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アルバム  NO.12
2010.10.24
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 チョウ   MRSK
 白い空をバックにコスモスに止まる標本のようなアゲハチョウ。かわいそうに羽が傷んでいる。花を狙っていた時に偶然蝶がやってきたのだろうか。多分瞬間のことだと思うが、ブレもなくピントもしっかりしている。意表をついた面白い写真である。

 祭を終えて   KR
 「祭を終えて」ということだが、その雰囲気があるようなないような。見方によっては単なる店先の写真のようにも見える。酒屋にソフトクリームがあるのも不思議だし、女性の足下の紙コップやビン(ビール?)も小道具なのかな。

 瞬 光   TJMR
 下の縦の線がスペクトルのような、色つきバーコードのような。これだけ細い線が並ぶのはよほど条件がよかったのだろう。微少な波が水面一面にあったということだろうか。しかし、この写真のテーマは花火。このスペクトルが脇役でしかないのがしんどいところ。

 餌を求めて  NGC  
 見事なピントである。セキレイが水面を伺っているはずだが、高速シャッターのため水が凍ったように見える。画面全体が青みがかった感じで、それが余計のこと氷を感じさす。レンズが長いはずだから、高速で切りたくなる意味は分かるが。

 黄金色の中を  INUE  
 バッグを提げて、犬をお供につれて、たんぼ道の散歩か。それも画面の上端に下半身だけを入れた。広々とした田圃の中であえてこのアングルを選んだのか。それとも向こうに民家などがあって、それをカットしようとして、結果的にこうなったのか。いずれにしても意表をつくアングルである。

 うんどう会  ICK
 下半身だけが2つ並んだ。こちらは運動会。玉入れらしい。玉を放り上げるだけだから、飛び上がることはないと思うのだが、ちょっとでも高いところから投げたいという心理だろう。全体を見せれば、ああ玉入れかで終わってしまうが、上を隠すことでいろんなことを考えさすところが面白い。

 芙 蓉  YMD
 芙蓉の花が大・中・小。葉っぱの抜けたところが青空で助かった。これが曇り空だと白くなって、花と喧嘩をした。3つの花が円弧を描いて並んでいるのが正直すぎたか。3つ目がもう少し左へ来たら。変化があっただろう。白い花びらの細部がきれいに描写された。うっかりすると真っ白に飛んでしまうところ、これはうまくいった。それにくらべて、葉っぱの緑の難しさ。

 秋 天  IMGW
 野洲川河口の朝だという。たくさんの鳥が舞っている。うまく出くわすとこんな瞬間があるのか。これが1分足らずの間にみなどこかへ行ってしまうのだろう。まさに一瞬の出会い。右側の建物の白い面が朝陽を表現して象徴的。

 竿自慢  TNK
 「釣り人」としないで「竿自慢」。いずれ劣らぬ高価な物なのだろう。趣味というヤツはゼニがかかるもので。かく申す私もカメラ屋にずいぶん奉公しました。
 多分これは写真が先で題があとだろう。「竿自慢」とするならば、釣り人に肉迫して、手元からアップ。竿のどこかが、太陽の光できらっと光る絵だったろう。全く知らない人には近づけない話だけど。

 眼 力  MYT
 小豆のような斑点があるぞと注意してみると、蜂かアブか。高速シャッターで見事に止まっている。この種のハチは見ての通り、胴にくらべて羽が小さい。この羽でこれだけの胴をささえるのだから、チョウなどとはくらべ物にならないぐらい動きが早い。その羽がきっちり止まっている。あらかじめ花にピントを合わせておいたのだろうが、ハチへのピントが見事。

 月下美人   KJM 
 月下美人のアップ。ストロボ一発ではなく、光に変化があって花の白さがうまく表現された。それはいいのだが思わず花の中心が画面のど真ん中に来てしまった。カメラの構造上やむを得ない部分もあるが、仕上げの段階で、右と上を少しカットしておきたい。

 お手伝い   NKMR-k 
 昔自慢をするわけじゃないが、子供のころよく「手伝い」をやらされた。それがいつの間にか「お手伝い」になった。女中さんがお手伝いさんになったように。うん、この子供も、やっぱり「お手伝い」の雰囲気。何がどうなのかは分からないが、「手伝い」ではない。これが写真の面白さか。写真は時代を写すというところだろう。

 バナナ花   MTNM
 バナナの花だという。といわれてもどれが花なのかよく分からない。室内か、屋外か、場所もよく分からないが、光が下から来て、上下逆ではないかと見直したが、右下に水滴がついていて、これで正位置らしい。今の場合はこの下からの光が生きた。

 紫   MBYS
 紫色の実に浅いピント。その範囲は葉っぱの幅1枚分あるかないか。その結果、実の真ん中辺には来ているのだが、手前は僅かにぼけている。きっちりピントが来ている部分がありながら、第一印象として、何となくぼけているように感じさせる。アップ物のピントの難しさである。光と影を使って画面に変化を与えた。これは成功。

