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アルバム  NO.04
2010.05.23
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 生命力   NKMR-m  
 藤棚の中の幹を狙った。竜巻のような、昇り竜のような、力強さを感じる。右が主で左が従、バランスもうまくいった。曇り空らしく強い光はないが、できればあまり強くない木漏れ日が当たっていたら、もっと引き立っただろう。いい写真だ。

 釣り人   TKHT  
 京都の鴨川だとか。モノクロ処理をしたのかと思ったら、カラーモードで撮ったそのままだという。そういわれれば、川の流れなどに色を感じさせるところもあるが、不思議な写りかたをしたものだ。釣り人の所だけが陰になって、姿そのものが完全なシルエットになったのも成功した。

 落 陽   HYS
 湖畔のひとときらしい。金色の夕日が湖面を染める。子供たちがアヒルか何かと遊んでいるところ。気持ちのいい写真だ。芽吹く前の裸木が画面を左右に2分したのが多少気にはなる。水鳥のバランスから見れば、左の木に重なっている黒い2羽が木と木の間にいるとよかったのだが。

 陽 春   KDM  
 単なる水たまりなのか、噴水池なのか、写真を見ただけではよくは分からないが、とにかく子供が水際でおっとっとというところ。 上からの光で、子供の輪郭が光る。これがこの作品の目玉。おしかったのは、水際、道路の向こう端、生け垣が平行線になったこと、その一つが子供の頭と重なったこと、その頭が画面のど真ん中に来てしまったこと。うしろの桜はあまり意味がなかったようにも思う。

 筑摩の鍋冠まつり  YMMT-k  
 子供が鍋をかむって歩く。民俗学的にはいろいろと意味がある祭りだとか。その列を素直に撮った。子供の緊張した顔がポイント。前から続いていた列が、ちょっととぎれたところでシャッターを切ったらしい。瞬間のスナップだから、子供の表情まで選べないとは思うが、動きのある表情だともっとよかっただろう。

「お前はわちきを…」 YMMT-j
 題は子供歌舞伎の台詞らしい。しかしこの女の子の表情、手の仕草、完全にプロ級だ。どういう経緯でこの舞台へ上がっているのか分からないが、将来やみつきになるのじゃないかな。私自身が素人でこれ以上のコメントはできないが。一見して印象の強い写真である。すべては女の子の表情。

 暗と明の様   MRSK
 円と四角の枠から向こうが見える。手前の円が入口のようでもあるし窓のようでもあるし。向こうの光加減からして手前の面が陰になって暗いのも不思議だし。この不思議さがこの写真のポイントか。相手があることで仕方ないことだが、シルエットの人物と後の人物が重なったのがおしかった。

 楽 園   NGC  
 桜にメジロ。まさに楽園。この可愛い目玉はどうだ。2本に分かれた枝もいいバランスだし、空も花も何よりの光に恵まれた。ピントもぴしゃりと見事にあっている。カワセミに比べるとバックが花で絵になりやすいともいえるが、とっさの判断で切り取るのだから、そう簡単な話ではなかっただろう。いい写真だ。

 若 葉  INUE
 いい光だ。何の若葉か分からないが、透き通る光にぴしゃりとピントがあって気持ちがいい。茎の下の方が、バックにとけ込むように暗部に消えるのもいい。これにカマキリかバッタの影が写るとさらによくなるのだが、時期的にまだちょっと早いか。

 悠紀の里の春  ICK
 グラウンド一面に散った桜の花びらと三上山とを組み合わせた。その組み合わせ方が強引すぎた。結果中央の線で写真を上下2分することになった。これだと手前の桜だけで絵を作るアングルだった。カメラを下げると、山が主、桜が前景の絵になる。

 準備完了  YMD
 田に水が張られて、田植えの「準備完了」ということだろう。空が映っているだけでは芸がないので、向こうの山の陰を入れた。意図は分かる。この際ネギ坊主は一見主役に見えるが、題から考えると前景だから、仕事を終えて帰る人を入れるとか、軽トラを入れるとか。

