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アルバム  NO.10  
2005.10.23
スライドショー


十五夜の月  NGC
 手前にススキの穂かな、ちょっと分からないけれども、前衛華道的に秋の草をあしらって、味のある月の写真になりました。 前景の花以外には、山の姿も何も写っていないのだから、月が昇ってからかなりの時間がたったという設定になるのでしょう。 だとしたら、「もうあんなところまで昇ったよ」という表現にしたかった。ということは、ススキを前景として月を仰ぎ見るという設定。月をもう少し右上へ持って行くということです。


 

西の湖  ND
 近江八幡市街の建造物で、西の湖も撮りにくくなりました。それをうまく除いて、昔ながらの風景に切り取った。ここまではOK。問題はその後。 この写真が作品としてもう一つ魅力がないのは、真上から来ている光線のせいです。真上からの光線は風景の立体感を奪います。もう一度、斜光線で狙ってほしいところ。
 船だけを見ているとピントが来ているようだが、全体では何となく甘い。カメラ振れじゃないかな。


桔梗  HYS
 一輪の桔梗と少しはなれて何本かの黄色い花。この写真の魅力は、川なのかドライアイスの霧なのか、なんだろうなと思わす対角線上の帯です。 その帯に黄色い花が重なっているのが印象的です。秋の夕暮れ、ひっそりと川辺に咲く花。作った写真かもしれないけれどいい写真です。


 

 MTB
 彼岸花を見上げるようにしてローアングルで三上山を狙った。構図としては正解。手前が一段低いところなら別だけれど、そうでないとしたら、アイレベルのカメラではしんどい構図。 それはいいとして、曇った空がどうしようもない。いつでも撮れるなら晴れた日に撮り直せばいいのだが、そうはい行かないところがつらいところ。


 めおと滝  MRYM
 なかなか豪快な2本の滝。左の滝の上半分で、飛び散る水しぶきがうまくキャッチされています。惜しいのは左端のハイライト。たとえば、もう一歩左へ寄って、カメラを右へ回せたらよかったのだが。 天気のいい日に滝を撮ると、どうしてもこのように明暗の差が強くなります。ハイキングの途中に行き当たりばったりで撮ることもあり、一概には言えませんが、作品に仕上げようとすれば、その場所に適した光線の見極めが大事になります。


 

 夏の昼下がり  MRKM
 湖岸道路から見た夏の琵琶湖なのだろうが、題のイメージと写真とがどうもしっくりこない。絵の大部分は空だけれど、これがどちらかというと秋の空。 下のヨシの群生を入れれば、夏のイメージが出たかもしれないが、それをあえてカットした。結果、秋の天高くを強調することになってしまった。空を大きく入れた気持ちは分かるが、下がいかにも窮屈になってしまった。


 

  水の模様  YND
 米田さんの滝もの。カメラの操作は問題なし。どの程度に水を流し、どの程度に止めるか。どういう条件のときに、どのような色にあがるのか。これは数をこなして、体で覚えていくしかありません。
 あとは目の前の滝をどう切り取るかが問題です。左の原版の場合、いうまでもなく左上の白い岩が目立ちます。トリミングすれば右のようにすっきりするのですが、トリミングはあくまで対処療法でで、初めから問題のない原版を作るに越したことはありません。撮影する際に、ファインダーの四隅を注意することです。たとえば空き缶一つが致命傷になることがありますから。


桟橋  YMD
 赤茶けて、歴史を語るような古い桟橋。誰もいない夏の終わり。面白い材料を見つけました。しかし、もう一つ切込みが足りなかった。
 作者は、この桟橋と湖との関係をどうとらえようとしたのか。桟橋を明るい湖のなかの一つの添景として見ているのか。それとも、湖とは無関係に、桟橋だけに目を向けたのか。それが決まらずに、目の前に現れた風景として、軽い気持ちでのスナップにとどまったようです。
 もし、湖との関係を持たすとしたら、桟橋で水平線が隠れてしまったのが致命傷だし、湖を切り捨てるのだとしたら、屋根のある部分にもっと迫るべきだった。いずれにしてもこのままでは中途半端でした。


 

色づきて 稲さやさやと なびく路  IKTN
 緩やかなS字を描く農道。両側に色づいたイネ。黄色味を帯びた光線が雰囲気を盛り上げています。
 写真があって、「色づきて」の句ができたのか。句が先にできて、そのイメージで写真ができたのか。
 右下に他より大きく見える実りかけた穂にカメラを近づけると(穂を大きくアップすると)「色づきて」のイメージが強くアピールできたのかな。 上端に点々と見える住宅らしきものはカットたほうがよい。
 いずれにしても、爽やかな気持ちのいい写真です。ふるさと大賞。子供が走ってきたらもっとよかった。


 琵琶湖大橋の朝  IMGW
黄金色に輝く琵琶湖大橋。私も何度かここに立ちましたが、こういうイメージに出くわしたのは初めてです。出くわしてはいたのだろうけれど、太陽そのものに気をとられていたのでしょう。 右端のヨシの処理がしっかりできていたらもっとよかった。カメラをもう少し下げて、ヨシを大きくしてもよかったのではないかな。 手前の湖面に横たわるゴミかな、藻かな。目障りですね。


 

緑のアーチ  UEN
 これも裏をめくるまで題が分からなかった。なぜかというと、この写真で最初に目が行くのが上から下がっている植物。 特に奥のグループはライトに照らされて目立っている。自然に目が行っていまう。もし、「緑のアーチ」にこだわるならば、これらの目に付くものを隠す処理をして、アーチを前面に持ってくる必要がある。このままだだとアーチはあくまで脇役です。


土用波  OOMC
岩礁がテーマかなと思って題を見たら、「土用波」とある。そーか、波がテーマか。そういえばこの岩礁は、もう一つ魅力がない。 それより砕け散る白い波のほうがよほど迫力がある。だとすれば、もっと波に肉迫して、波そのものを大きくとり入れるか、岩礁のスペースが少なくなるようなポジションを取るべきだった。


 

水 引  TNK
 黒をバックに、小さい花をつけた枝。なるほど水引ですね。田中さん得意のアップもの、できるだけ単純化してみようとあれこれ構図をひねった結果できたのがこの写真。 気がつけば日の丸構図になってしまっていた(上下左右対称になっています)。もう少しどちらかにバランスを崩して、できたらも少し小さい枝をもう1本。


秋の田  NKMR
 「秋の田」には違いないが、この場合の魅力は、半円形を描くハザの曲線。この場所に立ったとき、この状態だったのだから、これ以上どうしようもないのだけれど、内側のもう1本の線が完結し、 左上の2枚のが手前のように放射状に出来上がっていたら、ずいぶんイメージが変わったと思う。  この際、もう1回行きますか。


 

早朝の近江富士  NSOK
 早朝の近江富士」という題だけれども、近江富士が木の下に入ってしまって、存在感がない。この山は小さな山だが、肉眼で見た場合はけっこう目立つ。 それは「あの富士山の形をしたふるさとの山」という意識で見るためです。ところがいざ写真に撮って見ると、そうは行かない。カメラに意識はないから、小さな山は小さな山としてしか写さない。
 じゃ、そのときどうするか。写真の画面の中で、見る人の目を山へ誘導する仕掛けをする。この場合だと、向こう岸の道。このカーブが何とも魅力的。 道の先が三上山のほうへ消えていく場所を探してカメラをセットする。道を見るだけで、人の目は三上山へ導かれる。