 昼下がり   ATRS
 太陽がほとんど真上から来て、昼下がりの武家屋敷。そこをを白いパラソルをさした女性が行く。腕に通した荷物が重そう、買い物帰りらしい。日傘が白でよかった。赤でも黄でも青でも邪魔だったろう。あと数歩前へ出て、右の電柱は外したかった。

 楽しい仲間   TNZK
 どろんこの中で口の開いたペットボトルの取り合いかと思ったら、そうではなかった左上にボールがありました。ペットボトルは正面の男性が持っているらしい。この写真のよさは、どろんこプレーもさることながら、見えている人物の顔がいきいきとしていること。おそらく中央向こう向きの女性も同じ表情をしているのだろう。そんなことを感じさす。

 光 彩   YND
 ”光”は分かるが、”彩”は何を意味するのか。ちょっとわかりにくい。水しぶきに虹が見えたのだろうか。
 流れてくる水滴がきっちり止まって見える。流れ以外は暗くて状況がわかりにくいが、全体としてはかなり暗い場所だと思われる。そこでこれだけの高速シャッターを切れたのは、奥からさしてくる光のせいか。

 曼珠沙華   OOT
 暗い面をバックに彼岸花の上部だけを配した。上で見た下半身バージョンに対して、こちらは上半身版。面白い狙いだ。よく見ると後は竹薮からしい。はっきり見せるのではなしに、それとなく竹薮を暗示して、その横で咲く曼珠沙華を覗かせた。これは花をどれくらいのぞかせるかで勝負が決まる。ひそかにそして情熱的に。昔ありましたな。「恋の曼珠沙華」、思い叶わぬ夢ならば・・・。二葉あき子が歌って。二葉百合子と違いますぞ。

 オットどっこい   NKMR-m  
 野口さんと同じ時の撮影だという。色が全然違う。カメラの機種による違いではなさそう。どちらがより現実に近いのか。カラー写真の色が現実を再現しているとは思わないが、これだけ違うとちょっとと首を傾げたくなる。ホワイトバランスの違いだろうか。これは紙焼きを原稿にしているからプロパティを読むことができないが、お互いのオリジナルを見て、確認しておくのも勉強の一つ。

 秋の桜   TKHT  
 秋の桜でコスモスかと思ったら、本当の桜らしい。白をバックにして、黒い枝振りが生きた。花に神経を集中したと見えて、画面のど真ん中に来た。それがさらに後のぼけた枝と重なってしんどくなった。右下の梅を思わす枝振りがいいから、そこを中心として絵を作ればよかった。

 秋風と秋桜  HYS  
 秋風というから、花が揺れているかと探したが、何処にも揺れはなし。この場合は風はいらないだろう。「秋桜」だけか、それとも「秋空」か。雲の動きに秋風を感じたのかも知れないが。題との関係はともかくとして、秋を写して、気持ちのいい写真だ。

 夏の終わり   KDM  
 ほとんど池全体を埋め尽くすような水草。多分これが狙いだったとは思うが、気持ちの半分は手前の空を写す水面にあったのだろう。結局どっちつかずということになった。実情は分からないが、水草がメインなら、それが岸に近いところをワイドで狙いたかった。

 初秋の棚田   NMR  
 鮮やかな光。とくに小屋の屋根。棚田が瓦の並びに食われた。写材としては分かるが、これだけ強いと、この時間帯では、小屋を入れるのは無理だろう。入れるとしたら杉の木とセットにして、別の角度から小さく。棚田の実りが見事なだけに惜しかった。

 秋の白川郷   TJ  
 お彼岸限定、狙いは面白い。回りに散らばるネコジャラシも変化を添える。問題はバックの合掌造り。黒クマが現れたような。何かしっかりしたハイライトがほしい。手前の勾配の弱い屋根にそれが出かかっているが、大屋根のエッジにビシッとした線がほしい。これがあればこの写真は生きた。そこまで待てないのが遠征写真のつらさ。

 枯れ木に満月  YMMT-k
 月を意識したらしいが、木に対して小さすぎたのと、月が雲と重なったため、存在感が弱くなった。月や太陽は、どこから見ても同じ大きさに見える。だから、それらを大きく写すには、レンズを長くする以外にない。ところが、この場所でレンズを長くすれば木の枝しか入らなくなる。木全部を入れるにはバックするしか手はない。うんとバックして長いレンズで狙うと、月が大きくなる。

 影迫る!  YMMT-j
 怪鳥現る。石垣に影が映っているらしいが、影を見てシャッターを切ったわけではないだろう。たまたまシャッターを切ったときに影が飛び込んできた。おそらくあとになって写っていることに気づいたのではないか。像をつくって、プロジェクターで投影したのなら、大きさは自由に調整できるが、これは太陽光の影だろうから、石垣に対して太陽光線が斜めからあたり、鳥自体が上下に伸びて写ったのだろう。左下の烏もさることながら、影の下の小さな鳥がきいている。
 と、石垣に投影された影だとばかり思いこんで文章を書いたが、教室で確認したところ、烏の実物がカメラの近くを飛んだのだという。そうか、そんなこともあるのか。



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