三上山物語・U

毎月1日、11日、21日発行
 

2013 02 月/011121

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■034  発行:20130201


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■正面尾根
 撮影場所:栗東市出庭 (地図)
 撮 影 日:2013.01.18
 前回「鼻筋尾根」として紹介した尾根である。鼻筋尾根は三上山から見て西に当たる野洲市三上から撮影した。手前へ伸びて来る西尾根と、向こうへ下る南尾根との間に人間の顔に例えると鼻筋に当たる尾根が雌山に流れ下る、その姿を見たところである。
 今回はその鼻筋尾根を正面から見ようと言うのである。(国土地理院地形図)。場所は栗東市出庭。野洲市三上から見ると野洲川を挟んだ対岸、国道8号野洲川大橋の南詰めから、左岸を700mほどさかのぼったところである。三上山からの方位が225度、ちょうど南西方に当たる。
 人間の顔を真正面から見たとき、鼻筋がはっきり見えないのと同じ理屈で、こちらから見た場合この正面尾根は言うに及ばず、普通の条件下では雌山などもほとんど見えなくなってしまう。
 同じ場所から三上山を見たところをカシミール3Dで作図をしてみると、山頂から、ひらかなの「し」の字型に下ってくる尾根筋が見える。正面の平らな面をわずかなふくらみとして見えるというところである。『近江富士まんだら』ではそのスケッチを道本裕忠さんにお願いしたが、表現に苦労をし最終的には一本の線で仕上げてくださった。
 さて、その見えない正面尾根をどうして写真に撮るか。というより写真に撮れるのか。1月18日、前回の鼻筋尾根を撮ったあと、正面へ回ってみた。三上ではあれほど晴れていた空が、出庭へついたときには雪空に変わっていた。一時間近く待って、やっと西の雲が切れ、山頂部が浮き上がった。尾根筋が黒く浮き出ていた。三上から見たときも尾根の付近が黒く見えた(前回の写真)。尾根筋だけ植生が違うのか、雪の積もり方が違うのか、素人の私にはそこのところが分からない。  



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■035  発行:20130211


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■国道1号バイパス沿い
 撮影場所:湖南市正福寺 (地図)
 撮 影 日:2013.01.05
 野洲川右岸、甲西北中学から北に広がる農地、左に大きく菩提寺山、その右後ろに三上山が見えるという構図である。
 国道1号バイパスが開通して、もう4,5年になるのだろうか。それまでは野洲川と十二坊に挟まれ、県道27号が山裾の集落をぬって走るというエアポケットのような地域だった。1991.01,03撮影の1枚
 いま農地の中程、湖南市菩提寺と正福寺の境辺りで農道の拡幅工事現場が行われている。この写真はその現場で撮ったもの。遠くに見えるフェンス沿いがバイパスである。クルマが走っているつもりで撮ってきたが、よく見ると1台も走っていない。撮り直そうかと思ったが、車が走っていないバイパスは将来必ず貴重品になる。三上山が見えなくなるときも来る。そういう意味でこれもいいかと思い直した。



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■036  発行:20130221


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■葉山川河口から
 撮影場所:草津市志那町 (地図)
 撮 影 日:2013.02.14
 草津市志那町と下笠町の境を流れて琵琶湖に注ぐ葉山川、その河口にかかる新葉山川橋からの撮影である。どういう事情か分からないが、大小3本の川がそれぞれ堤防1本を挟んで並んでいる。そのなかで写真の葉山川がいちばん大きい。
 近くの平湖が鳥の楽園で毎年何度か通うが、その近くの川は、今までしげしげと見たことはなかった。風景の基本が人工的な直線で、最初に見たとき余り意識に止まらなかった。多分葉が茂った風景だったことにもよるのだろう。いまこうして見てみると、まあまあまとまった風景かとも思う。
 葉山川は、JR草津駅北方あたりまでは太くはっきりしているが、それより上流は細い目立たない川になる。しかし地図で調べてみると旧石部町との境、栗東市六地蔵の山中から流れ出ているようだ。そんなところが源流なら、すぐ北を流れる野洲川へ流れ込めばいいものをと思うが、そうはいかないところに地形の妙があるのだろう。
 画面左端、浜街道沿いのゴルフ練習場のネットが見える。木と重なって余り目立たないが、これが対岸の下阪本あたりから見ると邪魔になって仕方がない。ものの見え方とは不思議なものだと改めて思う。




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