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ラフォーレ琵琶湖デジカメ教室
第3期作品集   NO.12
2009.12.14

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 秋の日  TNK
◆油絵の材題のようなクラシックな風景だ。思い思いに行く人の姿がいい。いちばん後の人物が、もう少し手前にいてくれたらもっとよかっただろう。光不足が物足りないが、この場所ではこれぐらいがいいのかも知れない。

 秋の彩り  TN
★撮るときは特に意識しなかったのですが帰って見るとバックの窓格子と紅葉の組み合わせが効いているかなと思いました。
◆”撮るときは特に意識しなかった”とのことだが、私は逆に意識をして、迷いに迷った結果菱形の中心に葉っぱを持ってきたのだと思った。偶然ならそれはそれで納得できるのだが、意識して合わしたのだとするとちょっとやり過ぎかなという気がしないでもない。いずれにしてもこういう幾何学的な人工構造物と自然の樹木等を組み合わすのは難しい。こうしてきっちり中心に合わせたことが、わざとらしく感じられるから。この場合、そうではなかったのだといっても、見る人はわざとらしさを感じてしまう。
  たとえばの話だが、右と下をカットして、左のカーブを生かしたらどうだろう。

 回廊の格子(修業僧の下足入れ)  TD  
★最初の授業で受けた広角、近づく、鉛直 等を取り入れた作品です。
◆宇治の興聖寺。格子の下は下駄箱だそうな。これがいっぱいになるときもあるのだろうが、いまは開店休業。猫の子一匹いない。格子に当たる陽がのどかだけによけいその感を強くする。廊下の突き当たりに、僧の姿でも小さく見えればいいのだけれど。

 晩秋の早朝  YG   
★惰眠を貪る地球の人々に、太陽が”起きなさいよウ”・・・とこえをかけはじめた。
◆一等展望台から見た琵琶湖の朝。横雲がたなびいて。これが日の出とともに輝き出すのだが、それはもうちょっと後。問題はいまの場合、この雲に惑わされた。結局、雲にも、下のヨットにも、手前のベランダの手すりにも、博愛衆に及ぼしで、平均をとったところで、水平線が画面を2分するところへ来てしまった。展望台からの写真は結構手強いぞ。

 木漏れ日煙る  FNHS   
★枯葉を焼く煙に木漏れ日が当っている。夢中でシャッターを切った一枚です。後日、指摘されたカメラ高さの変更に再度行きましたが、木漏れ日×焚き火の煙の条件が合わず、未だ撮れていません。
◆近場は撮り直しがきくというけれど、全く同じ条件が再現されることは絶対ない。だから写真は面白い。千載一遇のチャンスをいかにしとめるか。この時、カメラの高さは灯籠の屋根あたり。2基の灯籠の屋根が同じ高さで並ぶ。もう少しカメラを下げると、手前が高く、向こうが低くなる。その方が絵として落ち着く。これが”後日指摘されたカメラ高さ変更”の話し。落ち着いたいい写真だ。

 待ってた朝日  HND  
★安土の教林坊で撮りました。昨夜来の雨が残り薄暗い状態で、「太陽が出てくれたらな」と言う思いが通じました。
◆説明を読めば題の意味は分かるのだが、見る人はそんな状況は分からずに写真を見るのだから、写真の内容を題にした方がいいだろう。写真としては申し分のない光線でそういう意味ではモンクなしだが、まん中の2本が喧嘩した。シャッター以前にどちらを主にするかを決めておきたかった。


 日だまり  HR
◆向こうに木戸があって、ガラス戸があり、土間へ続く。それが土間にさす光を含めて一直線に並ぶ。撮影した時間がそういう状態だったのだろうが、何かにこだわったのかと聞きたくなるような気もする。「日だまり」という題からは、土間に当たる日の光をイメージする。そこで猫が居眠りでもしていたら、まさに日だまり。いま、猫はいないが鉢が2つ。これをポイントにして、土間の光を撮った方が絵になったのではないか。



 吊り橋怖い  HTTR
◆写真を大きくしてみると確かに手すりにしがみついている女性がいる。しかし、一見したところでは、つり橋の向こう半分の陽が当たっているところに目がいって、その女性に気づくのはいちばん最後になる。つり橋を狙っていたら、たまたまそこに怖がっている人がいたという構図だろう。初めからこの人を狙うなら、別の構図になるはず。



 野洲川  KTMR
◆野洲川の落差工。流れ落ちる水が見事である。日によっては釣り人がたくさんいるのだが、この時は無人。向こうに三上山が見えて、この落差と組み合わせて絵を作りたいところ。特に冬場、ここから見ると三上山あたりから太陽が上がる。しかし対岸の無粋な建物が邪魔をする。この写真にもその建物が写っているのだが、空の白さにまぎれて目立たない。これはこれで成功だった。邪魔なものを目立たなくする、これも写真の術。



 小 春   KUC  
★平日の「ブルーメの丘」、池から上がった鴨が春のような日差を浴びながら、のんびりと羽を乾かしていました。   合鴨の胸ふくらます小春かな(徹)
◆正体不明だが、太い木の柱があってその影が斜めに伸びる。そこにカモが2羽。結局この写真は木の柱だろうな。右のカモが少し隠れて、意味は分からないが、何かそこに物語があるように感じさせる。一つの心理写真かな。この木の向こうからもう1つ影が出ているともっとストーリー性が感じられたのだが。それは無理か。



