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ラフォーレ琵琶湖デジカメ教室
第2期作品集   NO. 10
2008.10.14

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 夕立に煙る美山   HND
 山里に沛然と降る雨。いいですね。V字型の森の重なり、その交点に位置する一軒の家。その左の屋根が鈍く光っているのもいい。これがなかったらこの写真は締まらなかったかも知れない。普通このような飛んだ空はもてあますのだが、この場合はその一歩手前で踏みとどまった。グレーの空が目を民家に引き寄せる。あきらめてしまう雨の中でシャッターを切った執念が生きた。



 里の秋  HR
 静かーなー静かな里の秋、というところだけれども、いまはエンジンの音。その音を遠くに聞きながら、手前にススキを持ってきて絵を作った。その穂と黄色い稲とが重なって、お互いに殺し合った。この場合コンバインは準主役というところだから、カメラを下げて、ススキの穂を遠景の暗い森と重ねたらよかったか。



 日の出  KTMR
 そのものズバリの日の出。いつの場合にも、日の出に感動するのは人間の本能だろうが、カメラにはその本能がない。人間の感動をいかにカメラに表現さすか。ここが難しいところ。まず、その太陽を含む風景をどう作るか。しっかりした風景が先にあって、そこへ太陽が昇ってくる。この順序が大事。



 幸せの色  KUC
★薄紅は幸せの色蓮ひらく(徹)
 蓮の花に当たる光が実にいい。花に関しては文句なし。花の写真で難しいのはバックの処理。特にハスの場合は、どうしても大きな葉っぱが複雑に絡み合って来る。この写真の場合、大部分は影になって暗色で逃げられたのだが、2箇所だけ太陽が直接当たって目障りになった。残念。



 里の秋  MED
 稲刈りが終わったあとに彼岸花。まさに里の秋。右側のイネの株の曲線、それに沿うような彼岸花の線、ここまではうまくいった。MEDさんはこのあと左上の黄色いイネに目がいったのか。その結果その間の草むらがどーんと入ってきた。上と左は捨てて、彼岸花と切り株だけで絵を作ったらよかった。



 舞   MEGW
 黄色い花にとまるアゲハチョウ。浅いピントが花とチョウの本体部分にきっちり来ている。羽の先端部分のぼけは、羽の振れなのかアウトフォーカスなのか判然としないが、いずれにしても見事なものである。右下の枯れた花を隠すぐらいまでトリミングすると、画面全体のバランスがよくなる。バックが整理されていたら上位に入った。



 水辺の貴婦人   MTI
 ホテイアオイの花を縦に並べた。手前の花が真ん中やや左にあって、あとの2つがやや右、このバランス、画面にリズム感がある。光が左上から、逆光気味に来ているがこれもよかった。浅めのピントもいいのだが、厳密に見るとどこかが甘いような気もする。ひょっとしたら、微妙な振れがあったのかも知れない。



 野辺の花  MTKW
 草むらの影に咲く彼岸花。オリジナルとトリミング版とが送られてきたが、これは後者。オリジナルを見ると、右上に飛びかげんの田圃やとんだ花が続いている。両者を見比べてみると、なかなかうまいトリミングであることが分かる。下部のうすい三角形はレンズが拾った五角形のゴーストの一部らしいが、これは完全にカットしておいた方がいい。



 永源寺上流  MTST
 愛知川の上流らしい。同じ場所から撮った写真が2枚送られてきたうちの1枚。他の1枚は上部に樹木が写った「何となくその辺を撮りました」という意図があいまいな写真。これは「川を撮りました」と、意図がはっきりしている。撮影の時点ではそこまで明確な意識はないだろうが、その違いを意識することが写真の第一歩。



 つた  MYST
 塗料がはげた板壁にツタが伝っている。なかなか雰囲気があるいい写真である。こういう場合も、ただムードだけで撮らずに、何か一つ目がいくところを作ると写真がぐんと締まる。この場合だったら、ツタの葉っぱでは、右下の赤い葉っぱ。板壁では、その左下のフシの部分。この2つをうまく画面に取り入れると強くなった。 