 朝 光  IMGW
 朝日だとか。この時期の日の出は早い。大変な努力だ。何回か見せてもたった裸木だが、葉が増えだした。季節の移ろいを感じる。日の出の位置を少し離れた低い木のところへ持っていった。これに新鮮さを感じる。太陽から、上空の青さまで空の色の変化もいい。

 花水木輝き  MTOK
 花水木、これから咲き始めるところだという。若い緑と白い花、清楚な感じがする。若い緑、いわゆる浅緑を写真に生かすのは難しいのだが、これはうまくいった。とくに陰の部分の緑がいい。上端に平行に出ている葉はカットした方がいいだろう。

 龍馬の荒波  TNK  
 題からすると土佐の海か。よく晴れた日なのにこれぐらいの白波がたつ。さすが太平洋。絵の要素が画面の左上にかたまった。大平洋を写し止めたい意図は分かるのだが、この場合は最小限にとどめ、左上をアップした方がよかっただろう。知らぬ顔の上の人に比べ、身構えている下の人との対比などが面白い。

 ありがとう   KJM 
 人力車の車夫同士のサインか、それとも乗ってもらったお客さんへの別れか。題からすると後者らしい。この場合、左はあまり意味がないから、カメラをもう少し右へ振って、相手も写し込みたかった。車輪の重なりなど、望遠効果が出て、面白い作品である。あと一歩。

 散歩道   NKMR-k 
 作られたときには脚光を浴びていたのだろうが、手入れも忘れられて、わびしい散歩道である。ということを表現しようとしたのか、たまたまそこにあったから写したのか、そこのところがもう一つはっきりしない。それを明確にして狙うと、写真が生きてくると思うのだが。

 五月のかおり   SRI 
 藤の一房というのか、一列というのか、ひと下がりというのか。それに淡い光が当たっていい雰囲気である。向こうに下がっている花が陰になって、なお藤の色が生きている。画面全体が、淡い紫で統一できたのがよかった。中央上の抜けた部分が若干気にはなる。

 ネコヤナギ   MTNM
 柳の下に猫がいる…、毎度おなじみのネコヤナギ。それをアップで見るとこのように見えるのか。見事なピントである。それにくわえて特に左上(穂というのか、房というのか)、この絵でいうと主役の所だが、下半分手前に伸びてくるヒゲが立体感を感じさせる。バックにややうるさい感じがないでもないが、いい写真である。

 誰かの忘れ物   MBYS
 敷石の上にタンポポの花が一輪。誰かが忘れていったのだろうという想定か、それとも事実その通りなのか。水平面をあえて傾けたような設定もしゃれている。花をもう一面手前のブロックに持ってきた方がよかったか。花一輪でいろんなことを感じさす写真だ。

 夕暮れ   ATRS  
 どこかの旅館へ続く道か。手前が暗くて、向こうが明るい。その暗さと明るさの狭間の灯りがいい。手前が石畳のようだから、カメラは明るい方からやってくる人を迎える立場だろう。手前の暗さと2つの灯りがその心理的な関係を表現している。いい写真だ。

 最良の日  TNZK  
 満開の桜の下を、嫁入り船がやってくる。花嫁さんの衣装がきいているし、赤い傘がいい。これはやっぱり嫁入り船で、「結婚船」ではない。材題の勝利。この船が通ることを事前に知っていたのか、それとも偶然に出くわしたのか。トリミングをしているらしいが、あと少し左をカットする手もある。

 斜 光  YND
 横長の写真を左右に圧縮してプリントしたのだという。横長の左右をカットしてをタテにトリミングすることがあるが、これはそうではない。プリントする時点で、縦横を反対に指定した。結果横に広かった滝が縦に長くなった。横に長く伸びていた白い光の帯が斜めに急角度に差し込むことになった。原版は葉っぱなどももっと左右に広い。ふとした思いつきらしいが、アイディアに敬意を表する。絵としてはまん中のへその位置が多少気はなるが。

 旅立ち  OOT
 見事なピントだ。大自然の神の摂理でかろうじて止まっているような胞子一つ。今まさに旅立たんとす。バックのボケもいいし文句なし。この上あえて疑問を呈するならば、球形の穂全体を見せる必要があったかということ。旅立つ胞子がポイントならば、上と右をカットして、さらに胞子を生かす手があったのではないか。



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