一番後ろの女性が手をかざし光を遮りながら歩いていく。カメラから見ると後ろの床の方がはるかに明るい。そこを越えて何がまぶしいのかと思う。撮った本人はそれを意識していたかどうかは不明だが、私はそれが面白い。実はこの女性にしてみたら、床がまぶしくてかなわないのである。子供のころ夜道を歩くとき、月がいつまでもついてくるのが不思議だった。歩いている人から見れば、屋根の影は動かないが、太陽の光は自分と同じように動くのである。