三上山物語・U

毎月1日、11日、21日発行
 

2013 05 月/011121

一覧表/目次
■043  発行:20130501


写真拡大

■ナノハナ
 撮影場所:野洲市三上 (地図)
 撮 影 日:2013.04.29
 世間様ではゴールデンウィークというらしい。TVやラジオでは、やれ海外旅行だの、高速の渋滞だのと騒がしい。当方にはそんな空騒ぎは何の関係もない、と思いきや、どっこいそうはいかない。我が家の横を旧の集落から農地へつながる道路が通っている。そこを独特のエンジン音を響かせてコンバインが通る。これが我が家で感じる毎年のゴールデンウィークである。
 ぼちぼち田圃に水が張られたころかと行ってみると、以外と静かで、農道に駐っている軽トラもほとんど見えない。見る限りの半分以上が麦畑だった。そういえば何となくコンバインの音も数が少なかったのはそういうことだったのか。
 ここは、私がいつも定点撮影のポイントにしているダイアナ前の小さな畑である。その片隅にナノハナが2株綺麗に花を咲かせていた。ナノハナというと、畑一面ナノハナ畑というのが多いが、ここはその2株だけ。回りはすべて麦畑、お互いが引き立てあっているという感じだった。



一覧表/目次
■044  発行:20130511


写真拡大

■風かおる
 撮影場所:草津市矢橋帰帆島 (地図)
 撮 影 日:2013.05.03
 GW後半は好天に恵まれた。連載している『湖国と文化』誌原稿取材で矢橋帰帆島へ行く。湖岸道路は車がひっきりなしに通り、帰帆島の琵琶湖側の駐車場はすべて満車の状態だった。湖岸道路の矢橋帰帆北橋の南詰め、帰帆島側のT字路は何故か知らないが車通行止め。その横をすり抜けて島内へ入ると、琵琶湖側駐車場の喧噪が嘘のように静かである。ときどき水環境科学館あたりから足を伸ばす人が通るぐらい。鳥の鳴き声だけが聞こえて来るという別天地である。
 これは新草津川河口から見た三上山。草津川はかつては天井川で、その下をJR琵琶湖線や国道1号がトンネルでくぐることで有名で、湖岸道路の北山田町あたりの岬で琵琶湖へ注いでいた。それが平坦化され、帰帆島と本土との間の水路へ流れ出るようになった。写真に見えている橋が、新草津川河口にかかる橋である。写真で単純に見ると、手前側(帰帆島)と対岸(本土)とを結んでいるように見えるが、そうではない。帰帆島と対岸・本土との間は幅約300mほどの水路があり、新草津川がその水路に流入する。今見えている橋は本土間で、新草津川を跨ぐ橋である。こんな面倒くさい文章を読むより、一目瞭然である。



一覧表/目次
■045  発行:20130521


写真拡大

■黒い三上
 撮影場所:野洲市行畑 (地図)
 撮 影 日:2013.05.08
 「三上山日乗」でも述べたが、5月7日、晴天だったが一日中強風が吹いた。撮影に出たが、カメラの保持もままならずほうほうの体で逃げ帰った。よく8日は風も収まり透明な空が広がった。田圃の縁の柿の木を目当てに野洲市八夫(地図)へ出かけていった。
 現場へ着いて振り返ったとき、瞬間、三上山だけが雲に陰っているように見えた。ちぎれ雲が多い冬の晴天の日などによく起こる現象で雲の影が走る。とくに八夫・比留田方面から見るとき、妙光寺山が手前に横たわり三上山がその向こうに上半身を見せる構図になり、漠然と見ると一つの山に見えてしまう。それが判別できるのが、どちらかの山が影になるとき、とくに三上山が影になるときだった。そのとき八夫から見た風景がまさにそれだった。しかし、その日は雲一つない快晴。雲の影が山に落ちるはずはない。
 しかし、肉眼で見るとはっきり見分けられるその区別も、いざ写真に撮るともう一つはっきりしない。やはり遠いのである。それと雲の影でないとしたら、三上山だけが陰って見えるその原因は何か。もう少し近づいて見てみよう。ということで何カ所に立ち寄りながら、最終的にたどりついたのがここだった。場所は新しく開かれた野洲市行畑の住宅地、新幹線と国道1号に挟まれた場所である。白い建物群が国道沿いに並ぶ。左手前が妙光寺山の山すそ。両者を較べると明らかに三上山の方が黒い。新緑と常緑の違いといえばいいのか。三上山にもぽつぽつといわゆる新緑の木が見える。その色は妙光寺山全体と同じ色だった。




このページのトップへ 一覧表/目次