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ラフォーレ琵琶湖デジカメ教室
第3期作品集   NO.11
2009.11.09

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 姉川河口で待つ夕陽  TKMY  
★アユが産卵のため真っ黒になって遡上していました。夕陽を待つ写真家と禁漁期の釣り人が一人、雄大な河口を独占していました。虹色に輝き始めた大空と共に、改めて琵琶湖の大きさ、美しさに畏敬の念を感じます。
◆カメラマンは何とか判別できるが、釣り人はよほど注意しなければ分からない。一目見て分かるぐらいまで近づ来たかった。と同時に、湖面の反映をもう少し右は持っていきたかった。

 姫みだれ雪  TNK
◆難しい題だけど、クジャクの羽のように見える。花かツルか、こういう方面に知識が乏しくて申し訳ない。写真としては、葉っぱが出てくるところがポイントになって、視点がはっきりしている。いわゆる一面ものとは少し違う点である。葉っぱの向きによって明るさも違い立体感も感じられる。これはこれで一つの作品になっている。


 日の沈むころ  TN
★前回は朝日でしたが、今回は反対向きで夕日です。何度も行きましたが、天候に恵まれず残念でした。
◆前回は後に大きな建物があって絵になりにくかったが、今回は反対側からで、建物の件は解消できた。しかし、太陽を狙ったのかポールを狙ったのかが判然としない。これは行き当たりばったりでなしに、何月何日と計算して、その一週間ほど前から下見をする。当日が駄目なら一年待つ、それぐらいの覚悟がないと撮れないだろう。

 籾殻山  TD  
★脱穀機から飛び出している籾殻が背景と同じ色目で少ししゃがんだが無理でした。稲藁が無造作に立て掛けられていました。
◆籾殻の山、左上からの光が何ともいえず美しい。右上の筒から流れ出る線が少し見える。もう少し右へ寄って、筒に近づき、左上の陰の部分に持っていったら、見えたのではなかろうか。昔ながらといえるかどうかは別にして、こののどかな農村風景のバックに、自動車が写っているのは何か意味があったのだろうか。

 ファンタジー浜大津  YG   
★滅多に見られぬ静かな姿。”野菊のごとき君なりき”の撮影手法を思い出します。
◆伊藤左千夫原作”野菊の墓”、木下恵介監督、回想部分で映像の周囲がぼかされて当時話題になった。なるほどそれの現代版か。山に霧がかかってそれが湖面に映って、”鏡のごとき湖なりき”。見事な静かさである。色彩が単純になったのもよかった。


 湖北のプラットホーム  FNHS   
★余呉湖一周サイクリングし、復路、ふと気付くと夕日に輝くススキの群生がプラットホーム沿いに茂ってた。 ◆逆光に輝くすすきの穂、光る2本のレール、旅情をそそる写真である。この場合考えなければならないのが、ホームの三角形の大きさ。これをどこまで入れるか。それといちばん手前の電柱の置き方。今の場合は少し大きすぎた。この二つを勘案してポジションを決める。あと画面ギリギリに見えるレールの反射。これがしっかり入って、向こうに小さく電車が見えたら完璧だった。

 すいれん  HND  
★平安神宮。
◆水面も背景も暗く影になって、そこに浮く睡蓮の葉が、逆光を受けて光った。順光なら、葉っぱは汚いみどりに写って魅力がないのだが、この場合はテカリ気味なのがかえって成功した。結果、点在するスイレンの赤が目立つ結果になった。うまい写真である。


 チアガール  HR
◆なんとまあ、こんなことが出来るのだ。さすが若さ。それもニコニコ笑って、練習のたまものだ。おしかったのは、左の女性の足と鳥居の足とが重なってしまったこと。あとほんの少し左へ寄れていたら、そしてカメラをこれも少しだけ右へ振っていたら、左端の白いテントらしきものもカットできた。人が多くて自由がきかなかったのだろうことは想像できるが。



 夏の忘れ物  HTTR
◆”夏の忘れ物”なるほど、いい題だ。ポイントはもちろん蝉の抜け殻で、この場合、画面右半分は意味がない。カメラの能力のこともあるし、撮影者の身長その他の条件もあるが、可能ならば、もう少しアップして、両方とも下のカラのような形に写るポイントを探す。不可能かも知れないが、それに近いところを。上のカラも下のように見えたら決まり。これも粘りである。



 鳴戸大橋  KTMR
◆鳴戸大橋を手前の橋脚を中心に構築物として捉えた。そういう意味で一応の納得は出来る。右が少し開いているから、カメラを少し右へ寄せて、2番目の橋脚との関係をもう少し明確にした方がよかったか。そうすると必然的にカメラは左へ振らねばならないから、海の反映も入って多彩な絵に出来た。



