三上山物語・U

毎月1日、11日、21日発行
 

2014 年 06 月/011121


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■082  発行:20140601


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■麦秋
撮影場所:栗東市高野(地図)
撮 影 日:2014.06.02
 麦が色づきまさに麦秋。新しく塗り替えられたらしい土蔵の白壁がまぶしい。JRA栗東トレーニングセンターのほうから国道1号高野交差点へ向かう県道12号が、途中栗東市六地蔵でJR草津線とクロスする。そのあとすぐゆるやかに左へカーブするところで、右前方にこの風景が見えてくる。
 もちろんこの場所は初めての場所ではない。というより撮り始めてはじめてのころからなじみの場所だった。古い昔の話だが、ここで三脚を忘れた記憶がある。置き忘れたなんてものではない。使っていた三脚からカメラをはずし、そのままの姿で放置して来たのである。自転車だったか、バイクだったか。途中で気がついて折り返した。カメラを外された三脚はそのままの形で残っていた。
 田んぼのふちに土蔵があって・・・、30数年前と同じ風景である。変わっていないなと思う。大枠が変わらないまま全体が新しくなったといえばいいのか。それにしても昔三脚を立てた場所が見当たらない。歩道もない片側一車線の細い道である。まさか道の真ん中に三脚を広げるはずはない。道端にちょっとした空き地があったはずだが、それが見つからないのである。







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■083  発行:20140611


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■ネムの木
撮影場所:栗東市御園(地図)
撮 影 日:2014.06.02
 県道12号栗東信楽線の片山交差点。国道1号高野から金勝山地へ向かうとき、最後の信号である。その片山信号の手前100mほどのところ、道の右側に小さな田んぼがある。その片隅に形のきれいな2本の木が立っている。田んぼの外を行く県道からも見えるが、道とは反対側へ傾いているため、印象はそれほど強くなく、いままで何度も現場を通りながらうっかり見落としていた。
 何の木か、残念ながら私にはわからない。木の形、特に上半分を見ると松の木のようにも見えるが、そうでないことぐらいは私にもわかる。初めからそれを見分けようなんて気持ちはさらさらないのだが、ひょっとしてネムの木?、そんな気もしてくる。もしそうだとするともうすぐ花が咲くはずだ。ネムは、松、杉以外に私がかろうじて判別できる数少ない木の一つだが、「こんな木にネムの花が咲いてたまるかい、もし咲いたら金勝山のてっぺんで逆立ちしたるわ」と抱腹大笑している博学の方が大勢いらっしゃることは百も承知のたわごとである。

 後日談:「あれはネムの木である」と大見得を切ったつもりはないが、できればそれがネムの木であることを確かめておきたかった。その後野洲近辺の花が咲きだしたころを見計らって見に行ったりしたが、一向に咲く気配なし。そうか、ほんのわずかだけれども標高が高いもんな、と勝手に納得したりしていた。7月1日、ひょっとしてもう咲いているのではないかと見に行くと、間違いなくネムの花が咲いていた。やっぱり他の平地の花よりは若干遅いようだった。もう1枚
 それはいいのだけれど、何がどうなったのか、前回来たときはスカッと見通せたわき道に軽トラや乗用車が止まっていた。人間の姿は見えなかったが、気配から見て、農薬散布の真っ最中というところだった。







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■084  発行:20140621


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住宅地の中で
撮影場所:野洲市行畑(地図)
撮 影 日:2014.06.13
 野洲市市三宅からJR線をアンダークロス、「背比べ地蔵」の前を経て国道8号妙光寺に達するいわゆる地蔵さん道路。その道が新幹線をくぐった左側(北東側)に新しい住宅地がある。開発されて何年になろうか、もうほとんど空地もない状態である。
 いつも近くを通るたびに窓からちらっと見えるこの風景が気になっていた。住宅地の中に大きな杉の木がそびえているのである。住宅地の中の大木、雷でも落ちたら大変と、切られてしまうのが落ちだろうに、ここはそういう気配はない。梅雨の晴れ間に周辺を歩いてみた。
 入り口からはかろうじて標題の写真のように杉の木と三上山が並ぶが、すぐに山が木に隠れるようになる。ほとんど目の前まで近づいて、やっと山が木の下へ姿を現す。そこまで行って初めて分かったのだが、祠があって小さな神社になっている。そうか、しめ縄こそ巻かれていないが、この木はご神木だったのか。そうすりゃ雷様が2つや3つ落ちても切るわけにもいかんわな。しかし住宅地が拓かれる前はどうなっていたのだろう。少なくとも私はそこに神社があることすら知らなかった。






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