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アルバム  NO.17
2011.02.27
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 左義長  ICK
 見事に燃えている。手前に燃え残ったササのシルエット、炎の向こうに人の姿も見える。炎の動きも感じられて臨場感がある。欲をいえば、こちら側に2人ほど黒いシルエットで人影が見え、その横顔に炎に照らされたハイライトが入れば、完璧だった。

 氷 華  IMGW
 普通よく見る写真は、岸辺の枯れ草や、流れ着いた枯れ木などに凍り付くところだが、これは岸に生えている木の枝に氷がついている。ここまで波がはねたのか。その状況を考えると凄いのだが、そこが写真の難しいところで、できた写真は賑やかすぎた。下の波しぶきが上の氷がを食っている。

 冬の池  MTOK
 裸の木の影が縦に写って、如何にも冬の水面。枯れた睡蓮の葉っぱがわびしい。写真としてはこの枯葉と池に映る木の影との組み合わせ。葉っぱをもう少し手前にもってきたいところ。池のふちで、自由に動けないところだろうけれど、可能なら体を動かして、そのポイントを探す。

 ともだち  TNK
 紅葉の落ち葉が降り敷く小径。その中を2人の女性が行く。「友達」というタイトルがついたが、この2人を主役にするにはちょっと小さすぎた。この距離は仕方がないとして、女性はあくまで脇役として、タイトルを変えた方がぴったり来るのではないか。あと数歩前へ出て、右に見えるみどりの葉を外へ出したい。

 光り   KJM 
 長いレンズを使った流し撮り。ほぼ決まっている。バックの架線柱の流れが動きを表現している。しかし、レールなどは、流れの方向と一致するため、ほとんど動きが感じられない。そこらのところが難しいところ。たとえば鉄橋を通過するところで狙えば、トラスの流れがきいてくるのではないか。

 秋   NKMR-k 
 路面に葉っぱが散っているところだが、木の影が如何にも初冬を思わせる。路面が褐色にまとまったのもよかった。左上から右下へ向けて、風が通りすぎたような動きを感じる。木の細い枝の影がなせるワザかも知れない。いい写真である。

 冬木立   SRI 
 白井さんのこのアングルは何度か見せてもらった。今回は葉を落とし尽くして、冬の弱い太陽に照らされているところ。バックを山陰で統一したが、右から左向けて徐々に淡くなっていく変化、これがきいた。とくに右端の暗いところで見せる細い枝のハイライトが絶妙。

 永源寺   MTNM
 画面大部分が塀、左の僅かな部分で、秋の紅葉シーズンを演出した。若い2人連れがきいた。これがいなかったら、ふーん塀か、で終わっていた。カメラを下げてバックの黄葉からの光りを塀の白い部分で受けるようにしたら、もっと秋の雰囲気が出たかも知れない。このままだと、屋根が邪魔をしているような気がする。

 ライトアップ   MBYS
 紅葉シーズン、庭におかれた光柱を上から撮った。黄色の円が土台で、そこから円筒形の明かりが上へ伸びているのだが、うっかり見ると、それが水平で、上からの強い光りに真っ白に飛んでいるようににも見える。私らの親爺が若かったころ、昭和初期に流行ったカンカン帽を思い出す。面白い写真だ。

 冬の晴れ間    ATRS
 柄が折れて使われなくなった手押しポンプが雪の中に。地熱がパイプを伝わってくるのか、その部分だけ雪が解けている。雪の描写が気持ちいい。とくに上端の木の枝を通してきた光りの影、これが冬の好日を思わす。郷愁を誘う心象風景である。

 厳冬の湖畔   MRKM
 雪の重みに耐えかねたのか、松の木が倒れている。湖をバックにそれを撮って、「厳冬の湖畔」とした。しかし、よく見ると、その向こうにも同じように倒れた木がある。とするとそれを捨てておく手はない。ビワコよりも倒れた木の方がニュースになる。手前の木を大きく、向こうの木も入れて。

 春近し   TNZK
 8割を超える白壁、それに裸木の枝が影を落とす。上端においた「へ」の字の軒の線、これがきいた。そして深い青空。大胆な絵である。カメラは白壁を読むから、空の青は必然的に深くなる。古い白壁土蔵でよく使われる手だが、それを新しい建物に対して使ったアイディアの勝利である。

 絹の流れ   YND
 滝の部分的なアップだが、細く糸を引くような水流の描写が秀逸。露出がぴしゃりと決まった。もしこれより少しでおバーになっていたら、白くぼてっとした流れになり、この表情は出なかっただろう。濡れた岩肌に見える僅かな光りも生きている。