 憧れの槍ヶ岳  MRKW
 ガレ場から見た霧の中の槍ヶ岳。感激の一瞬。ピークの部分がほんの少しだが霧がうすくなった。ラッキーだった。ところでこの場面、小さく見える小屋の形から判断して、槍ヶ岳は仰ぎ見るほどの高さだったはず。しかし、このガレ場にはそれが感じられない。山の写真、特に斜面に沿って見上げる場合の難しさ。手前に登山者を入れることで、その姿勢から勾配感を出すことができる。 



 おはようと呼ぶホテイアオイ  MRT
 ホテイアオイはきれいに撮れている。ピントもしっかりしているし、光の状態もいい。問題は右側、曇り空が移った水面は魅力がない。それに1本飛び出している枝にはクモがいるらしい。折角きれいな花を邪魔している。もうちょっとバックを整理したらいい写真になったのに。惜しい。 



  木漏れ日  MRYM
 「木漏れ日」、なるほど左下の遊歩道に当たる光は確かに木漏れ日だ。と、考えてこの画面をよく見ると、右半分は大して意味がないことが分かる。「何となくその辺を撮りました。木漏れ日がきれいでした」というのと、「遊歩道に当たる木漏れ日がきれいでした」というのとでは、できた写真が変わってくる。自分はいま何を撮ろうとしているか。それをはっきりさせるのが写真の第一歩。



 いこい  NSMR
 竹笛だろうか、篠笛だろうか、横笛を吹く女性。目を閉じて音楽に集中している様子が手にとるよう。光線状態もよくてうまく撮れている。こういう場合、撮影者は自由に位置を変えられないから、無理な話だとは思うが、もし可能ならば、笛がある程度きっちり見える位置から狙いたかった。もう少し右へ回るのだが、それによってべた光線になったおそれはある。



 かけっこ  SKI
 ★SKIさんのコメント。「青空とは言え、ちょっと空が入り過ぎました。もう少し右から撮れば、塔も左へ寄ったし、走る子供達の前方に空間が出来たのでは…と思います」。
 この場合空は入りすぎてはいない。むしろカメラを低くして水平線を下げ、もっと広く入れは方がよかった。もっと右から撮れば…、確かにそうだ、2人目と3人目が離れすぎていたから、絵が作りにくかった。無意識に塔にこだわったのかな。



 いにしえの  SSK
 標準かやや長目のレンズで、灯籠の上半分をアップした。部分はしっかり撮れているのだが、もう一つ狙いがはっきりしない。あえていえば屋根の苔がポイントらしいが、もしそうだとすれば、このままではちょっと説得力に欠ける。それを狙うとすれば、広角で対象物に肉迫する。



 新しい命  TNK
 ソテツの新芽かな。出てきたばかりの若葉の感じがいい。長いレンズを使ったのか、ピントが浅く、後がきれいにぼけている。2本が重なり気味だから、あと少し右へ回ればよかったかも知れない。それによって、バックもさらによくなったのではないか。



 陽・影   TN
 この木はどういう木なのか。幹の太さから考えて、そこそこの大きさに見えるのだが影が細く直線的。さらに影の部分だけが草がなくなっている。不思議な木だ。その影と光が交互に平行に並んでいるのに着目したのだろうが、これだけではもう一つ手持ちぶさた。遠くにいる犬が、光の部分のどちらかにいてくれたらよかったのにね。



 影  TD
★TDさんのコメント、「朽ちた煙突の影の様ですが少しずれています?ハイ 隣の煙突(頂部)の影です」。
 TDさんの写真にはいつも引っかけられる。わいわい村の特大急須もそうだし、これもしっかり見るまでは、写っている煙突の影だとばかり思いこんでいた。この手の写真ばかりを集めるのも面白いかも知れない。



 伊吹山への脇道  FNHS
 伊吹を遠景に草むらに消えゆく道。秋の日の想い出。左の草むらが重たかった。人影が草むらに消えるところに思い入れがあれば別だけれども、そうでないならば、もう少し右によって、伊吹をススキの外に出し、道を奥まで入れた方がよかったか。カメラを下げてススキを青空に突き出す手もある。



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