野洲川物語 ■ 祇王井川探索Map おもしろいぞ、祇王井川は |
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さぁーて、きょうはどっち向きに流れているか。雲の話ではない。川の水の話である。「川の水は上流から下流に・・・決まっているでしょうが」、そう、それが常識。しかし世の中、常識どおりに行かないこともあるんです。だから祇王井川は面白い。 | |||||||||||||||||||||||||||
写真1A・地図 |
写真1B・地図 |
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上は左手前から流れてきた祇王井川が、橋をくぐって画面中央奥、中ノ池川へと流れ下っていくところである。2枚は一見同じように見える。しかし、よくみると違いがいろいろと見えてくる。一言でいうと水位の差である。左の写真1Aでは川全面が水面だが、右の1Bでは、橋の下に堆積土が露出している。さらに、1Bでは橋の右から小川の水が流れ込んでいるが、写真1Aではそれが見られない。 さて問題はこの小川、じつはこれが祇王井川なのである。 | |||||||||||||||||||||||||||
地図01 |
左が問題の場所の地図である。端的に言えば野洲電車基地の琵琶湖側。生和神社を囲む三角形の水路である。 |
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写真2A・地図 |
写真2B・地図 |
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雨が降れば川の水量が増し、晴天が続けば川は枯れる。当たり前のことである。写真1A・Bのような水位の変化は、普通の河川でも十分に起こりうることである。ところがここの場合はそうではない。写真1で見た橋の下流側に水の出し入れで体積が変化する堰(正式名称がわからなので、私は勝手に空気堰と呼んでいたが、実際には水の出し入れだという。何と呼べばいいのか。)があって、それで水位を調節しているのである。 | |||||||||||||||||||||||||||
写真3A・地図 |
写真3B・地図 |
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左・堰による水位の差。写真2Aを下流側から見たところ。堰を挟んで水位の差が見られる。しかし、水を抜くと右のように段差なしになる。 ●空気堰?顛末記 さて、こうして人為的に作られた水位の変化によって、分岐したあとの祇王井川の流れはどうなるか。 | |||||||||||||||||||||||||||
写真4A・地図 |
写真4B・地図 |
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写真4A,中ノ池川から分岐して50mほどのところ。4A画面左を縦に流れるのが祇王井川(手前が上流・中の池川分岐点)。ここで右から(JR線の方から)1本の水路が流入して来る(写真4Bで板の橋がかかっている水路)。
写真5A |
中ノ池川の水位が高い場合(写真1A)、(堰が作動している場合・写真3A)、水は写真4Aの赤い矢印の向きに流れる。上流から下流へと常識的な流れ(左・写真5A)であって、とやかくいうことではない。画面右下からピンク色の花びらが流れていく。 写真5B しかし、その水位が低くなると(写真1B)、(水が抜かれ堰が開放された場合・写真3B)、青い矢印のように地図のA→C間50mを逆流し、写真5Bのように、中ノ池川へ流れ落ちる。 写真6A・地図 写真6B・地図
| 地図のA点からB点まではどうか。A→C点で逆流が起こっているとき、A→B点では水はほとんど動かない。写真6Aが分岐点の水位が高いとき。6Bが水位の低いときである。6Bでいちばん手前に見える建物は6Aでも見える。水面までの石垣の段数で水位の変化を読みとることができる。6Bの方が石垣1段分低くなっているのが分かる。
写真7A・地図 |
写真7B・地図 |
| 生和神社裏T字型分岐を生和神社の対岸から見たところである。水位が低いときは写真7Bのような白いテラスが現れる。水位が高いとき、いわゆる逆流なしで正常に流れているときは水面下に没する(写真7A)。
写真8A・地図 |
写真8B・地図 |
| 同じくT字型分岐を生和神社側から見たところである。8Aが水位が高いとき。8Bが低いとき、中ノ池川にもどる本流の水路には水が流れていない。
写真9A・地図 |
写真9B・地図 |
| 写真9A、左の広い水路が中ノ池川にもどる本流。右の細いのが2号水路。本流がストップしたときにも、この細い水路には水が流れていく。ぎおう教室のTさんの話によると、この水路は中ノ池川・童子川と並行して流れ下り、童子川右岸の田園地帯への水を供給しているという。
写真10A・地図 |
写真10B・地図 |
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写真11・地図 |
2号水路の水門。豊かな水が流れていく。手前の広い方は水なし。橋の左が中ノ池川である。 |
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