 木漏れ日   OOT
 落ち葉散り敷く疎林に差し込む斜めの光り。それを真正面から捉えた。中央にあるちょっと曲がった木の影。これがメインだろう。これが一直線だと製図のセンターラインになって、ちょっと困ったことになったのだが、ほんの僅かな曲がりがそれを助けた。カメラをもっと下へ向けて太陽の明かりをカットしてもよかった。

 紅と黄   NKMR-m  
 赤はモミジの葉っぱ。これははっきりしているが、黄色はイチョウのようにも見えるし、モミジも混ざっているらしい。いずれにしても黄色の中に赤を配した抽象画である。そういう思いで見ると、具体的なイメージを見せる中央の幹をできるだけ隠したくなる。黒い稲妻が走るような線を生かして、上半分でまとめたらどうだろう。

 記念撮影  HYS  
 ン?、記念写真?。誰もおらんじゃないか。誰を撮っているのかと思ってよく見ると、ハトが。でもまさか、でよく見ると雲の上から富士山の頂が…。と、手の込んだ手品を演出したのなら成功だし、そうでなくて、本気で富士山を担ぎ出そうとしたのなら、ちょっと回りくどかった。

 雪の八幡堀   KDM  
 雪で開店休業の遊覧船が並ぶ。休業だからこれでいいのだと心に言い聞かして見直すのだが、見れば見るほど、船に落ちた影が重たくのしかかる。船が沈み込んで絵の上に出てこない。肝心なところにフタをされたようなもどかしさである。これは意地の悪い影だ。

 岩渓の流れ   NMR  
 場所はどこか分からないが、意地の悪い岩と光だ。渓流の流れはS字を描いて悪くはない。しかし凹凸の激しい岩が、斜めからの光りに照らされて騒がしくなった。水がそれに食われて引っ込んでしまった。

 カモメ   TJ  
 頼んだわけでもないだろうに、カモメが3羽、一、二、三と並んで着陸態勢で。いちばん下のなど、飛行機を真正面から見るようで…。大して望遠にも見えないが、バックがうまくぼけている。しかし、珍しいシーンだと言うだけで、話がそこで終わってしまう。曇り空のせいだろうか。

 大なまず  YMMT-k
 水族館での撮影らしい。実際の大きさが分からないから、想像するしか手はないのだがかなりでかいヤツらしい。と、想像しなければならないのがこの写真のしんどいところ。邪魔にならない範囲で、大きさが分かる尺度になるものがあればいいのだが。

 雪中二羽  YMMT-j
 いい題だ。雪の中の枯れアシに止まった2羽の鳥が適度な大きさで。例によって、私には鳥の名前が分からないが。枯れアシのごちゃごちゃがなければ、このまま床の間の掛け軸に使えそう。バックが雪で整理されたことで、鳥が浮き立った。残念なのは、上の鳥の頭が後のアシの線と重なってしまったこと。

 マンサク   MRSK
 村崎さんのマンサクも何回か見せてもらった。いままでのはもう少し葉の色が濃かったように記憶しているが。例によって葉のふちのハイライトにこだわったらしい。それは成功。しかし上と左の白抜けがしんどかった。とくに上端に波打つ白い線。

 仏 塔   KR
 吉良さんからコメントがあって、2年前にもこの塔を撮影して、私(八田)が「太陽を背にしての撮影で正面と側面の明るさがほとんど代わらず、立体感に欠ける」と評をつけた。今回はそれを意識して撮影したとのこと。前回は塔の部分だけだったが、今回はその下のドームも入れた。
 光は確かに間違いない。正面と側面の明暗差がくっきりと出ている。しかし、写真としては、ドーム屋根は扱いにくいものだ。前回の写真

 沈 む   TJMR
 沈み行く夕日を超望遠で撮った。強い太陽は望遠ではしんどいが、この場合は適当な雲があって、支障なくうまくいった。おそらく肉眼では見えるか見えないかの大きさだと思うが、この場合2隻の船に助けられた。これがなかったら、絵が単純になって持ちこたえられなかっただろう。できれば船がもう少し大きかったら。

 飛び立つ時  NGC  
 紫がかった水面から、いま飛び立とうとする白鳥。よほど水面が凪いでいたのだろう。白鳥の影が細い横線となっている。野口さんの白鳥も何回か見せてもらったが、こんな影は初めてじゃないか。うしろの4羽がもうちょっとうまく並んでいたらと悔やまれる。

 茜 色  INUE  
 最初何を撮ったのかと思ったが、よく見ると不死鳥が羽を広げて飛び立つところのようにも見えるし、新燃岳の噴火のようにも見える。とくに動きを感じるのは、上向きにそったような横雲だが、これで終わってしまうのがつらいところ。これを生かすには何かが必要。今すぐには思い浮かばないが。



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