を持たせてほしかった。この木に対して、水平線をどこに置くか、この意志の有無によって写真が変わる。

 赤・もみじ  SRI 
 よくあるモミジの葉っぱもの。バックのボケはよかったが肝心の葉っぱの生気が乏しかった。多分曇り空だったのだろう。斜めの光がきっちり当たっていたら、いい写真になっていただろう。ということことで、あと何か一つ力のあるものをプラスしたかった。いちばん力があるのは光だけど。

 樹氷(八甲田山)   MTNM-0
 雪がだいぶ踏まれているから観光地だろうけれど、こんなに雪が積もるのか。背の高い怪物は作り物だろうな。横からの光でいい条件だ。このアングルからだと、まん中にモンスターはいるものの、結果的に群像ものになってしまう。もう少し前進して、たとえば右端のダルマさんに肉迫するなどすると写真が変わった。

 夕陽に染まる柿   YMD
 ICKさんの地蔵さんと同じ場所だが、地蔵さんを捨てて、柿をポイントにした。しかし、倉庫は正直に入れた。よく考えてみると、地蔵さんを入れようとするから倉庫が邪魔になるわけで、これならカメラをあと少し下げて、柿の実を空へ出しその下に山をもってこれるのではないか。考えてみる余地はある。

 早春の琵琶湖   ATRS  
 裸の木と輝く湖面、いいねー。何よりも淡いブルーのみずうみの色がいい。上端の小枝が黒く重なったところを整理して、下のちょろちょろ枯れ草をもう少ししっかり意味を持たせたらいい写真になっただろう。ついでに沖の島影ももう少し右へ寄せるか。ただし、ドーントまん中へという意味ではない。



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