元は何があったのか。大きな鉄板で締め切られている。使い古された赤いコーンが3本。所在なげに放置されている。電気メーターだけが、まだ現役を誇示するように生き生きとしてる。コーンに当たる光を見ると光源がカメラの背後にあるように見えるが、撮影者の影は見えない。何とも不思議なというか、不気味だというか。速く立ち去りたくなるような場所である。それでいてつい先ほどまでいた人の姿が見えるような。人の記憶にしみこむような赤である。画面の外側から車のヘッドライトが当てればさらに強くなるか。