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アルバム  NO.06
2010.07.11
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 急階段   HYS
 急な石段を登る2人。前の女性が持つ傘、たまたまこの方向になったのか、それとも後の人を引っ張っているのか。望遠レンズをうまく使って、階段の勾配を強調した。斜めに伸びる木漏れ日が偶然人物の方向と一致した。別に深い意味はないが、結果的に絵の構造を単純化した。右下の紅葉が飛びかげんなのと、石段の若干右下がりが気になる。

 夕日の山田   KDM  
 右からの光が印象的。手前の広い田圃が、うっかりすると白く光るのだが、この場合は向こうの山の陰がうまくそれを押さえてくれた。落ち着いたいい写真である。夕日だとすれば、もう少し光が黄色くてもいいような気もする。ホワイトバランスを変えて見るのも一つの手。

 新緑の光   NMR  
 題名と絵の実体とが食い違った。構図の上では手前の竹垣がメインになり、新緑はバックグランドに回る。それに対して明るさでは竹垣が陰で背景の新緑が陽になる。ああ、ねじれ国会。左へ回り込めば、このねじれは解消できたのではないか。

 新緑の輝き   TJ  
 新緑の森でよく見る光景。左上から右下への流れに対して、右上の赤い新芽が、直交するように交わる。右上のモミジの葉っぱは、一見いらないような気もするが、なければ絵のバランスが崩れるようにも感じられる。これはこのままでいいのだろう。いい写真だ。

 縄遊び   KTD  
 縄遊びをする子供の表情が生きている。とくに右端の子供、身体全体の表情がいい。大きい2人の頭が切れているところから見ても、狙いは右端の子供だったのだろう。子供たちが日向にいたらという思いもあるが、これはこれでよかったのだろう。

 最高の日  YMMT-k  
 題から見ると、御輿の上の元気な女性が狙いだったらしい。そんなことで、担ぎ手の身体はかくした。そんな配慮にもかかわらず、上の女性はうれしさ半分、怖さ半分で御輿本体に身を寄せているため、顔が御輿の飾りと重なり加減。身を反らして、右手を大きく挙げていたら文句なしだった。担ぎ棒と手はかくしようがなく、そちらに先に目がいく。難しいところだ。

 さあ還御  YMMT-j
 お稚児さんらしい子供を世話役さんが担ぎ上げているところらしい。クラゲの親分のような飾り物は子供がかぶっているのだろうが、それがもう一つよく分からない。たまたまそういう位置回りになったのだろうが、行事を後から撮らざるを得なかった難しさだ。

 雨上がり   MRSK
 派手な色で一瞬どきっとするが、よく見ると面白い写真だ。もともと赤く色づいた葉っぱに朝日か夕日か、黄色い光が当たっている。細い絹糸のような雨が降っているかと思わすが、よく見るとクモの糸。それが黄色く光っている。普通ここまで間隔の狭いクモの巣はないわけで、それを雨のように見せる望遠効果の面白さである。

 水 車   KR
 早春の安曇野。ここへ行って、シャッターを押せば、こういう風景が待っているという定番写真である。意識して入れたのか、偶然入ったかは分からないが、上の木の枝のボケは不要だった。絵全体が右下がりが気になる。

 グラス   TJMR
 サッポロビールのコマーシャルに使えそうな写真だ。手前のグラスのボケが面白い。しかし、これに「グラス」という題はちょっと不向きだったか。ボケはあくまで脇役だろうし。まん中の人の頭らしいシルエットの所に、白いドレスを着て立つ女性がチラと見えると生きただろう。

 鷺踊り   NGC  
 シラサギのシンクロナイズ。見事に決まった。私なんぞは、一羽でもこんなに決まった形で撮れたことはない。それが二羽揃って、見事。バックは池か、琵琶湖かよく分からないが、単純になりすぎたか。杭とか、ヨシとかがかたちをつけてくれるとさらによくなっただろう。

 夕日照る河守堂  ICK
 田のふちの祠が真正面から光を受けている。手前の水田に山の影が映っている。それだけ見ると上下対称の単純な構図になっている。しかし、その水田にカメラの後にある何かの影が映って、絵が複雑になった。結果、絵全体として、何か落ち着かない雰囲気を作ってしまった。

 バ ラ  YMD
 左下につぼみが一つ見えているとはいえ、結果的にはバラの花一つがどーんと収まるかたちになった。ピントも花の中央部にぴしっと来て、基本的にはしっかり撮れている。問題は全体の絵の作り方である。花一つどーんと来るかたちを避ける意味で、上と右をカットして、花の中心部を画面の右上近くへ持って行けばよかっただろう。

