@無限の遠方から撮ったとき。
左の図のように、円錐形で同じ高さのA山とB山が、カメラから見て前後左右に互いにLm離れて立っているとする。
距離Lmが無視できるような遠い場所から、望遠レンズでそれらの山を撮ったとする。この場合、カメラから両山までの距離は等しいと考えられるから、2つの山は同じ高さに見える。
A中ぐらいの位置から。
A山から5Lmの距離まで近づき、A山が@と同じ大きさに写るようにズームレンズを調節した。もはや距離Lmは無視できない。
このときB山までの距離は6Lm、すなわちA山までの距離の5分の6倍になっている。したがって、B山の高さはA山の6分の5の高さに写る。同時に、水平方向の距離も縮まるから、B山はA山から6分の5の距離に近づいて見える。
B近い位置から。
さらにA山から2Lmの距離まで近づいたとする。B山までの距離は3Lm、距離の比は大きくなる。上と同様に考えて、B山の高さはA山の3分の2になる。当然、水平距離も3分の2に縮まる。
以上、同じ方位から撮ったとしても、距離によって山の見え方はこのように変わる。これを見極めれば、山までの距離の違いを読みとることができ、風景を見るおもしろさが倍加する。
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