 大空にもゼブラゾーンが!  MED  
★こんなに変わった縞縞の雲を見たのは初めてで、空の色が筋状に変わっていてビックリしたり感激したりでした。
◆どうしたらこんな定規で描いたような雲が出来るのか。まずそれを聞きたいものだ。1本だけなら飛行機雲が広がってということになるのだが。まさか10機もの飛行機が横一列で飛んだとも思えないし。と、あれやこれやと考えさすところが面白いところ。下に森を入れたのも正解だった。



 木 影  MEGW  
★西教寺。白い土塀に木立の影が手前の紅葉との趣を撮りました。
◆手前の紅葉云々ということだが、それほどの紅葉も見られない。それよりポイントは白壁に映る影だろう。そのスクリーンを横切る細い枝と葉っぱは結果的に邪魔だった。影を主題にというのだから、影だけで勝負すべきだったと思う。入れるとしたら、右端のV字型の木ぐらいだろう。とはいうものの、影を主役にするには、よほどしっかりした材題でなければ難しいだろう。色を持った実体があるところに、黒い像だけで乗り込んでいくのだから。



 秋深し  MTI  
★葛川にある静かな境内で、斜光を浴びた紅葉が眩しかったので、思わずシャッターを切りました。
◆紅葉の下に灯籠が1基。それが夕日に照らされている。左にもう1つ、コマイヌかな、何かがあるのだが、それはうまく目立たないようにした。2つ並んでいたら妙なもので、これは正解だった。あと気になるところは、なぜカメラ位置を灯籠に正対させたのかということ。もう少し斜めからでもよかったのではないか。



 こもれ陽   MTKW
★八瀬瑠璃光院の茶室。人ひとで瞬時の空きを見つけて写しました。庭をとりいれたかつたので、フラツシュはたきませんでしたが。
◆茶室の中なのだろう。庭から光が入って、畳を照らす。何というのかな、名前は分からないが、手前にある仕切り、絵としてはこれが邪魔だった。お茶の世界では何か意味があるのかも知れないが。これを外して絵を作った方がすっきりしただろう。 カメラが勝手にフラッシュをたくのに気がつかない時代に、「たかなかった」と意識することは、大切なことだ。



 落葉のじゅうたん  MTST  
★12月はじめ高島トレイル、尾根縦走しました。足音ガサガサ音が聞こえてきそうです。
◆湖北の山間部では、木がこのようにしなるのか。北アルプスの森林限界近くのダケカンバはこのようにして伸びて行くのだけれど。ホント落ち葉を踏む音が聞こえてきそうだ。もう少しはっきりした光が当たっていたら、いい写真だったろうな。いわゆるイベントものは、日が決まっているからなー。



 静かな光  MYST  
◆参道の手前に落ちる木漏れ日をうまく使った。一目見たときに、まず第一にこの光に目がいく。そして暗い参道をくぐって明るい橋の上へ。その手前で落ち葉をはく人。その人のエプロン姿が、石畳に沈んだのがおしかった。上端、中央に遠くの屋根らしいものが白く飛んでいるのが気になる。カットで逃げる手もあるが、出来れば撮影時に処理しておきたかった。



 秋 色  MRKW  
★秋の風景を求めて公園内を探しました。あまりやったことがない前ぼけを試してみました。
◆紅葉としては大して美しくもない葉っぱを捉えて、前にボケを置くことでうまきうまとめた。向こうにも木があるらしく、枝のないところがすっぽ抜けしないこともよかった。光線がもう少しはっきりしていたら、いい写真になっただろう。



 たえしのび  MRT  
★打たれても、打たれても耐え忍び見る者には美しさを与えている石。とても心を打たれました。
◆自分の思いが石に乗り移ってというところだが、私にはこの黒い部分が穴に見えた。どうして穴から水が飛び出してくるのかが分からなかった。説明文を読んで、やっと石だということがわかり、全体のイメージが理解できた。そのわかりにくさは、石を真上から見ていることによる。可能ならばもう少しカメラを下げて・・・。それが可能かどうかは分からない。


 琵琶湖横断  SKI
★気球は比較的低いが、水中で脚立に乗り撮影していた報道関係カメラマンが去って行く影と波、船(救出船)、この写真も捨てがたい気持ちです。
◆3枚送られてきたが、気球の大小の対比などから、これを選んだ。いちばん手前の大きく見えるのが、もう少し高かったら、もっとパンチが効いたのだが、しかしトータルとしていい写真だ。”そうか、あんなに遠くまで飛んでいくのか”という思いが感じられる。



 晩 秋  SSK  
★紅葉はあっという間に散って、裸木になってしまいました。自転車を押して男性が通りかかったのでしめた! と思ったのですが、気を使ったのかまわれ右していってしまいました。もう少し男性が大きく写っていたらよかったのですが残念でした。
◆もうすっかり葉を落としてしまった。自転車の男性は、ちょっと小さすぎた。人物を入れるには、お互いが確認を取り合える状態でないと無理だろう。偶然ではとても無理だ。声での連絡が出来るのかどうか。携帯電話で連絡取り合ってという世界だろう。

 森のコナラの秋  TKMY  
★森の中で、陽を求めて他の木々と競争するように大きく大きく伸びあがっているコナラ。その先の方で冬の準備作業の紅葉が始まっていました。きっと、やって来るだろう春の温もりを信じて。
◆中央の太い木を見上げたところ。こういう木立の中ではよく使われる手だが、その木がまさに中央に来た。ちょっと正直すぎた。たとえば先っぽはいまの位置として、幹の出所を左下にしたらずいぶん様子が変わっただろう。




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