デジカメわいわい村
とれとれ作品集 NO.80

2011年06月・前半

BEST
確 定

HNさん 森川さん SSさん SSさん  


HNS.T森川SSJIJITKSMRT

も ど る
■HN


■着信:2011.05.31
■撮影場所:守山市芦刈園前
 芦刈園にヨシキリを撮りたいと出かけた時のことです。お天気が良くて爽やかな日でした。まだ芦刈園ではアジサイの花が咲いてないので出入りは自由に出来ました。余りにも三上山の方角の空が雲の配置などが綺麗でしたので思わず景色を撮って見ました。
■1.麦作
■2.植田に鴨泳ぐ
■3.五月晴れ  
◆HNさんは、麦と稲という仕分けで、写真の順序を決めたらしい。1はムギ、2,3はイネと。それも分かるが、この場合は写真の大枠から考えて、カモをトップに持ってきたほうが、組み合わせとして落ち着いただろう。1と3はムギとイネの違いこそあれ、広々とした田園風景という意味では同種だから。
 ということで、
◆2.HNさん得意の鳥もの。田圃を泳ぐカモ。カワセミやヨシキリに較べると大きさも動きも、楽なものだろう。近くにもう1羽いたらよかったのになー。
◆1.3 2枚はよく似た構図。若干レンズの長さが違うだけで、地平線から上は両方とも同じだといっていい。ただムギの水平線が高く、イネは低い。一言でいえばこれだけの話だが、できた写真は全く違う。これは文句なしに3がいい。稲の線、水面が空を映す。広い空に白い雲。レンズを長くしたのは、水田の畦道などの関係かと思うが、この場合それも正解だった。右の森のイメージが1に較べて強い。これもきいた、1はムギの面を大きくとったが、その面に魅力がない。麦秋のこの時期、どうしてもムギに目がいくが、何かもうちょっと仕掛けを考えないと、絵が単調になってしまう。






も ど る
■S.T



■着信:2011.06.02
■1.日差し(待つ):(指宿いわさきホテル庭園)
 錦江湾の朝、日の出は諦めていましたら霧雨になり雲間から少し照らされた錦江湾と大隅半島。
■2.銅像「とこしえに」:(知覧特攻平和会館)
 特攻勇士、勇士の目線の先には見送るモンペ姿の母の像がありました。特攻隊員の1036名の遺影、遺書、絶筆、遺品、戦史資料を見て読んで感慨無量。皆んな立派 「さくら散り 蓮の花ビラに」 もし、ひと回り早くこの世にと思うと・・・幸せです。飛行場の痕跡はなく道路が滑走路だったようです。
■3.武家屋敷群:(知覧建造物群保存地区・武家屋敷群)
 薩摩藩の武士団を分散した外城の一つの知覧武家屋敷群で折れ曲がった通りと生垣石垣で構成され庭園は枯山水式(母ケ岳を背景に)。
◆知覧といえば特攻と武家屋敷。ガイドブックを見てもすべてがこの組み合わせ。現地へ行けばこれは当たり前になるのだろ。しかし、わたしにはこの組み合わせがどうもしっくり来ない。このわいわい村の3枚は組写真ではない。単写真を3枚並べたわけで、それはいっこうにかまわないのだが、と同時に、3枚一組で1つのものを表現できないかとも思う。
 この場合、指宿沖の暗い光り、60数年前、この上を命をかけた若者が飛んだ。その時代の空気をちょっとでも吸ったものにとっては、3枚目の武家屋敷がどうにもつながらない。とくに2枚目へのコメントに対するS.Tさんの力の入れ方を読むととくにそれを感じる。
 現場に立ったS.Tさんには武家屋敷も捨てがたいものがあっただろう。しかしそれを捨てる勇気も必要。これを特攻関係に置きかえたら、一つの旅行記録として感銘深いものになっただろう。
 わいわい村でそんなことまで考える必要ないでしょうが。ごもっとも、ごもっとも。これは私の独りよがりの思いでして。お許しを。






