三上山物語・U

毎月1日、11日、21日発行
 

201310 月/0111・21
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■058  発行:20131001


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■断面図
 撮影場所:野洲市三上 (地図)
 撮 影 日:2013.09.27
 気がついたらきょうが10月8日。発行予定日から一週間も過ぎてしまっている。ということで野洲市三上のダイアナ社屋前。定番中の定番、いまとなっては面白くもおかしくもないところである。写真そのものの内容が乏しいから、多少なりとも意味づけで補わなければならないところ。
 私はこの方向から見た山容を三上山の右横顔と呼んでいる。撮影場所は地図のA点、頂上から見ればほぼ真西の方向である。反対側の南桜(地図のB点)から見ると左右入れ替わった姿が見られる。
 そんなことからわたしは、三上山山頂を通って北東から南西に向かう線を三上山の対称軸と考え、いま見えている写真の輪郭が三上山の対称軸上の稜線だと考えていた。すなわち大きな包丁を三上山のテッペンにあてて北東から南西の向きにすぱっと切り下ろせば、この線の形が現れると考えていた。実際には包丁は無理だが、カシミールという伝家の宝刀がある。地図の対称軸(赤い直線)の断面図を作図させた。結果がこれである。頂上から下る右斜面を、上の写真Aとじっくり見比べていただきたい。明らかに違うのである。写真では外へ膨れているのに対し、カシミールでは内側へへこんでいるのである。
 以下次号    



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■059  発行:20131011


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■断面図・2
 撮影場所:野洲市三上 (地図)
撮 影 日:2013.01.08
 三上山主峰から右下に流れ下る稜線の見え方の問題である。前回は地図のA点(KKダイアナ社屋前の小川沿い)から見ると右斜面がふくらんで見えることを確認した。しかし、カシミール3Dによる三上山山頂を通る北東・南西方向の断面図では、膨らむよりは、むしろへこんでいるように見える。漠然と見ていたのでは見極めがつかないぐらいの違いではあるが、少なくとも断面図では全体としての大きな膨らみはない。以上が前回の確認事項である。
 さて、きょうの本論である。今回の写真は前回の写真と同じ場所から撮った冬景色である。右側の稜線が弦を振動させたように二重になっているのが見える。部分拡大。下に見えるのが主峰(雄山)から雌山に伸びる稜線である。山頂からの斜面を手前に伸びてくるのが、地図に示す西尾根である。そして上に膨らむ稜線が、それに対応する南尾根なのである。だからこの拡大写真は、三上山の南西斜面を人間の顔に例えれば、右斜め前方から、右頬骨(西尾根)を手前にして鼻筋の向こうの左頬骨(南尾根)を見ている勘定になる。
 南尾根(左頬骨)が見える範囲は御上神社前に近づくほど大きくなり、交差点付近では、普通の天気の時でも(雪に頼らなくても)注意してみればそれがはっきりと区別できるようになる
 としたら、カシミールが描く断面図を実際に見ることができる場所はあるのだろうか。以下次号。



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■060  発行:20131021


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■断面図・3
 撮影場所:野洲市三上 (地図)
撮 影 日:2013.10.07
 我が家から200m余り、新幹線のガードをくぐったところ、三上山山頂からの直線距離が1.9Km,方位294度の場所である。地図のC点。三上の集落に向かう農道が一直線に伸びている。前回・前々回の場所(地図のA点)から、北北西へ(三上山に対していえば左へ)700mほど移動したところである。
 前回の雪景色で見たように正面の鼻筋尾根に対して、さらにその向こうに伸びる南尾根が見えているわけだから、自分が左へ移動して鼻筋尾根によって南尾根を隠すことが出来たら、鼻筋尾根そのものが稜線として現れるはずである。じゃそれを子細に観察すればその場所は分かるはずだ。まさにその通りなのだが、前々回の写真に見るように、普通に見える日にはその判断が極めて困難な状況である。そんな意味で、この点は新幹線を潜る道路として、おそらく将来的にも状況が簡単に変化しないだろうと考えられる点として取り上げたところである。
 単純に見て、この場所からの稜線は少なくとも膨れてはいない。山頂から3分の1ぐらいから下はカシミールの断面図に見るようなへこみが見てとれる。ただ3分の1までのところが、かさぶたが張ったように、何となく膨れているように感じる。これが鼻筋尾根自体のかさぶたなのか、それとも南尾根がごくわずか微妙に見えているのか、その判定がつかないのである。
 もう1枚の写真がある。1970年代後半、現在は国道8号沿いに大きな倉庫が建っているが、それがなかったころの写真である。場所は山頂からの距離1,4Km,方位307度(地図のD点)。例の地蔵さんの場所である。私が常づね三上山の完全なプロフィールとしている場所である。右斜面にカシミールのへこみが見える。それともう一つ細かいことだが、三上山主峰(雄山)に対する雌山の大きさが絶妙なのである。前々回のダイアナ社屋前からの横顔では雌山が大きすぎる。ただし、その地蔵さんの場所からの右肩にも、山頂から3分の1ぐらいのところまで、微妙「なかさぶた膨れ」が感じ取れる。そういった点を考えると、これは鼻筋尾根の膨れかとも考えられるが、その本当の姿は今のところ不明である。何かの時に解決できるチャンスが与えられることを祈るのみである。




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