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アルバム  NO.07
2010.07.25
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 新緑の頃   KDM  
 どこかのお寺の山門らしいが、門自体はあまり存在感がなく、新緑の葉と自然になじんでいる。ということで左に見える生け垣のハイライトと右に見える3本の杉の木を如何に処理をするかが勝負の分かれ目だろう。下辺に僅かに見える地面をしっかり手前まで見せた方が、遠近感も出て処理しやすかったのではないか。

 木の根道の光   NMR  
 木の根が露出している山道。全体をローキーに仕上げて、根っこの光を生かした。うまい手である。ながく踏みつけられた木の根の質感が浮かび上がってくる。力のあるいい写真である。

 夏の彩り   TJ  
 ハスが自然の色を越えた鮮やかさで捉えられた。なるほど夏の彩り。縦長にして空を広くとったのは分かるが、中央の黒いボケの意味が分かりにくい。それがあるために縦長にしたのか。それとも実体を捉えるつもりが、ぼけてしまったのか。ちょっとわかりにくいボケである。

 玄宮園にて  YMMT-k  
 彦根の有名な庭園。花も盛り、建物もきっちり撮れている。問題は手前の池面のさざ波、これがきつかった。入れたい気持ちは分かるが、境が横一線でなければ大きな問題にはならないが、この場合はしんどかった。そこをカットして、残りを再構成したら落ち着く。

 花賑やか  YMMT-j
 素朴な石段に満開の石楠花、室生寺だとか。土門拳や入江泰吉の写真で見た記憶がある。石段の上部に人物が2人いるが、立ち止まっている人は、何となく影になって分かりにくいし、下りてくる人は枝の影になってしまった。人物をもう少ししっかりと配置したかった。左上の木の間は、屋根までカットした方がいいだろう。

 望 遠   MRSK
 ちょっと意味が分かりかねるが、”望遠”という題がついた。草そのものを望遠で狙ったということか、それともバックの白い空間を含めて望遠効果という意味か。いずれにしても2次曲線を思わす草の穂先がポイントだろう。前後にボケを置いて、狙った効果は表現されている。

 ゴンドラ   KR
 エキゾチックなゴンドラと、沖に見えるのは島だろうか、半島だろうか。沖の尖塔が2次的なポイントだろうから、カメラの向きはこれで決まってしまう。波よけ用のブイが水平に強く、ゴンドラが塔に向かう方向性をふさいでしまったのがおしかった。

 浮かぶ葉   TJMR
 スイレンが1輪。水面には対岸の草木が映っているのだろうか。睡蓮の葉も不思議な金属質のイメージで、独特の雰囲気が出ている。しかし、手前の前ボケが無理に入れた感があるのと、葉の周辺の墨を落としたような斑点が絵をやかましくした。

 大凧揚がれ   NGC  
 凧は、如何に大凧といえでも、揚がってしまうと写真にはなりにくい。これは揚がる途中をうまく捉えた。引き手の人物が群像となってしまった中で、1人で引いている人物が右側に見える。こういう人物をうまく捉えると面白いのだが。

 茄子に蛙   INUE  
 ピントも後のボケもすべてOK。蛙も今にも動き出しそう。しかし残念なことに、一目見たときに蛙よりは茄子の花の方が目立つ。さあ、これはどうしたらいいのか。バックを考えるか、蛙の体勢を考えるか。それとも花との組み合わせがしんどいのか。いろいろとやってみてください。

 うたげの始まり  ICK
 普通はこういう写真はワイドで手前をアップして、という手法で行くのだが、これはさほどのワイドでもなく、右手前の人物だけを狙った。ビールを後生大事に抱えた主役の手が慎重なのに対して、左側の人物の手が勢いよく動いているのが面白い。

 壁の花  YMD
 石垣に生えている可憐な花。普通、花といえばバックは緑の草と相場が決まっているところ、これは石垣の強い線を持ってきた。そして左端に水ぬきのパイプ。すべて定石を破っていながら、見る目を引きつける。不思議な味のある写真である。

 清 涼  IMGW
 最初見たとき、右上の黒い岩を含めたH型の構図が、どうにも気になって仕方なかった。いろいろカットすることを考えたが、なぶっているうちに結局はこれでいいのかと思うようになった。昼まだ暗い渓流の涼。もう少し止まった部分があってもよかったか。

