波 紋
テレビのサスペンスドラマに出てきそうな、曰くありそうな風景である。タイトルは”波紋”と素っ気ないが、これは石か何かを投げ込んだものだろう。 それはいいとして、この風景が何故曰くありそうに感じられるか。よく見ると水に映った影が傾いていることである。建物の影が、このように傾くことがあるのか。上の実体の前面に黒い縦の線が見える。これは上下にまっすぐ立っている(ように見える)。ところが水に映った影は明らかに傾いている。これは理屈に合わない。何故か。 実はこれ、画面自体が傾いている。上の建物の白い柱の部分を見てほしい。これが左へ傾いている。普通の建築で柱が傾くことはないわけで、実体・影を含めてそれをまっすぐ上下に修正する(画面全体を時計回りに回転させる)と、気持ちの悪さは解消される。本来の黒線は建物からつきだす形で上部が少し前へ出ている(右に傾いて見える)ことが分かる。 |