も ど る
■森川邦昭

着信:2011.06.04
■場所:奈良県天川村みたらい渓谷

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■1.渓谷A
 これから入って行くよ、と言う険しい渓谷の雰囲気を巨大な岩石と滝、緑、そして高い位置にあるつり橋で表現しました。
◆「これから入って行く・・・」、うん、わかる、わかる。渓谷の入口というヤツは意外とはっきりしていて、さあこれからという気分になる。渓谷の奥はほの暗く手前は明るい。うっかりすると手前の岩が飛んでしまう、そんな失敗の記憶が何度か。
 この写真もまさにその一歩手前、ギリギリのところで踏みとどまった。よかったよかった。
 つり橋に人物がいると橋そのものが生きたのだが。人間の目は意識したものが大きく見える。おそらくこの橋を現場で見るともっと存在感があったのだろう。レンズはそういう意識を持たないから、正直な大きさに写す。 この橋を写真の中で生かすためには人物がほしかった。
 どうしようかと迷ったが・・・、Best5候補に。


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■2.渓谷B
 光の明暗で深い谷を表現。また観光コースの渓谷であることをつり橋で表しました。人工構造物ではありますが、この渓谷に馴染むように設計されておりさほど抵抗感はありませんでした。橋に赤い帽子でも被った人物が一人いてくれればと思います。
◆いい光りだ。右上にぽつんと離れたハイライトもいい。距離感が見事。でもこの橋、気持ち悪いね。いや、風景としてではなしに構造的に。このように下にたわんだ構造物に負荷(渡る人間の重力+橋の自重)がかかれば、両端は引っ張りになる。スポンと抜けてきそうで・・・。もちろん十分安全は織り込み済みだろうけれど。私としては、オーソドックスなワイヤーを張った構造の方が郷愁を感じる。
 以下あくまで推測だけど・・・。谷底を流れる川が見えた。縦に撮ると、谷の深さが出ていい絵になった。しかし、それをやると橋がまん中に来る。ということで、下半分を捨てたというところじゃないか。 


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■3.渓谷C
 ワイヤーを両方の手すりの太い筒の中に隠したつり橋。少したわんで橋はまっすぐに前方の山の中に伸びる珍しい景色を捉えました。
◆これは橋がポイント。手すりがハイライトに光れば見事だったろう。夕方の光りらしく、橋に光りがなかったのが惜しかった。左の状態が夕方だとしたら、橋に光が当たっているときは、順光線になるのかも知れないけれど。



も ど る
■SS

着信:2011.06.06
■場所:和歌山県熊野古道中辺路・小雲取越え
 幻想的な雰囲気に包まれて神のいる森という感じでした。

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■1.煙雨にけむる熊野古道A
◆道だけを見ると秋で上を見ると新緑。以前も他の人の写真で同じような色分けを見たことがある、こういう時期があるらしい。
 まっすぐに伸びる枯葉の道。そこを3人の人が傘をさして・・・、いい写真だ。ポイントは突き当たりに見える明るい抜け。あともう少し待ったら、前の2人がそこへ入ったはず。相手の動きを見ながら、自分も中央の太い木が大きく前景になるぐらいまで前へ出ればもっとよくなった。
●森の”明るい抜け”を見ると思い出す写真がある。私が20歳代のころに話題になったユージン・スミスの名作「ふたりづれ」。(the Best of LIFE)。SSさんの場合とは事情が異なるが何かの参考までに。(左の縦線は本の縫い目)。


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■2.煙雨にけむる熊野古道B
◆杉木立の縦の線だけで絵を作った。助けてくれたのが煙霧。これが木に濃淡をつけて遠近感を表現した。レンズが幾分長いようだが、いまの場合はそれが成功した。短くして3のように道をもってきたらとも思うが、それをやると多分左の草などが入ってきたのだろう。





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■3.煙雨にけむる熊野古道C
◆煙霧自体が緑色。森全体が明るくなったのだろうか。とにかく2に較べると雰囲気が違う。下に見える道と左に生えている草むらがいい。惜しかったのは、右手前に見える細い木や枝、これが邪魔だった。とくに細い木、これはあえて入れたのだろうか。あと数歩前へ出ればはずせたはずだが・・・。そうか、これをはずすと左の草むらも逃げてしまうか。
 細い木が処理されていたら、文句なしに3だった。1・2で迷ったがとりあえず2。後発の様子によっては1の追加もあり得る。


