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ラフォーレ琵琶湖デジカメ教室
第2期作品集   NO.12
2008.12.08

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 渡り鳥  KTMR
 見事な雁行だ。いいチャンスに巡りあった。鳥、飛行機、タコ、空にあるものは一つ一つは小さく写ってしまう。大きく撮ろうとしてレンズを長くすると対象物だけが大きくなるだけで、周囲の状況がつかめない。難しいところだが、この場合は画面いっぱいに広がったのがよかった。バックの雲もスケール感を出すのにプラスになった。手前に木か何かがあるともっとよかった。



 近江富士  KUC
★白銀の荻の穂纏う近江富士(徹)
◆山の裾がもっと見えるのだろうが、あえてカメラを下げた。右上の白雲を入れるためだろうが、一応の目的は達した。しかし、何となく落ち着かない。なぜか。雲は3番目として、オギと山とはどちらがメインなのかという問題である。これをきっちり決めることが先決である。



 早朝の河霧   MED
★何度も足を運んでみましたが、行くたびに天候と風で霧の雰囲気が変わっています。 
◆日の出直前の川霧というところだが、この絵でまず目をひくのは空の美しさ。左側の雲の美しさから、右の青空への変化。カメラもそれに露出を合わせたから、川霧に対してはアンダーになった。よく見ないと川霧だということがわかりに
くい。この状態では、空の美しさには勝てないから、カメラを上に向けて空を広くとる。空が飛ばない範囲でプラスの露出補正をする。



 映し絵   MEGW
★池に映し出された紅葉に幻想的で神秘な感動を受けました。
◆池に写る像をメインにした。こういう場合、池の上の実物が往々にして飛んでしまうことがあるのだが、この場合はうまくいった。光源の強い光が目障りだが、これを完全に処理するのは難しい。ライトアップの写真としてはうまくいった。



 錦秋の輝き   MTI
 全体としてみるといい光だ。ちょっと歯切れの悪いいい方だが、中心になっている幹や枝に当たる光は、横から来て文句なし。なんだが、何故か分からないが、上の真ん中に大きく存在する赤い葉っぱが影になっている。光の裏に当たるのかなー。ちょっと事情が分からない。この部分が赤く明るく輝いていたら、いい写真になっただろう。左下のでかい石か作り物か、これが多少目障りではある。



 落 日  MTKW
 暮れ行く空にアシの姿。叙情的な写真。とくに左下から伸びてくるメインのアシのシルエットがいい。すーっと伸びた茎から交互に出ている葉っぱが何ともいえない。空の色が、アシのバックが明るく、右へ行くほど暗くなっていく。この変化もなかなか憎い。「落日」という題になっているが、この場合の太陽はあまり目立たないから、別の題の方がよかっただろう。



 イチョウのじゅうたん  MTST
 どこかの公園のイチョウの葉っぱ。奥の木は別にして手前の2本、右側がほんの少し近いようだが、左側のほうが太いため、結果的にほとんど同じ感じになった。もう少しカメラ位置を変えると、この2本の木に大小関係ができて、遠近感が生まれる。要するに今のままだと、2本の木の根元は水平方向に並んでいる。これを対角線上に並ぶようにすると絵が落ち着く。



 ふるさと  MYST
 たしかこの写真には電柱が写っていた。「これさえなければなー」ということで谷レタッチ工房の出番。電柱と電線をとってしまった。そういう外科手術の是非はさておくとして、ここではこれを原本として見てみる。せっかくのふるさとの山が、前の枯れ草に重なってしまったことが惜しい。それと左のススキ、これがもう少し大きかった方がいいだろう。見本としてMTKWさんの作品がある。



 スキー場の秋  MRKW
 一見すると大きな動物の背中を見ているようだが、ススキの穂が1本1本しっかり写っている。日陰にあるリフトもこの場合はいいアクセントになった。ススキの山だけで、絵を作れるところだから、はじめから意図的に入れたのだろうが、これは成功した。あともう一回り外周を広く入れてもよかったか。



  大 木   MRT
 大木をワイドで下から狙った。一見して砂浜を水が流れた跡かと思わせる。奇抜な構図である。写真造りへの一つの挑戦だと考えると面白い。木の幹の上部に暗い部分があるが、そこの所までカメラを下へ向けて、その分下を広げても面白かっただろう。次の挑戦へ期待。