 波 紋  IMGW
 多分夕方だと思うが、山の中腹から湖面を見下ろしたところ。不思議な波の重なりの上を一艘の船が港へ向かう。岬の先端部に見える波の複雑な重なり合い。瞬間を切り取る写真の面白さを見る思いである。可能なら下の木のシルエットがもう少し見えてもよかったか。

 にぶ色のきらめき  MTOK
 水平方向の波に雨を思わす縦の線。この組み合わせが面白い。おそらく空が薄曇りだったのだろう。その雲を写して、水面は鉛色。そんな波が太陽の光を返してキラキラ光る。とはいえ、この写真を生かしたのは、まばらなヨシの線である。いい写真である。

 田植え前  TNK  
 ステンドグラスを見るような棚田の光景。田植え前の水面が白く光る。絵の上で考えてみたい点が2箇所。1つは上端、メインの田圃の向こうに僅かに見える田圃。もう1つは、手前、杉の木に重なった田圃。手前の田圃はカメラを下げて、杉の木でかくした方がよかったか。問題は上の方。これは賛否両論か。

 山 波   KJM 
 若者のモヒカン刈りを見るような山並み。淡い雪を残す冬の風景。ごく普通の切り口で、穏やかな写真に仕上がった。木が並ぶ稜線が狙いだから、空の広さは必要なかった。できれば手前に1、2本太い木を置きたかった。

 春の空   SRI 
 見事な青空である。まだ葉はついていない早春の日。斜めに伸びる細い木。その先に白い雲。心象風景とでも言おうか、青春の日を思わすような写真である。絵としては造作が上半分に集まりすぎた感がある。別に悪くはないのだが、下半分の広い部分にも白雲があってもよかったか。

 カンパニニラ   MTNM
 何かフィルターを使ったらしい。2次的な像が周囲に見える。これが濃いとうるさくなるのだが、今の場合は左上の一部を除いて、淡く押さえられたので成功した。右のメインの花が飛びかげんになったのがおしかった。これが押さえられていたらもっとよかっただろう。バックが暗いから、露出補正をやるしかない。

 麦 秋   MBYS
 見事な麦畑だ。ヒゲの白い波の中に穂の実体の褐色が混じる。いい雰囲気である。ところが写真全体としては、上半分が空で、せっかくの麦畑の魅力が半減した。この際は空を捨てて、画面を4分割して、左下か、右下かを撮ればよかった。左か右か、私は山を含めて右をとる。

 土壁の小路   ATRS  
 新さんの道シリーズ。金沢だったかな。土壁は新しいものらしいが、庄屋さん風の民家はどっしりと昔を思わす。これだけの舞台でありながら、人がほとんどいない不思議。手前広い土塀をバックに日傘をさしていく人を入れたい。

 暁   MRKM  
 琵琶湖の朝。薄曇りだったのか、全体に褐色に見える。黄砂が来た日もこういう色に写る。この日はどういう状況だったのか。昇ったばかりの太陽は、多分どーんとしていたのだろう。望遠で捉えているが、全体としてはくすんだ風景になった。遠くに船がいるが、注意してみないと見えない。

 優 美  TNZK  
 これはどちらを狙ったのだろう。ブルーの坊主か、サギソウのような白い花びらか。私には、横一列に伸びた花びらが異様に感じられる。バックの処理等は手慣れたもので、何の違和感もない。この花びらがなかったら、けっこういい写真だったような気がする。

 綿の漂流  YND
 滝というべきか、川というべきか。豊かな水が流れ落ちる。スローシャッターで流したため、水の細部の表情がほとんどなくなってしまった。手前にきれいな草がある。それなどを前景に流れの一部を切り取った方がよかっただろう。

 梅雨のシンフォニー  OOT
 屋外撮影だと思うが、花びらの向きによって反射する光の量が変わるのだろうか。一枚一枚に明るさの変化があって工芸品を見る思いがする。そんな中で手前の一つが強い光を受けて、ひときは目立つ。これがもう少しバランスのいい場所にあったら、文句なしだった。残念ながらちょっとずれた。

 子育て真最中   NKMR-m  
 スズメの親が子供にエサを運んでいるところ。片足挙げて、エッチラオッチラというところが面白い。子供は親が来るまで待っているのだろうか。そんな詮索もしてみたくなる。順光線で画面が全体として淡いトーンで、もう一つきりっと締まるところがなかったのがおしかった。

 色 香   TKHT  
 珍しい作品が出てきた。バックの町並みから見て京都らしい。左上の部分、髪に挿したかんざしかな、これらとそれに挟まれたバックの窓らしきものの相乗効果で騒がしい。ということで、上下それぞれ4分の1ずつカットすると、ぐっと生々しい写真になる。



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