三上山物語・U

毎月1日、11日、21日発行


2014 年 12 月/011121


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■100  発行:20141201


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■竹生口交差点
撮影場所:野洲市市三宅
撮 影 日:2014.11.28
 交差点が移動した。ここの所急に工事が動き出したと思っていたが、いつの間に切り替わったのか、3,4日前に通ったら、あれ道が変わっている。川田大橋の方からやってきた県道151号が旧堤防の上から下ってくる。従来はその下ったところが交差点だった。10月24に撮影の同所。たとえば竹生方面から県道を下ってきた車が野洲市街へ行くには、旧交差点を右折ののち、左へカーブして久野部方面へ向かっていた。(地図・旧)。それが、いったん旧堤防(実際にはなくなっているが)の方へシフトしてそこで大きく左へターンして、交差点を直進して野洲市街へ向かう(地図・新)。標題写真(2014.11.28撮影)は大カーブへ向かう新道と、閉鎖された旧交差点。
 実はこの竹生口あたりから三上山を見るアングルには、私が撮影を始めた時点ですでにIBMの工場が進出してきていたし、それが撤退したあとも、敷地は京セラやオムロンに引き継がれた。写真としてはどうにもならない場所だった。2011年ごろ、三上山とは別に旧野洲川南北両流跡のレポートを始めた。三上山の写真としては意味はないが、野洲川北流の写真としては、竹生口交差点は重要なポイントだった。オムロンや京セラには目をつむって、堤防から見た交差点の写真を撮った。それがこの写真である(2011.08.24撮影)。旧北流の樹木が右半分の視界を遮っていた。





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■101  発行:20141211


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■石仏異聞
撮影場所:甲賀市水口町宇田
撮 影 日:2014.12.03
 2台のコンバインが農作業中。大豆の刈入れをしているのだろう。左の奥が三雲・烏ガ岳の裾、右がTOTOの丘、私が言う三雲・朝国狭隘部である。そこにきっちり三上山がはまり込んだ構図。以前はもう1つ前の農道から撮っていたが、先日改めて行ってみて、もうひとつうしろの柏貴農道(といっても片側1車線、歩道付きの道路だが)の現在地から撮ったほうが面白い構図になることに気がついた。左手前の竹藪が前景になるし、そこにある石仏がアクセントにもなるからである。
 そのときは午後3時を回り石仏が藪の陰に入ってしまっていたので、今回改めて石仏に光が当たる時間帯を読んで撮り直してきた。場所は野洲川と杣川が合流する(突き当りが杣川・左から右へ、手前が野洲川・手前から奥へ)すぐ直前の橋、新柏貴橋の東畔。カメラのすぐ左が野洲川の右岸である。
 さて、それはいい。問題はここからである。撮影していてふと思った。手前の畑、畦道のしかるべきところに立てば、前景に大きな石仏、遠景に小さな三上山という絵ができるのではないかと。過去何回もここへきている。そのたびに藪の近くまで行っている。なぜ石仏に気がつかなかったのか。もしそれが成り立つとすれば、今まで何をしていたのかということになる。もう一度現場へ引き返した。行ってみて驚いた。石仏が全部後ろ向きに並んでいたのである。後は畑である。畑をバックに地蔵さんを立てるだろうか。他に何もなければ別だけど、ちゃんとした竹藪があるのにである。それにしてもこれにいままでなんで気づかなかったんだろう。新しく立てたのかもしれない。そういえば右の6体は何となく新しい。しかしよく見るとホンマに新しいのは手前から4体目の一つだけだし。いわく不可解。80歳を過ぎて、いよいよ怪しくなってきたから大きなことは言えないが。






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■102  発行:20141221


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■右向くシラサギ
撮影場所:草津市志那町
撮 影 日:2014.12.10
 平湖は大小2つに分かれていて、三上山からの日の出などを撮ってきたのは大きいほう(湖岸道路に近いほう)である。それに対してもう一つ、半分ぐらいの面積の内湖がある。大きいほうから我が家へ帰ろうとすると、小さいほうの横を通過することになる。それが平湖のうちに入るのか、別の名前がついているのか、以前「ああ、そうか」と思った淡い記憶があるのだが、どうしても思い出せない。
 大きいほうでの撮影を終えて小さいほうに差しかかったときのこと、右前方中ほどに、シラサギが一羽湖面に立っているのが目に入った。うまくいけば三上山と合いそうだ。スピードを落としてそーっと近づく。車を止めた場所は、ヨシの合間からシラサギを見るという状態だった。首を半分伸ばし、右の方をきっと見つめる印象は、意志の強さを感じさせるものだった。鳥はクルマの中からだと意外に逃げないという。初めのうちはその言葉通りできるだけ体を隠すようにして撮っていたが、相手はほとんど動かない。右を向いたままである。同じ写真を何枚撮っても仕方がない。逃げられるのを覚悟で、飛び立つところを撮ってやろうとカメラを構えながらクルマから降りた。…逃げない。右を向いたままである
 シラサギまでの距離は数4,50mはあただろうか。こちらがかなり大げさに動いても、相手は首を伸び縮みはさせるものの、飛び立つ気配はない。最初のシャッターを切ってから15分ほどたったとき、右の方からもう1羽のシラサギがやってきた(標題写真)。そうかこいつを待っていたのか。親子なのか、兄弟なのか、恋人なのか、それとも単なる友達なのか。人間ならおよその見当もつくが、シラサギ相手では戸籍調査もままならない。
 そのあと2羽そろって右を向いたり左を向いたり、はたまた互いに反対を向いたり。あげくの果てに首をくねらせて愛情表現。ほとんど1時間付き合いをしたけれど2羽ともそこから飛び立とうとはしなかった。最初の1羽などは、いったい何時間そこにいたのか。神ならぬ身の知る由もない。






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