三上山物語・U

毎月1日、11日、21日発行
 

201211 月/011121

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■025  発行:20121101


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■古代峠秋色
 撮影場所:野洲市妙光寺 (地図)
 撮 影 日:2012.10.27
 花緑公園古代峠の巨岩をもう一度。上に乗っている巨岩もさることながら、それを支えている石組み、これが凄い。わたしも、過去何度かこのトンネルをくぐったし、その中から見える三上山も撮った。石組みが崩れたら命はないのだが、それを感じさせない。何の不安もなくくぐれるし、中にとどまることも出来る。銅鐸博物館の学芸員さんの話によると、古墳の奥の壁が崩壊して、トンネル状に残ったのだろうという。それにしても、この巨岩を動かした古代の技術、驚嘆に値する。
 もう3,4年前になろうか。朝日新聞あいあい滋賀連載『三上山物語』の写真を撮ろうと、久しぶりでここを訪れた。三上山側の出口を塞ぐように、上の写真でいえば左右の木の間、三上山が見えている部分に木が伸びていた。山が見えない。
 その足で、公園事務所を訪ね、当時の公園長のOさんに事情を説明し、「あの景観は公園の”売り”ですよ、木を伸ばしておくと、公園のためにもなりませんよ」と、脅迫まがいの台詞も。「分かりました、切りましょう」。その時撮った写真。切っておいてもらってよかったと思う。
 さて上の写真、10月も下旬、早くも周囲の樹木が色づき始めている。一見して分かるように岩が大きすぎる。これを小さくするにはカメラをバックさせる以外手はない。実際にはこれ以上は無理だった。    



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■026  発行:20121111


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■竜松の岩峰
 撮影場所:野洲市妙光寺 (地図)
 撮 影 日:2012.11.04
 このあとUP予定の「野洲川流域分水界巡り」の関係で、撮影場所が花緑公園古代峠付近に片寄っている。悪しからず。
 岩場の隙間に根を下ろし、竜のような姿で天に向かう松の木。わたしはこの松を竜松と呼んでいる。この場所は、花緑公園ふるさと館玄関前に立って正面を見るとき、左上の尾根筋付近に展望台のあずま屋が見える。その左の峰が尾根筋の最高峰で、それを越えた左側稜線上に、あずま屋とほぼ同じ高さに岩場が見える。ここはその岩場の上である。その岩場をアップすると、松の木が2本見える。そのうちの太い方がこの写真に写っている松(竜松)である。
 一方、古代峠からの遊歩道はこの岩峰を巻くようにして公園側を通過する。それに対して岩のトンネルの横から稜線づたいに進む道があって、まっすぐ岩峰へ向かう。そのとき岩場の中程に立つ松の木が写真に見えている松の木である
 ここから三上山は真南に見え、どう撮っても空が白く写るのが悩みの種である。    



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■027  発行:20121121


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■まっすぐな道
 撮影場所:野洲市三上 (地図)
 撮 影 日:2012.11.04
 我が家の横から新幹線をくぐって三上の集落へ向かう農道である。新幹線から集落の手前まで400mあまり全くの一直線。
 その日、起きたとき、東の空一面に雲が広がり、その下面が赤みがかっていた。日の出10数分前に起こる朝焼け(雲の下面がまだ地平線下にある太陽の光に照らされる)の始まりだ。と思ったのが間違いのもと、実はそれが下面焼けの終わりだった。それはすぐに終わり、現場へ着いたときにはただの日の出前の空だった。いい加減な判断で出てきたのが間違いのもと。しかし、せっかく出てきたのだから日の出を待とう。
 太陽は三上山の向こう側にあってなかなか姿を現さない。ずいぶん待たされた結果、三上山の中腹から日が昇ったのは、家を出てからゆうに1時間は経過していた。分かり切ったことなのに、馬鹿さかげんにあきれながらとにかく撮るだけは撮ろうと・・・。
 右下向きの光芒が雌山へ向かう。雌山の色が薄くなり、若干遠ざかった感じ。主峰が独立して、それがまた見事な三角形を示す。そのすそにいま立っている農道と直角に交わる道が水平に横たわる。雌山以外は、すべてが定規で線を引いたような不思議な風景であった。    




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