三上山物語・U

毎月1日、11日、21日発行
 

2013 06 月/011121

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■046  発行:20130601


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■深緑葉山川
 撮影場所:草津市志那町 (地図)
 撮 影 日:2013.05.23
 けさの「三上山日乗」(6月1日付)の続報である。実はこの風景、「三上山物語」の2月21日付でも紹介している。もちろんそのとき樹木はすべて裸。1枚の葉っぱもついていない冬景色である
 その項で、「葉山川・伊佐々川・農業用水の3本が平行に走り、揃って琵琶湖に注いでいる」と述べた。そのときはおそらく Google Map を見て、それを根拠に書いたと思われる。
 ところが、けさ三上山日乗を書くに当たって昭文社の道路地図ライトマップルを見たところ、そこのところ(赤い矢印のところ)が、「さざなみ街道」の「道」の字と重なって、はっきりしない。農業用水は琵琶湖へ注いでいないとも受け取れる表現になっていることに気がついた。さらにその水路の延長上で、平湖からの排水路と交わるところ(緑の矢印のところ)がある。平面交差とも読めるし、立体交差とも読める。何ともあいまいな表現である。
 念のため、国土地理院のウェブ地図を見てみた。赤い矢印のところで琵琶湖へ流れ出ていることは間違いなさそうである。しかし、平湖からの排水路との交差については同じ表現になっている。
   もう一度 Google Map のそこのところ(排水路交差)を拡大してみると、立体交差(農業用水路が排水路の下をくぐっている)とも読める。もしそうだとすると、農業用水路が琵琶湖の水位より低いことになる。いよいもって不可解。
 地図ではこれ以上の理解は無理である。現場を見直すしか方法はない。
 先ず農業用水路と琵琶湖との関係。しっかりした水門があって琵琶湖へ注いでいた。琵琶湖側から見たところ。当然、河口では葉山川も含めて琵琶湖と同じ水位である。
 周囲の田圃から用水路に水が落ちている。田圃は用水路より高い位置にある。田圃の水は上流のどこかで取水しているはず。
 平湖排水路と農業用水路との交差点。これがいちばんの問題点だったが、結論は少なくとも立体交差ではなかった。しかし平面交差かというと必ずしもそうだとは言えない。あえていえば段差交差さか。平湖排水路、琵琶湖と同水位で、ほとんど水が流れていないため、水路一面に草が生えている。琵琶湖側に水門があり、湖岸道路の手前を農業用水路が交差している。湖岸道路から交差点を見下ろしたところ。肉眼で見ると、交差前(手前)の水位がわずかに高く見える。橋の下あたりに堰が隠れているらしい。ここを「段差交差」としたのはその意味である。
 湖岸道路上から排水路を通して平湖を見たところ。青い屋根の左に、白い四角形が2つがそれ。琵琶湖から水路でつながっているとしたら、平湖は琵琶湖と同じ水位のはずだと考えていたら、流出口に近い橋の下に堰があって、落差約50cmほど平湖が高く調節されていた。この50cmが周囲の田んぼへの給水源なのだろう。
 ついでに3本河口をもう一度。川は南から伊佐々川・葉山川・農業用水路の順に並んでいる。すべて琵琶湖へ注いでいる。としたら3つが並行に並んだ時点で合流させ、あとは1本で琵琶湖へつなげばすむ話。それを何故3本並べて面倒なことをしているのか。伊佐々川と農業用水路には水門がついており、葉山川にはそれがない(手前が用水路、次が葉山川、その向こうの水門が伊佐々川)。琵琶湖の水位が上がったとき、伊佐々川や用水路は水門を閉め逆流を防ぐ。葉山川は多少の水位上昇なら堤防で防げるという意味だろう。葉山川河口と伊佐々川の水門をもう1枚



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■047  発行:20130611


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■境川
 撮影場所:守山市欲賀町 (地図)
 撮 影 日:2013.06.12
 カメラの位置は草津市芦浦町、画面に写っている手前の田圃は守山市欲賀町、その奥の住宅地は大林町、手前の川が境川、かつての野洲郡と栗太郡の境、いまの守山市と草津市との境である。ヘー、何でまたこんな小さい川がと思う。
 この川の水源は守山市金森町の金森湧水公園。守山高校の南、金神社のそばで、地中から水がわき出し、大きな観光用の水車が設置されている。但し、これは現在の姿であって、かつては川幅ももっと広く、現在の野洲川JR線上流から守山駅周辺を経てこの金森に達し、烏丸半島付近で琵琶湖に注いでいたという。その昔の野洲川旧流路の名残で、烏丸半島の砂嘴などもこの旧野洲川が作ったものだとも。



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■048  発行:20130621


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■雨の朝
 撮影場所:野洲市三上 (地図)
 撮 影 日:2013.06.21
 三日続きの雨で種切れ。天気予報とこちらのスケジュールをにらみ合わせながら、適当なものを見繕っておくのだが、今回は失敗した。今朝、雨の様子を見ながら撮ってきた面白くもおかしくくもない写真である。
 「だけど、シラサギも遊んでいるし、これはこれでエエのと違うのん」、といってくださる方が一人でもおられたらうれしい限り。実はこの写真、三上で撮ったのは土台の田圃と三上山だけ(6月21日付『三上山日乗』の写真)。シラサギは別の場所で撮ったものを KikuchiMagick でくっつけた。シラサギは田圃で遊んでいる4羽と、飛んでいる1羽、それぞれ別のデータ。シラサギは河原にいたり、木の上にいたりするが、このような作業をするには、やっぱり田圃の中にいるときのものが仕事がしやすい。画面全体が黒の中にシラサギを並べ、「比較明コンポジット」で合成すると以外と簡単にできあがる。
 参考のために原本をどうぞ(原本1)。これはすぐに分かるはず。これをもとにした合成用原本1もう1枚(原本2)。これは分かりにくいかも知れない。画面の真ん中、田圃の中で小さく飛んでいる鳥。これがどないしてこんなに大きくなるの、向きも逆だしと思われる方もいらっしゃるはず。
 実は三上山の写真も、シラサギの原本1も長辺が4032pxのデータを、700pxに縮小している。すなわち原本の約6分の1の大きさになっている。それに対して原本2は縮小せずに、原本のままトリミングした。それを左右ひっくり返してはめ込んだという次第。結果、縮小されていないから、縮小されたものよりは大きく見えるという勘定。  




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