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アルバム  NO.14
2011.01.09
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 古 寺   TJMR
 「古寺」という題だが、それがもう一つわかりにくい。画面で古寺を意味するものを探しても、塔の先端部分?が木の間に僅かに見えるだけ。それもはたして、棟の先端かどうかも判然としない。下半分の白いバックは屋根かとも思うが、このバックもしんどかった。

 よう?いらっしゃい  NGC  
 見事な羽である。確かに歓迎のポーズに見える。手前の羽は収まっている状態で、右側の羽だけを広げているようだ。鳥として何か意味があるのだろうか。いずれにしてもこの羽並びは見事である。写真としては、左の黒くつぶれた部分が大きいのが気になる。

 行 方  INUE  
 親子かな、友達どうしかな。昼下がり、完全な逆光の中短い影を落として行く。右側の女性の上半身、細いエッジが印象的。露出はどういう状態だったのか。挑戦的な写真だが、ほんの少し画面が暗すぎたか。といって明るくなれば、多分普通の写真になるのだろうし。

朝 露  ICK
 この赤は、新芽か紅葉か、そこらのところがよく分からないが、赤い葉っぱに朝露が宿る。ピントもぴしゃりと見事である。ただし、赤の難しさというべきか、色のしっとり感がでない。ひょっとして、これがそのままの色なのかも知れないが、光が表面で、問答無用で跳ね返されているような気がしてならない。

 秋 光  IMGW
 地蔵さんの頭なのか、事情はよく分からないが、こけむした古い石(だろう)にモミジの葉っぱが積もっている。それに不思議な光がそこだけに。写真としては面白いとらえ方をしているが、全体としてみると、絵が単純すぎた。さあこれを生かすには、何かを付け加えるか、逆にもっと切り取るか。

 散り葉  MTOK
 池にモミジの葉っぱが浮いているところ。作者は散った葉っぱを主題にしようとしているが、できた写真は池そのものが主役になっている。空が青空だとそれも救われたが、このときはタイミングが悪かった。曇り空はしんどかった。

 夜明け  TNK
 琵琶湖大橋の夜明け、鮮やかな色だ。上半分、濃紺の空に細い月。その下に金星?も見える。もう少し月を大きくしたいのだが、月の大きさはレンズの長さによってきまる。田中さんは多分レンズを伸ばしたはずだ。月は大きくなるが、橋が全部入らなくなる。たとえばこの月が橋の間から上がったと仮定して、昇ったばかりの月(まだ空は真っ暗だが、橋の照明はついているはず)を、望遠で狙ったらどうだろう。まだ誰も撮っていないはず。

 秋 色   KJM 
 太い幹を大きく入れたが、やや右に寄りすぎたか。カメラをもう少し右へ振ってもよかった。左端には余り魅力がないから。光の状態でいうと、葉の部分に光と影が雑然としていてもう一つ落ち着かない。もう一度絵を組み立てなおした方がよかった。

 円   NKMR-k 
 なるほど、ずばり「円」。薄い緑以外、ほとんど色のない状態で、モノクロームの手法を見る感じがする。この場合いちばん手前の葉が主役だが、その右端に見える小さい葉、これがきいた。それと大きな葉の左端、切れて写ったのか、それとも写っていたのを切ったのか。

 光   SRI 
 不思議な光である。池に広がっている葉っぱの、一部だけに光が当たっている。上の中村さんの写真と同様、モノクロームの手法である。印象に残るいい写真だ。光っている部分の手前3,4枚を大きくアップしても作品になっただろう。この光を見逃さなかった作者の勝利。

 神戸花鳥園   MTNM
 左下の花から垂れている部分。細いヒゲがきっちり見える。小さい花だろうに、見事なピントである。惜しいかな白い花びらに対して、露出がややオーバー。濃く焼く手もあるが、多分それをやっても全体がネズミ色になるだけで、細かいニュアンスは出てこないだろう。露出補正をしておくべきだった。

 木漏れ日   MBYS
 森の中の紅葉に木漏れ日が当たる。黒い部分が多い画面で、明るい紅葉の色がきっちり表現できた。露出補正がきっちりできたのか。もしAUTOでこれが撮れたのなら、カメラの勝利。絵としての最大の問題点は、紅葉のバックに見える中央の木だろう。前2本の間隔の少し右へもっていきたいのだが、さあ可能かどうか。

 嵯峨野の門前   ATRS
 薄日が射すぐらいの天気だったのか。それが幸いして門の扉や、モミジの葉っぱがニュアンスを失うことなく収まった。とはいえ、物事には両方いいものがないわけで、空が白くしんどくなった。左から出てくる手前の葉っぱが、門の向こうから回り込んでくるように見えるのが、この写真の面白いところである。

