三上山物語・U

毎月1日、11日、21日発行
 

201312 月/011121


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■064  発行:20131201


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■海津浜から遠望
 撮影場所:高島市マキノ町海津浜 (地図)
 撮 影 日:2013.12.12
 前回は高島市新金丸橋から見たところで、カメラが湖岸道路を北(画面上で左)へ動くと三上山が左へ動き沖島の後ろへ隠れることを確認した。要するに三上山が沖島の陰に隠れて見えなくなるわけだが、当然どこかで再び顔を出すはずである。それがどのあたりか。海津浜から見えることはわかっていた。しかしそこへ行くまでにどこかから見えているはずでそれがどこなのか。
 以前、新保川のあたりで見た記憶がある。南からいえばそのあとマキノ・サニービーチなど。だから現時点で確認できているのは新保川あたりということになる。それで間違いはないのか。たとえば今津浜あたり(新保川よりさらに南)からは見えないのか、それを確かめようと思った。で、とにかく今津の石田川河口へ行ってみた。琵琶湖ウォークの時にこのあたりから見えたような淡い記憶がある。しかしそれがどこだったのかはっきりした場所を確かめるには至っていない。それを確かめようと思ったのである。
 理屈は立派だが動機が不純だった。じつは所用で今津へ行ったついでに風が強く空気が澄んでいたから、余った時間でちょっとやってみようかというわけである。時はまさに正午近く南の湖面は明るく輝き、まぶしくて対岸がはっきり見えない。ここらあたりまで来ると、漠然と眺めていて見えるという話ではない。だいたい見えるとしたらどのあたりか、それを見極めてはじめてみえるのである。いつもいつも行っているわけではないから一目でそれを見極めるほど詳しくはない。これは無理だ。ということでとにかく見えることがはっきりしている海津浜まで行きそこで見える位置を確かめようと思った。
 海津浜から見たとき、三上山は沖島の右に見えることはわかっている。新金丸橋で左へ隠れた三上山が再び右に見えるという不思議。七不思議の一つだが、その間、どのように動いてここへ至るのか、それが今日のテーマだった。その第1段階としての海津浜である。夏の時期には喫茶店のテラスにでもなるのだろうか。その柵越しに三上山が見える。   




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■065  発行:20131211


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■高木浜から
 撮影場所:高島市マキノ町高木浜 (地図)
 撮 影 日:2013.12.12
 海津浜から2Km弱南下したマキノサニービーチ高木浜水泳場である。無人のテラスのそばに、しゃれた街灯がぽつねんと立っている。湖面がまぶしく輝いて遠くが見えにくいが三上山が小さく見える。と言って、すぐに見つけてもらえるかどうか。肉眼でもそのあたりにあるはずだと意識してはじめて見える、そんな状態である。上の小さな写真では絶対に見えない。拡大しても見えるかどうか。水平線上左に濃く見えるのが沖島。その右端と街灯のポールとの間、ちょうど真ん中あたりに小さく見える。沖島の右端に重なっている海津浜から、湖上を船でそのまま三上山に向かって進めば両者の重なりは変わらないはず。しかし、湖岸を南下する道は三上山を正面に見て右のほうへ続いている。それを進むとこのように三上山が沖島から離れて右へ動き出し、約2Km進んだところで、写真に見るような位置まで離れたという勘定である。
 と、この部分の状況だけを書けば何の不思議もない当たり前のことである。ところがこれを11月21日号で取り上げた安曇川河口に近い新金丸橋からの状況とつないで考えると不思議極まりない話になるのである。新金丸橋から見た時も、三上山は沖島の右端に重なって見えた。そこから湖岸道路を北上(海津へ向うむき)すると、三上山は沖島の後ろへ隠れる向きに動き出した。これは紛れもない事実である。そのあと道は北上を続けているわけだから、三上山が顔を出すのは沖島の左側からのはずである。ところが何かの事情で海津から見た三上山は再び沖島の右端に現れた。私は、最初これは沖島の背後へ隠れた三上山が逆行してきたのだと考えていた。ところがよく考えてみるとそうではないのである。
 ここ高木浜は海津浜より約2Km手前である。そこですでに三上山は沖島の外に出ているのである。それが海津浜に近づくにつれて沖島よりに動き、海津で沖島の後ろへ隠れるのである。新金丸橋で沖島の背後に隠れた三上山は海津で右端へ戻ってきたのではなくて、どこかの時点で沖島から右へ出て、ここ高木浜では再び沖島に近づこうとしていたのである。だとしたら、いつ三上山は沖島の背後からでて右側の陸地へ隠れたのか。




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■066  発行:20131221


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■新保川河口から
 撮影場所:高島市マキノ町新保 (地図)
 撮 影 日:2013.12.12
 高木浜からさらに1,5Kmほど南へ下った新保川河口である。近くの田んぼの水を集めて流れてくる小さい川だが、「新保川」とのしっかりした標識があるから間違えることはない。
 高木浜からの写真に比べてほとんど変化はない。あえていえば、三上山が沖島からさらに離れたとこと、バックの金勝山が三上山に近づいたことぐらいである。いずれも撮影位置が三上山に対して右へ移動したことを示している。こうしてみると沖島の右端からここまで、三上山を隠すようなものは何もない。この間湖岸からはずーと三上山は見えていることになる。
 問題はこの後さらに右へ移動したときである。水平線上黒く厚さのある層が見えるが、これは安曇川のデルタである。このデルタは地図で見るとほとんど半円状を示している。新保川河口あたりら見ると安曇川の河口よりも画面右側のほうが近い。ために画面の右ではデルタの厚さは増している。
 この写真は新保川河口からあと少し南へ進んだところからである。三上山はさらに右へ移動しデルタの分厚さはさらに増している。さらにあと少し南下すると、湖岸に公衆トイレがある。そこまで行くと三上山は近くの森に邪魔され見えなくなる。沖島と森との間に見える遠くの山は湖南市石部の阿星山、三上山の左に少し離れて見えていた山である。それをもとにすると、三上山はこの森の向こうにあるということである。
 この森をやり過ごしてさらに南下するとき、再び見える場所があるのかどうか。今のところ不明である。    




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