 野分雲   KUC  
★この木と初めて対面したのは、台風の通り過ぎた翌日、野分の日であった。Sさんのお庭を秘かに訪ねる後ろめたさを感じつつ。
   野分雲幸追いかける幸のあり
◆低い雲と高層の雲との対比、台風のあとで、おそらく両者は動きも違っていただろう。ただ残念ながら写真にはその動きは写らない。その瞬間の雲の状態が写るだけである。低い雲はこの位置で仕方ないとして、カメラをもう少し上へ振ると、左上のブルーの空が大きく入ってきただろう。絵のバランスとしてもその方が落ち着くはずだ。



 雲間の夕陽  MED  
★黒い雲が太陽を覆いかけてきたので撮るのを諦めかけていたときに撮れた写真です。
◆太陽と雲の関係。黒い雲の中に光を受けたすすきの穂。それが半逆光に光っている。雲が動いていることが実感できる。太陽はこのあとすぐ雲に隠れるのか、それとも雲に隠れていた太陽が姿を現したところなのか、雲の動きも感じられるが、同時に時間の動きも感じられる。いい写真である。



 見上げると  MEGW  
★真綿の様な雲の趣を背景にホトトギスの花をローアングルでチャレンジする。
◆いい雲だ。ホトトギスもさることながら、この雲が勝負のポイント。雲のない青空がバックではこのような写真にはならなかっただろう。この雲を見逃さなかった作者の勝ち。右下に見える軒端もこの場合は正解だった。左下の花は悩むところ。カットすれば単純すぎるだろうし、もう少し入れた方がよかったか。



 里の残り柿  MTI  
★美山で秋の里山の佇まいを感じシャッターを切りました。 ◆最近張り替えられたのか、新しい三角板。屋根そのものもそう古くないから、最近吹き替えられたのかもしれない。そこへ柿の実を持ってきた。問題はこの柿の実、特に下の重なった二つ、これがいい光を受けて目立つ。これをどこへ置くかだ。屋根をもう少し左下へ下げて、屋根裏の暗いところへ持ってくるか。もちろんいちばん上の実は青空へ出る。



 往く秋   MTKW
★動きの速いものに、初めての挑戦です。なかなか羽を開いてくれないので、羽ばたきする画像は無理でした。
◆きれいな蝶。知識のある人なら、すぐに名前が分かるのだろうが。拡大すると触覚や、密を吸うパイプ(何といったかな)までしっかり写っている。それでいて一見この蝶が動いているように見えるのは、バックの不思議な線。決して流れているわけではないが、如何にも何かが流れているように見える。それが蝶を動かしている。うまくいった。



 怖っ!カマキリ完食  MTST  
★至近距離50センチから手を伸ばして撮りました。ピント?そんなこと考えている余裕ありません、怖かったです。
◆ハチか何かがカマキリを食っているところか。この地球上で日常的に起こっていることだろうけれど、こうして映像で見ると生々しさを感じる。まあしかし、よく考えてみると、地球上でいちばんえぐいことをやっているのが我々人間で。これが仏様の教え。



 水ぎわの影  MYST  
◆水辺の鉢植えが爽やかな色で捉えられた。全体像を収めるか、影を中心に絵を作るか。結局、両方組み入れて、結果中途半端になった。これは上半分は雑然としていてあまり魅力がないから、それは捨てて、カメラを下に向けた方がよかった。もっと爽やかになったはず。



 舞台の上の名月  MRKW  
★目立つ二つの対象物の表現で、月が主役ではあるのですが、行燈と合わせてこんな中秋の名月の表現もあるのかな。◆液晶画面を斜めから無理に見ると、山か何かがかすかに見えるが、印刷にすると多分無理だろう。薄暮時の山影は肉眼ではっきり見えなければ無理だろう。そこに月が昇る。手前の行灯に対してはあたりの雰囲気を感じさせるぐらいの弱いストロボをきかせる。いずれにしても、これは暗くなりすぎて無理だった。



 葛 藤  MRT  
★木曽川(寝覚めの床で)。
◆水が渦を巻き水面に抽象的な模様を作っている。題が哲学的で難しいが、これらの模様が互いに反対向きに動きまとまらない様子をいっているのだろうか。この画面から、何か具体的な意味を感じ取れというのは無理なことだが、結局この写真を何に使うかで、価値が変わるのだろう。


 輝 く  SKI
★絞り優先で撮りました(F値5.6)。綿毛の本数がもう少し少ないと良かったのですが・・・。
◆データを調べるとレンズは100mmだった。後の丸ボケがいい。100mmでF5.6ならこれぐらいのボケにはなるだろう。贅沢をいえば、丸ボケに対して綿毛全体が少し右へ寄っていたらもっといいバランスになっただろう。綿毛の数はこれでいいだろう。



 朝 霧  SSK  
◆霧の日に出かけていった。いつもは狙えない方向にカメラを向けられたという。それが分かっただけでも大きなプラス。さてこうして出来た1枚。このままで置いておかないで、明るさをいろいろと変えてみる。暗くしたり明るくしたり。そうすると別の絵が出来るはず。そのイメージを次の撮影に生かす。霧の日は多分プラス補正が生きるはず。

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