 水辺にて  MTOK
 いいバランスだ。花1輪、どーんとまん中にあったら困りものだが、それをそっと外して、背の高い脇役を左右に配した。これも同じ高さなら「門」構えになろうものを数も高さも均衡を外した。成功。

 シルエット  TNK  
 強い太陽に竹の葉が影を映す。あと少し太陽が左へ回って、右端に影を作っていたらなあと思いはあるが、よく考えてみると、それを待てば影自体も移動して形が崩れてしまう。これでよしとすべきだろう。節の強い線も、これがなければ竹の質感が怪しくなるだろう。そう考えるとギリギリの勝負をかけていることがよく分かる。

 睡 蓮   KJM 
 2輪というのか、3輪というのか。右側の色の薄い花を主役に絵をまとめた。ピントもそれにあっている。残念なのは、主役の花がやや露出オーバーだったこと。これさえうまく調整できていたら、いい写真だった。

 白のワルツ   SRI 
 ”君に逢ううれしさの…”、その昔、「水色のワルツ」という歌があった。高木東六の名曲である。これは白のワルツ、まん中の3輪が主役という意味だろう。ほぼ正三角形に見えるのだが、ほんの少し形を崩した。これが成功した。遠くに離れた小さな花も、この場合は生きている。

 草津宿場おどり   MTNM
 草津宿も現代風になった。元気いっぱいのパレード。太陽が彼女たちの真後ろにあって、撮る側からすると嫌な光線だ。それをものともせず松並さんも若い。右端に手前の人物らしきものが見える。もっと大きくして人出を表現する手もある。

 備前焼?   MBYS
 瓶や花ビンを含めての「備前焼」かと思うが、目立つのは白い魚。このままの絵だと、「備前焼の瓶や花瓶の中に魚がいました」ということになっている。しかし、一目見たときは、「なに!、この魚」のはずだから、これでは味がない。画面を上下左右に4分割。左上を作品としたい。もちろんあとから切るのでなしに、撮るときにね。

 梅雨の晴れ間   ATRS  
 木葉漏れの光をうまく使ってアジサイをアップした。光の取り扱いは成功。ただし、ピントが中央部のつぶつぶの部分にだけに来た感じで、やや浅すぎた。あと少し絞り込んで手前の花まで持ってきたかった。

 碧   MRKM  
 遠くの山の稜線がほぼ水平に一直線で、画面が上下に2分されてしまった。上空の青空が捨てきれなかったのだろう。しかしこのままではどうにもならず、どちらかに意思表示をしたい。上へ振って空が主役ということは無理なので、結局下へ振ることになる。となると、右の雲をギリギリに入れるくらいまでと考えると、上の青空が全部消えてしまう。これがまた風景写真のやっかいなところ。

 古代のハス  TNZK  
 弥生時代の遺跡から採取されたタネから育てられたというハス。それを表現するため竪穴式住居をバックにした。意図はよく分かる。後の屋根がもう少し古代の住居だよということが分かった方がよくはないか。空の抜けをはじめとして、難しい点はよく分かるが。

 激流泡踊り  YND
 一見洪水の写真かと思うが、そうではないらしい。どういう加減か光がスポットライトを当てたように点々と当たっている。右手前がメインで、左奥へ点々と続く。これが舞台装置を見るような錯覚を与えてくれる。カメラに自由がきくなら、あと少し左へ振って、いちばん奥の小さなポイントをまん中あたりまで持ってきたかった。

 ごはんですよ〜  OOT
 すすめの子供のエサ争奪戦。人間が近づくと親は寄ってこないから、カメラをセットだけしておいて、リモコンでシャッターを切ったのだという。これはこれなりに苦労があるもので。やらせではない迫真の生映像。なかなか迫力がある。

 クマ蜂ホバーリング   NKMR-m  
 手にとって測ったわけではないが、この種のハチの羽は小さい。ために短い周期で上下運動をさせる。シャッタースピードが遅いと、流れてしまって写らない。羽をとられた蜂の胴体だけが空中に浮いている絵になる。今の場合も、右側の1枚だけがかろうじて見える。

 塔   HYS
 夕焼け空がテーマかと思ったら、題は「塔」。そうか、そういわれてみるとこの込み入った塔の構造は結構強い。夕焼け空に負けないぐらいの郷愁もある。その昔どこかで見た火の見櫓を思い出すからだろうか。そのどれもこれもが、赤い夕焼け雲のせいかもしれない。



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