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山田敏夫

◆三上山の手前、画面を横切る桜並木。手前に広がる家庭菜園で畑仕事のオバチャン。そのそばで子犬が一匹、のどかな春の日、いい写真である。桜並木と画面の下辺が平行で、悪くすると「二の字」構図になるところだったが、中央の農道がそれをうまくカバーしてくれた。これで桜並木までの奥行きが出た。この道をワンちゃんがカメラに向かって走ってくるところだったら、もっとよかっただろう。しかしそれは無理な注文というもの。
 いずれにしてもこの文句なしの天気が幸いした。これは昼前の撮影だろうか。影がほとんど真下に落ちている。春から夏にかけての写真の難しさだ。太陽が左前方に回る夕方に狙ってみるのも面白いだろう。山はシルエットになり、桜は半逆光になる。そのときにはオバチャンはいないだろうが。