も ど る
■JIJITKS

着信:2011.06.07>

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■1.十六夜
 残照と十五夜の月の出が撮れるという日を逃し、翌日、月の出から中空に昇るまでを追いましたが・・・。
◆「バイバイ、また明日」というのは太陽に対する言葉。月の場合はそうは行かない。明日同じ時刻にそこへ行っても月はまだ出ていない。ホント月というヤツは難儀なもの。1回チャンスを逃すと同じ条件の組み合わせはいつ巡ってくるか。
 1日遅れの難しい条件の中で、苦労のあとが偲ばれる。風景全体が暗くなって月が明るい場合、往々にして月が真っ白に飛んでしまうことがあるが、この場合はそれを避けてうまくいった。ただ、構図的に主役である月をどうしてこのように端にもっていったのか、その意味がよく分からない。しかし、構図は次回への課題として、問題はスローシャッター時のカメラブレ、ピント。原画を拡大してみると矢張りまだ甘さが見えるようだ。カメラブレだけは細心の注意を。


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■2.お手伝い
 親父が昔のように農家の後継ぎに、手とり足とりと伝授することも叶わず、子も手持無沙汰・・・。子の背中に一抹の寂しさを観た想い。
◆「子の背中に一抹の寂しさ」、これが狙いだとしたら、この写真は成功。私も送られてきた写真を見たとき(JIJIさんの文章を読む前)、それを感じた。しかし、構図を考えるとちょっとしんどかった。2人とも完全な後ろ姿、田圃、斜面が図面でひいたような苦しさ。相手が動いているので、自分が位置を変える余裕がなかっただろうけど。


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■3.唐沢
 八ヶ岳の登山口の一つにある唐沢鉱泉の源泉井を見せてもらった。不思議な配色で、妙に効能がありそうな気がした。
◆これは写真としてはいちばん難しい被写体だった。それが…「妙に効能がありそうな」…という言葉に凝縮されている。温泉の源泉地で感じるのは、まず硫黄の匂い、噴き出す蒸気の音、湯気の動き、それにもまして周囲の雰囲気、それら写真に写らないもろもろのもの、それがあってこその源泉地。その中で写真に写るのは、JIJIさんがいう「不思議な配色」だけだった。難しいなこれは。


も ど る
■MRT

着信:2011.06.12
場所:花緑公園

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■1.危険な道
◆危険な道?、どこが、と思ってよく見ると立て札があってマムシ…云々。なるほど、しかしそれはそうかも知れないけど、これは無理だ。手前にドーンと大きくヤマボウシがあって、それがべらぼうに明るい。立て札なんて目じゃない。これを見せて立て札のマムシに注目せよということが無茶な話。こういう場合、人間は立て札に注意しても、カメラはそんなことお構いなしに手前の花にピントを合わすはずだけど、この場合はカメラも何をどう血迷ったのか、立札にピントを合わせてしまった。カメラも根負けしたのかな。

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■2.花の表現
◆題をそのまま解釈すれば、花が何かを表現しようとしているように受け取れるが、MRTさんは、撮影者(自分だけど)が花を使って何かを表現しようとしたという意味でつけたのかも知れない。
 大きなグループの左端を詰めて、右上に片割れをちらっと見せた。絵の作り方としてはうまい手だ。一つをぼんとまん中にもってきたり、同じ大きさのを2つを丸ごと入れたりしたら、話にならなかったろうけれど。そういう意味では成功した。
 いい写真だなとは思うが、問題はこれを見ていて、このあと話が続かない。そこがしんどいところ。


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■3.仲良し
◆これはどういう状況だったのかな。画面が赤みがかって、重たい感じがする。バックにしてももっと爽やかな緑が出せたと思うのだが。送られてきたデータで、赤味をとった調節見本を作ろうとやってみたが、これだけ色づいてしまうと無理だった。それとも、あえてこの色にもっていくよう現場で何か調整をしたのだろうか。趣味の問題かも知れないが、この絵にはもっと爽快感がほしかった。



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