  妙見寺の紅葉  MRYM
 スケールの大きな木らしい。青空をバックに右側から伸び上がる幹がいい。下にも枝があるのだが、バックと重なってしまって、あいまいなのが惜しかった。
 せっかくのいい材料だがあまりにもそのものズバリで何か物足りない。何をプラスしたらいいのかな。 



 葉  NSMR
 「葉」という題の意味が分からずに先ほどから悩んでいる。水面に浮かぶロープについているのが葉っぱなのか、ロープと噴水とが一枚の葉っぱなのか、それとも何かの手違いなのか。幻想的な噴水を、それも一部をカットして右端におき、水面の弧と組み合わせて絵を作った。なかなか憎い手である。



  題不詳  OOSK
 どこかの書院か。谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』を思わす写真である。開かれた庭園もさることながら、左右とその上の欄間の障子、そのほのかな明るさがいい。テーブルの表面の反射光、畳の目の方向の違いによる質感の差、すべて味がある。左わずかに見える手前の障子さえなかったら完璧だった。 



 仰木のミニ棚田   SKI
★お天気は良かったのですが、急に、空模様が怪しくなってきたので、その雰囲気を出そうと暗い空も入れて…。
◆コメントを読まずに写真を見ると、何でこんな暗い空をたくさん入れるんや…、と思う。ここが写真の難しいところ。一枚で「天気はよかった」ということも表現しなければならないのだから。画面を見ているとその名残はある。左上がわずかに明るい。ということは天気は右側から急変してきたということ。誰が見てもそれがすぐに分かるように絵が作れたら勝ちや。



 花野  SSK
 レンズの癖かも知れないが、画面の中心部がわずかに明るい。それが雰囲気を盛り上げている。晩秋の原っぱの雰囲気がよく出ている。全体として色調が統一されており、安心して見ることができる。絵としては、これも一種の群像もの、何かポイントになる一つがほしい。



 五線(音楽が聞こえてくる)  TNK
 なるほど五線紙か。こうして電線が光るのはよく目にすること。それにカメラを向ける勇気がすばらしい。バック全面が影になるところを探し出したのがよかった。これが部分的にでも空が映っていたら効果は半減しただろう。屋根の上の温水器?の光も、自動車の屋根の光もこの場合は雰囲気を盛り上げている。いい写真である



 秋 彩  TN
 青空に白い雲、そこでススキが踊っている。秋の風情は分かるのだが、もう一つ、「オッ」と思わすものがない。穂に光は当たっているのだとは思うが、ピリッとしない。空の明るさに穂の光が喰われてしまったのだろう。光のとらえ方が中途半端だったのだろう。 



 ナンノキ?  TD
★全てが黄色く見える中でここだけが青い空に抜けていました、思わずシャッターを押しましたが?、親切に新しい看板にカバノキ科ハンノキとありました。
◆いままで見てきた範囲では、こういう写真は木の集約点が画面のど真ん中へ来てしまうのが多かった。これはそれを右上へ持ってきた。これが成功のポイント。メインの木の出所が、もう少し左の方がよかったか。いい写真である。



 紅  YMD
YMDさんのコメントによると、雨が降りそうだったという。確かに見ての通り、コントラストが乏しい。もう少し光があると何とかなったんだろうがなー。紅葉の葉っぱとバックの木とが同じ明るさだから、ちょっとしんどかった。



 紅葉のはしり  FNHS
★南禅寺大門の柱をT-字構造の軸にして静寂さと紅葉のあでやかさが表現できないか挑戦しました。
◆コメントにあるように、T字構図として考えたらしいが、ほぼ真ん中に1本どーんとあるのは、ちょっと異様な感じがする。これはもっとバックして、レンズを長く、何本かを並列に捉えて、その向こうに紅葉が…という構図にした方がよかっただろう。



 白神山地   HND
 大きな岸壁に沿って流れる渓流、そのそばの遊歩道。落ち着いた安定した絵になった。欲をいえば、渓流の石の上へ出て撮ると、絵はさらによくなっただろう。
 しかし惜しいことにカメラ振れ。画面から受ける印象では、そこそこの明るさのように感じられるが、どうしたのかな。  



 牛着岩  HR
 これは何とも、上は飛行機に乗って雲の上から見たような、下は船の上から見たような、どちらもすかっとして、どこにもかげりがない。凄い条件にでくわした。あんまりすかっとしすぎてあっけにとられている。どこかに一箇所泥臭いところがあると安心できるのだが。
 と、ここまで書いて考えた。すかっとしすぎている原因は何かと。画面を横切る2本の水平線(水面と雲の面)か。



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