 山辺のみほとけ   MRKM
 地蔵さんをどーんとまん中へもってきた。周りを見回しても何も愛想になるものもなし、これではこう撮るしか手はなさそう。以前、春だったか秋だったか、絶好の光の下で撮った石仏を思い出す。あのときは花の枝が、ほとけさんの顔と重なって涙を呑んだ。今の場合、バックも魅力がないし、思い切って地蔵さん本体だけをアップするか。

 名残り   TNZK
 活け花の一部分を見るような繊細な写真である。切りつめた露出で、切れ切れに表現される細い枝。上のストレートの葉っぱの部分、下の表面で光が跳ね返ってくる葉っぱ。下で起こる跳ね返りが上でなぜ起こらないのか不思議だが、屋外の自然の中でこれを見つけたとすれば見事。

 光と陰   YND
 石柵を施された社か祠か。それの木漏れ日が当たっている。このほんのちょっとの光にカメラを向けたのがよかった。じっと見ていると、最後に気になってくるのが、手前横に伸びる細い枝と、小屋のかんぬき掛けが重なっているところ。

 おちつくなあ〜   OOT
 不思議な写真である。杉の木にモミジの葉っぱがついている。何か手品を見ているような。それがうまく影になって隠れてくれていたらよかったのだが、真正面からの光だった。太田さんはその不思議さを撮ったのだろうか。だとすると題の意味が・・・?。

 影   NKMR-m  
 石灯籠の屋根の部分に葉っぱの影が。そこだけをアップしたわけで、影が映っていなかったら、おそらくその面は白くとんで、目も当てられない状態になっていただろう。影をきっちり描写して成功。ただ、蛇足ながら、もし周囲の状況が許すならばもう一回り広く撮った方が、よかったのではないか。たとえば火袋の題の一部までなど。

 壁に映る風景   TKHT  
 ビルの外装にガラスが使われるようになって、カメラ雑誌などでもよく登場する。ガラスが完全な平面ではなく、写っている像が波打っているのが面白い。いちばん手前のクルマがもう少しどちらかにいて、通りが見通せ、ホテルの前でボーイさんがサービスでもしていたら面白かった。

 見上げて  HYS  
 ライトブルーの空に紅葉、上品な色彩配置になった。屋根を前景とした紅葉だが、どうだろう。この場合、屋根にとくに意図があれば別だけれど、手前の暗い部分は大して魅力があるわけではない。もう少し右へ回って、屋根を小さく入れた方が落ち着いたのではないか。

 寺の秋   KDM  
 「寺の秋」ということで、この親子は添景かと思って(事実児玉さんとしてはそのつもりだったのだろうが)よく見ると、子供に紐をつけて後から支えている。だとしたら、これがポイントになって、その向こうに紅葉が見える方が理にかなうのではないか。もちろんその場合、無理に近づくのがはばかられるのは百も承知だが。

 初冬の光   NMR  
 何の葉っぱかしらないが、木にススメが止まるような感じになっている。光線状態もいいし、枝に当たる光のエッジも見事。文句のつけようがないのだが、問題はバックの雰囲気。なんとなく色調的に荒れた感じで落ち着かない。細かく見て粒子が見えるわけでもなく、ただ何となく雰囲気の違和感だと思うのだが。

 秋 彩   TJ  
 色彩の組み合わせに多少派手すぎる感じはするが、絵としては上下3段見事な枝ぶりである。大きな幹も見たくなるが、多分緑の葉っぱが邪魔をするのだろう。いちばん上の白い岬と下のボケが多少気にはなるが。いい作品に仕上がった。

 兵主大社八ッ崎神事  YMMT-k
 撮影日は12月だとか。まあ何と寒いことを。水は思ったほど冷たくないという人もいるが、そういうヤツに限って入ったことがない。写真としては光が正直すぎた。しかしいい光を採ろうとすればもっと右で神主さんの後ろ姿になる。仕方ないか。後を少し詰めておきたい。

 小春日和に  YMMT-j
 4人が4人とも同じ格好で…というところ。手前の女性に肉迫してワイドで狙って、向こうにも同じことやっている人がいるという形になればいいのだが。児玉さんの親子と同じで、どうしてもこういう場合、気の弱いおじさんは腰が引けてしまうんだなー。かく申す私などもそんな勇気はありません。

 逆 光   MRSK
 一目見るなり村崎さんの作品と分かる。葉っぱの虫食いの孔から太陽の光というところらしい。葉っぱやその上の枝のハイライトが見事。主役の葉の左、シルエットの葉がうるさいのが気になる。といって、これがなくなれば、例のハイライトが生きてこないし。もう一度舞台を設計し直したらどうだろう。挑戦的という意味でその意欲を買う。

 雪 影   KR
 これはまた、得体の知れない巨大な動物の一部のようにも見える。こういう地形なのだろうが、それに雪がまた規則正しく積もったものだ。それに感心して見とれるのだが、それが終わると、はてさて面白い地形もあったもんだで終わってしまう。そこがしんどいところ。



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