■オリオン昇る
撮影場所:野洲市三上 (地図)
撮 影 日:2013.12.30
正月の風景というと初日の出と相場が決まっているが、今回はちょっと趣向を変えて星の写真を。
いつのころからかはっきりした記憶はないが、天文関係の雑誌などに、星の日周運動の写真が目につくようになった。夜空に星が輪を描くやつである。もちろん日周運動そのものなら、フィルム時代からあった。早い話が、カメラを三脚に固定して、ピントと絞りを適当に指定して、空に向けて開けっ放しておけばいいわけで、特別難しいものでもない。ただその時に星よりも明るい人工的な明かりが入り込むとそれが1時間、2時間の露出をトータルするとむちゃくちゃ明るく感じでしまう。写真としてはその部分が飛んでしまい絵にならなくなる。だから星の写真は暗い山の中と相場が決まっていた。
ちょっと様子が違うか、この写真は野洲川の川田大橋からの撮影で、十六夜の月が頭上にありその明るさだけによる撮影である。しっかりしたことは忘れてしまったが、2〜3分の露出だったはず。画面中央に星がわずかに動いて写っている。2〜3分ぐらいだからこれが成り立つわけで、1時間も明ければ空全体が明るくなりすぎ、写真にはならなかったはず。
ところが昨今の日周運動の写真は、東京の明るい夜景を前景として、星が回っていたりするのである。星が輪を描くにはやはり最低でも1時間の露出は必要だろう。東京の明るい夜景を1時間も開けっ放しにしておけば、露出オーバーもいいとこで写真にはならないはずである。どうも解せない話である。
解説によると、インターバル合成とかいって、数秒から数10秒の露出を単位として、それを何10回、何100回と繰り返して、それを合成するのだという。そんな機能、わしのカメラについてたかなと、解説書を確かめても全くのノータッチ。ワシのカメラではアカンらしい。半分あきらめていたのだが、いろいろ探っていくうちにインターバルタイマーなるものを使えばできることがわかってきた。『インターバル合成』という言葉は、何語か知らないがわかりにくい言葉である。しかし『インターバルタイマー』なら、なんとなく分からないでもない。何秒かの一定間隔でシャッターを切っていくということだろう。
上の写真は、そのインターバルタイマーを使ってのテスト撮影の1枚である。場所も何も考えずとにかく練習してみようとやりだところへ、思いもかけずオリオンが昇ってきた。ちなみにこの写真を、200枚ほどを合成するとこんなものが出来上がる。カメラブレもありまだまだ試作の段階。
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